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中国ド田舎県の不思議法律「宴会禁止条例」=民草を苦しめる宴会ビジネスとは?

2012年04月26日

湖北省恩施トゥチャ族ミャオ族自治州鶴峰県の「冠婚葬祭以外は宴会禁止条例」が注目を集めている。 2012年4月25日付広州日報、26日付銭江晩報を主に参照した。


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DSC_3587 / Drnantu

■宴会ビジネス

酒好きの私だとこんな条例が出た瞬間に革命ゲリラに身を投じそうなネタだが、意外や意外、現地では好意的に受け止める住民が多い。

というのも鶴峰県は鉄道・空港・高速道路・国道・水運がない「五無」の貧困県にかかわらず、宴会メンツ消費のゴージャスさで知られ、お呼ばれするとお祝いにたっぷりお金を包まなければならないためだという。同県政府が2010年に農民105世帯を対象に調査したところ、最低でも年3000元(約3万6000円)、最高で2万元(約26万円)をお祝い費用として支払っていた。

「昔ながらのお付き合いが残る田舎」で話がすめばいいのだが、そうは問屋がおろさない。「宴会のお祝い金でボロ儲け」を画策するみみっちい輩が増えているのだ。冠婚葬祭、出産、昇進、誕生日、入軍、新居建築、リフォームといったお祝いは当たり前。あーだこーだと理由をつけてともかく宴会を開くチャンスを狙っている人が少なくない。中には年齢をごまかして「60歳のお祝い」を開いたりとか、両親の誕生日お祝いを兄弟が別々に開くことで、集金の機会をふやすと言った裏技まであるのだとか。両親2人の誕生会を4人兄弟で別々に開くとすれば、「2×4==8回」も集金できるという寸法だ。

さらには宴会運営企業なるものまで登場している。経営者の喻四毛さんはお祝い宴会の多さに目を付け、テーブルや椅子、食器を貸し出す宴会運営企業を立ち上げた。2007年の創設からわずか3年間で喻は総資産100万元(約1300万円)を手にした。今では同様の企業も次々と登場。その数は100社を数える。あるメディアは「鶴峰県では新興産業が静かに台頭しつつある」と驚嘆したほど。喻さんによると、宴会を開けば幹事は数千元のコストで、数万元のお祝い金をゲットできるぼろい商売なのだという。


■宴会禁止令は大成功と県トップ

とはいえ、宴会禁止令はやりすぎじゃないの、民をしばりすぎじゃないの?との批判もあるが、楊安文・県委書記は動じない。調査の結果、宴会は民草の負担になっていることが判明した、昨年末の禁止条例公布以後、1000人以上の共産党幹部が宴会を中止し少なくとも5000万元(約6億5000万円)の出費軽減につながったと誇っている。

実は宴会禁止令は鶴峰県が初めてではない。重慶市秀山トゥチャ族ミャオ族自治県では「結婚お祝い禁止」を最重要課題とし、違反した共産党員を罰することを決めた。貴州省黔西南プイ族ミャオ族自治州では共産党員、政府機関幹部が宴会のお祝い金を受け取ることを禁止した。

ただし秀山県も黔西南州も共産党員、政府機関幹部に対する規定であり、賄賂的な資金集めパーティーを禁止したものに過ぎない。一般市民の宴会まで禁止となると、鶴峰県が初めてとなりそうだ。

「全体主義許さまじ!」と批判するネット世論の一方で、現地では「宴会禁止イイネ」と喜ぶ声が圧倒的だというが、中には宴会禁止条例のデメリットをあげる声もある。実は宴会は一種の資金集め、相互融資行為であり、農民の多くは子どもが大学に合格すると宴会を開いて学費を集めていたという。やりすぎのお祝い金ゴロを規制することで、こうした一般市民の融資行為の道までふさがれてしまうという心配があるという。

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