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中国最強IT企業は最強のパクリ王だった?!テンセントの模倣疑惑が話題に

2012年04月17日

2012年4月、中国でまたまたネット企業のパクリ問題が話題となっている。


■中国IT業界とは?

サッカーイングランド代表の名選手ゲーリー・リネカー選手はこんな名言を残している。

サッカーというのは単純な競技さ。22人の男たちが、90分間、ボールの後を追いかけ回す。そして、最後にドイツ人が勝つんだ。

西ドイツ代表無敵時代の凄まじさを一発で理解させるステキな言葉だが、中国IT業界向けに書き換えるとこういうことになろうか。

中国ITというのは単純な業界さ。無数の企業が米国の最新サービスを模倣する。そして、最後にテンセント(騰訊)が勝つんだ。

5億人超のユーザーを誇るチャットサービス・QQ(ICQの模倣サービスとしてスタート)を要するテンセントは中国最強のIT企業。その得意技はスタートは後発でも、膨大な数のQQユーザーと資金力を生かして逆転し、市場を制覇するというもの。

なにかと話題のマイクロブログ(微博)でも、登録アカウント数では先行する新浪微博を逆転した。動画配信サービス、オンラインゲーム、モバイル音声アプリなどの分野でも存在感を高めている。


■網易がテンセントを批判

そのテンセントの「模倣」を網易が告発した。

 20120417_写真_中国_ニュース_1
*画像は新浪網の報道。左が網易、右がテンセント。

先日リリースしたスマホ用ニュースリーダー・アプリが、大手ポータルサイト・網易のアプリ・デザインそのままではないかという指摘で、網易は「自発的にアプリの公開をとりやめよ」と要求するとともに、米アップル社にテンセントのニュースアプリ公開停止を申し立てたという。

テンセントはパクリを否定。それどころか、自社が提供するメールサービス・QQ郵箱では「網易がテンセントを非難云々」と書かれているメールを問答無用でスパム扱いするという、面白すぎる反撃策を示しているという(光明網)。



■大衆点評が網易を批判

「悪の帝王」テンセントを打つべく立ち上がった正義の網易だが、逆にパクリ疑惑で批判されるという残念な展開もある。先日、網易はレストランガイドのスマホアプリ「飯飯」をリリースしたが、お店の紹介や名物料理、平均予算などの内容を中国版食べログこと、大衆点評からパクっていたという(北京晨報)。

網易は先日、テンセントのニュースアプリのパクリ問題を公開で批判しましたが、自身の利益を守るために見せた努力を我々は評価します。ならばテンセントを批判すると同時に、まずは自分が手本を示されてはいかがでしょうか?即刻、パクリアプリの公開をおやめいただきたい

と大衆点評は皮肉たっぷりのコメントを発表。あとはテンセントが大衆点評を批判したらステキな三すくみが完成するのだが。


■パクリ王テンセント

テンセント絡みの問題はこれにとどまらない。3月にはQQの新製品発表会が開かれたが、その会場に企業向けインスタントメッセンジャーサービスを提供するimo関係者が乱入。QQはパクリだと抗議する騒ぎがあった(Donews)。

20120417_写真_中国_ニュース_2

ご丁寧にもテンセントがどんなサービスをパクってきたかの一覧表まで作ってきている。

imoのサービスを模倣した企業QQというサービスをリリースしたばかりか、検索サイト・百度でimoと検索すると企業QQの広告が表示されるように設定していたのだとか。しかも「管理可能」というキャッチコピーまで盗まれたと主張している。

2010年にテンセントと「3Q大戦」を繰り広げたアンチウイルス大手・奇虎360の周鴻理事長は今回の一件にこうコメントしている。

わしらはみんな馬社長(テンセント創業者・馬化騰)のために働いているんや。うちらがちょっとばかりイノベーションしても、熊胆(熊の胆汁から作られる漢方薬。生きた熊から胆汁を抜き出す熊牧場が残酷すぎる今春騒ぎになった)を抜き取られるように、他人様のために(イノベーションの成果は)抜き取られるんや

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