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【写真】中国国家博物館の絵画展示から見る中国共産党の歴史観(犬大将)

2012年02月29日

■国家博物館近代歴史展示の絵画からみる中共の歴史観■

*本記事はブログ「メモ」の2012年2月25日付記事を許可を得て転載したものです。


■中国国家博物館の展示「復興の道」

北京の国家博物館に行ってきました。中国には「愛国主義教育基地」の博物館なるものがあり、そういうところは写真のパネルを中心にした展示がある。まぁ絵本みたいなもんですな。ときどき子供なんかが授業でゾロゾロとつれてこられて教育されているのにでくわしたりもする。

北京の天安門広場に面している国家博物館の「復興の道」展示もそんな感じの使命を負っているらしく、写真パネルが多い。展示を素直に追っかけても共産党が現在どういう歴史を公式なものとしているかわかるのだが、その展示の間に挟まっている大型絵画に注目して歴史観をみることにした。

大型絵画のおもしろいところは製作年が書かれていることだ。過去の展示で使われていた絵画が流用されているので何が後から加わったのかある程度うかがえるようになっている。


■「復興の道」展示


第一部分:中国淪為半殖民地半封建社会
第一単元:鴉片戦争前的世界與中国
清王朝的専制統治2009
20120227_写真_中国_中国国家博物館_01

第二単元:帝国主義列強対中国的侵略
旅順大屠殺2009(日清戦争)
20120227_写真_中国_中国国家博物館_02
 
第三単元:中国人民的抗争和覚醒
中日黄海海戦1961(日清戦争)
20120227_写真_中国_中国国家博物館_03
 
虎門鎖烟1959(アヘン戦争)
20120227_写真_中国_中国国家博物館_04
 
第二部分:探求救亡図存的道路
第一単元:国家出路的早期探索
金田起義1961(太平天国)
20120227_写真_中国_中国国家博物館_05

第二単元:辛亥革命推翻封建帝制
同盟会成立1988(孫文の背後に日本人)
20120227_写真_中国_中国国家博物館_06
 
武昌起義1961
20120227_写真_中国_中国国家博物館_07

第三単元:辛亥革命失敗和新文化運動興起
兼容并包1988(民国の諸思想運動)
20120227_写真_中国_中国国家博物館_08

第三部分:中国共産党肩負起民族独立人民解放歴史重任
啓航-中共一大2009
20120227_写真_中国_中国国家博物館_09
 
第一単元:開天辟地的大事変
列寧宣布蘇維挨政権成立1947(ロシア人画)
20120227_写真_中国_中国国家博物館_10
 
第二単元:探索中国革命新道路
賀勝橋戦役1961
20120227_写真_中国_中国国家博物館_11
 
南昌起義1957
20120227_写真_中国_中国国家博物館_12

焼地契1975
20120227_写真_中国_中国国家博物館_13

第三単元:全民族抗戦的中流砥柱
大刀向鬼子們的頭上去2009
20120227_写真_中国_中国国家博物館_14
 
パネル八百壮士2009(国民党、白黒)
20120227_写真_中国_中国国家博物館_15

パネル八女投江1957
パネル劉老庄八十二烈士2005  
20120227_写真_中国_中国国家博物館_16

パネル狼牙山五壮士1959
20120227_写真_中国_中国国家博物館_17

延安火炬1959 
20120227_写真_中国_中国国家博物館_18
 
公元一千九百四十五年九月九日九時南京2003
20120227_写真_中国_中国国家博物館_19

数風流人物還看今朝1977(毛沢東)
20120227_写真_中国_中国国家博物館_20

第四単元:為新中国而奮斗
転戦陝北1959
20120227_写真_中国_中国国家博物館_21

第四部分:建設社会a主義新中国
第一単元:中国人民站起来了
開国大典1953
20120227_写真_中国_中国国家博物館_22
 
重建起来1959
20120227_写真_中国_中国国家博物館_23
 
第二単元:確立社会主義基本制度
群英会上的趙桂英1951(印刷物)
20120227_写真_中国_中国国家博物館_24

 
第三単元:社会主義建設在探索中曲折発展
第四単元:国際地位提高與国際環境改善

第五部分:走中国特色社会主義道路
第一単元:開辟社会事業発展新時期
鄧小平小平南方観察2003
20120227_写真_中国_中国国家博物館_25
 
第二単元:開創改革開放現代化建設新局面
第三単元:開創全面建設小康社会新篇章


■制作年順に見た展示絵画

中国国家博物館の歴史を簡単に紹介しておこう。現在の位置、天安門広場東側に移ったのは1959年。歴史博物館と革命博物館としてオープンした。1969年には文革で黒線指定をうけて展示を縮小、名称も中国革命歴史博物館に変更された。1983年には名義を文革前にもどした。2003年に組織合併して国家博物館に改称。建物も改装、2010年に再オープンした。「復興の道」展示は革命博物館から伝わってきた直系の展示となる。  

製作年順にならべると、どの段階で展示に加えられたのかがよくわかる。

1959以前
列寧宣布蘇維挨政権成立1947(ロシア人画)
群英会上的趙桂英1951(印刷物)
開国大典1953
南昌起義1957
パネル八女投江1957
延安火炬1959
転戦陝北1959
重建起来1959
虎門鎖烟1959(アヘン戦争)
パネル狼牙山五壮士1959
 
1959後文革以前
中日黄海海戦1961(日清戦争)
金田起義1961(太平天国)
武昌起義1961
賀勝橋戦役1961
1969~1979
焼地契1975
数風流人物還看今朝1977(毛沢東)

1980年代
兼容并包1988(民国の諸文化運動)
同盟会成立1988(孫文の背後に日本人)

2003年組織合併後
公元一千九百四十五年九月九日九時南京2003
鄧小平南方観察2003
パネル劉老庄八十二烈士2005

現在の新館
清王朝的専制統治2009
旅順大屠殺2009(日清戦争)
啓航-中共一大2009
大刀向鬼子們的頭上去2009
パネル八百壮士2009(国民党、白黒)

1959年に天安門広場の前に革命博物館がたてらてたときには共産党だけの展示しかなく、その後文革までに若干拡張され、文革中は革命展示だけしかなかったのであろうことがうかがえる。80年代には共産党以外の紹介もできるようになり、孫文の背後に日本人が立っているような絵でも展示できるようになった。

現在の新館向けのものでは、国民党の活躍も表現できるようになった反面、日本人を憎悪の対象とするものが目立つ。天安門事件の後の1995年からはじまった「愛国主義教育」が浸透した事もあるだろうが、国家博物館になって「革命」に限定されなくなったこともあるのだろう。

まぁしかし「中国への帝国主義の侵略」を代表する絵画が八国聯軍とか円明園とかではなく「旅順大虐殺」だったのは自分にとって衝撃的だった。

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*本記事はブログ「メモ」の2012年2月25日付記事を許可を得て転載したものです。
(執筆者・犬大将)
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