• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

人民日報スクープ!高速鉄道用トンネルのドイツ製部品に品質問題発覚→中国製ニセモノでした……

2012年05月31日

またまた中国高速鉄道の安全問題が浮上した。トンネルに使われているドイツ製部品が基準値を満たしていないことが発覚したためだが、どうやらこの部品、ドイツ企業が生産したものではなく海賊版だったようだ。


DSCI7810
DSCI7810 / Mr Thinktank

■悪辣なドイツ企業?!

2012年5月30日、人民網は記事「中国高速鉄道が使用していたドイツHALFEN社製チャンネルが検査に不合格」を掲載した。

HALFEN社は世界的な取り付け用金具メーカー。今回、問題になったチャンネルとはパイプなどの部品を取り付けるためにトンネル壁面に設置する金具だ。人民網に寄せられたネット民のタレコミによると、上海・昆明線、合肥・福州線に使われているチャンネルはドイツ製という触れ込みだが、実は中国国内工場で生産されたもの。国家更迭製品品質監督検査試験センターによると、耐荷重、耐久性ともに要求基準値を大きく下回る結果となった。いや、それどころではない。現場のチャンネル在庫は漏電防止のアルミ箔が粉となって剥がれ落ちているありさまだという。


■ニセ洋鬼子

「やっぱり中国高速鉄道はボロボロ」「海外企業までまがい物を売りつけているのか?」と盛り上がりかけたが、事態は一転する。なんとHALFEN社は中国に工場を持っていないというのだ。同社によると、ネットで検索すると「哈芬槽(HALFENチャンネル)を販売しているサイトはごまんとあるが、そのほとんどが中国で生産されたニセモノだという。ニセモノHALFENチャンネルは中国市場のシェア過半数を占めるトップブランド(?)だという(国際金融報)。

かくして「優良海外企業も中国人には劣悪な製品を売る、許せん!」ネタは、またたく間に「假洋鬼子」(外国企業のふりをした中国企業)ネタへと変わってしまった。まあどこが作ったものにせよ、基準値を満たしていないことは確かではある。

HALFENチャンネルについてはおそらく設置済み部品についても検査されることになろうが、膨大な数に上る部品や関連施設のすべてをチェックするのは至難の業だろう。最近、「中国企業が生産した劣悪部品が米軍に納入されている」というニュースが取りざたされているが、当然のことながら、この問題は中国のほうが深刻。今度、「中国企業の劣悪な製品が~」と海外で取り上げられた時は、「そうなんですよ、うちも困ってましたね」と中国政府も一緒に愚痴ってみてはどうだろうだか。

関連記事:
「事故は会議室じゃ起こらない」現場の人材不足が招いた中国高速鉄道事故
中国高速鉄道で人身事故、1人死亡=血まみれのまま走り続けた列車
「死をもって反省した日本人は立派だ」中国高速鉄道事故とJR社長の自殺―翻訳者のつぶやき
【鉄道追突】なぜ事故車両は埋められたのか?鉄道部VS温家宝の対立―翻訳者のつぶやき
「平民ども、うぜぇ。腹いっぱいならそれで我慢しとけ」官僚の正直すぎる失言が話題に―陝西省


トップページへ

コメント欄を開く

ページのトップへ