• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

「原価厨」を卒業して経済右派的フェアトレードを構想しよう!中国農業から考えてみた

2012年05月05日

ネットを眺めていたら、フェアトレードに関する議論が流れてきて、ちょっと興味深かったのでご紹介。


Mercado de Beijing China 60
Mercado de Beijing China 60 / Rafa http://www.micamara.es
■フェアトレード論争?

フェアトレードとは「現在のグローバリズムの象徴の一つである自由貿易(free-trade)を意識した語(対義語とまでは言い切れないが)として使われている。単に資金援助するのではなく、地元の産業と公正な条件で貿易を行うことで、その自立を支援しようという運動(はてなキーワード)」というもの。議論については2012年5月5日付やまもといちろうBLOGからさかのぼっていくと、発端のフェースブック書き込みから6本読めるのではないか、と。

「1杯330円のコーヒーで農家の取り分は3~9円。搾取や!」
「330円のコーヒーのコストには店員さんのサービスやら家具やら照明やら不動産費用やらが入っているんやで!」
「フェアトレードの本義は原価がどうこうじゃなくて、先物市場やらグローバル化した世界に翻弄される貧しき農民に思いをいたすことにあるんや!」
「先物市場がなくなったらそれこそ価格調整できないじゃん!」
「結局、農家の暮らしの改善には人口の抑制と資本装備率の向上が欠かせないんだよね」

といった感じで、いわゆる「原価厨」的な問題からいろんな方向へと話が飛んでいくのが面白い。


■中国の話

さて、せっかくなので中国の話に関連づけてちょろっと。中国の農村の貧困というネタだと、現行中国政府が補助金と減税、できれば卸業者排除で農民の収入確保という「フェアトレード」的政策を表向きは打ち出しているのに対し、政府に批判する人で「その努力がまだ足りない!」的な議論というのは見たことがない。

まあ、そもそも政府批判というのは都市民のたしなみであって、具体的な農村経済にまで突っ込んだ話が話題にならないということもあるのだろうが。むしろ農村経済の問題点として指摘されるのは、マーケットを運営するシステムが形成されていないという指摘だ。

4月23日付読売新聞に「投機筋買い占め標的に=”中国産野菜バブル”」という記事があり、行き場を失った投機マネーが野菜市場に流れ込み、ウコン、ニンニク、ゴボウなどの野菜バブルを演出してきた、というお話。

ただ投機マネーだけに責任を負わせるのはちょっと酷な話で、そもニンニクバブルの発端はその前の豊作で作付面積が激減し供給が減ってしまったことにある。豚肉に顕著だが、「値段が下がる→豚を育てるのやめる→値段が高騰→みんなで豚を育てる→値段が暴落」というジェットコースター的サイクルが繰り返されてしまうのが中国の生鮮食品価格だったりする。マーケットの動向をにらみながらみんなが頭をひねらした揚げ句に、だいたいバランスがあうところに着地する的なシステムが不足しているのだ。

それだけではなくて、出荷時期が重なるわ保存設備がないわで、同じ作物が一気に市場にあふれだして価格が暴落するとか、物流の未整備でこっちの省じゃ白菜高い、あっちじゃ暴落という話もざらにある。


■経済右派的フェアトレードってないのかな?

個々の農民の教育や資本が足りない、マーケットや物流が整備されていないと言ってしまえばそれまでの話で、中国政府どうにかしろよという話は中国経済右派的なところからちょろちょろ出ている。

ただフェアトレードが民間人が「世界の貧しい人々の生活に思いをいたす」というところをに立ち返るとするならば、それの経済右派版、すなわちマーケットがうまく回って貧しい人々がばりばり儲けられるようになにかできることがないのか的アプローチってないものなのだろうかと考えてしまうのだが……。

関連記事:
世界のワインメーカーが狙う中国=2015年には世界一の市場に(ucci-h)
【ジェットコースター物価】ニンニク・バブルから1年……今度は価格が急落―中国
繰り返されるプチバブルとその崩壊=ニンニクは暴落、豚肉はどうなる?―中国
「農作業?だるいッス」やる気ゼロ農民急増中?!恐怖の怠け者農法―中国農業コラム
数字合わせの食料安全保障=内情は深刻な状態に―中国農業コラム
零細農家から大企業へ、端境期の中国農業=「豚荒」から読む中国農業―北京で考えたこと


トップページへ

コメント欄を開く

ページのトップへ