• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

人民解放軍兵士が口答えしたチベット人僧侶を射殺=厳戒態勢のラサの検問(tonbani)

2012年06月07日

■ラサの検問所でアムド出身僧侶 銃殺■

*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の2012年6月6日記事を許可を得て転載したものです。


_DSC1879
_DSC1879 / cjmaru

■口答えした僧侶を射殺

6月5日付Tibet Timesによれば、ラサの検問所で最近、軍人がチベット人僧侶に発砲する事件があった。

何度も検問を受けたアムド地方ケンロ(甘粛省甘南チベット族自治州)テボ出身の1人の僧侶が「何の罪もない者を何度も検問する理由は何なんだ?」と軍人に言った。「命令に従わないやつは銃殺するぞ!」と軍人が脅すと、僧侶は「お前に勇気があるなら、この場で俺を殺すがいい」と返答。その言葉を聞いて軍人は僧侶を撃ったという。

僧侶の連れの2人がすぐに病院に連れて行ったが、銃弾は胸を貫通しており、僧侶は間もなく死亡した。名前など僧侶の詳しい身元は未だ判明していない。


■厳しい検問

この一件を伝えたアムド地方出身のチベット人は、最近の検問の厳しさについて、ラサからアムドに強制送還された人々から聞いた話を伝えている。

巡礼のためのラサを訪れた僧侶。到着後数日で拘束されてしまった。拘置所に送られた後、地元に追い返されたという。「ジョカンとラモチェにしか行く事ができなかった。荷物をラサに置いたままだ。もう一度行くしかない」とその僧侶は言う。

ある年寄りは「ラサに着いたと同時に拘束され、拘置所に連行された。そこにはチベット人ばかり千人以上が拘置されていた。何で拘束されたのかとか聞かされることもなく、アムドに送還された。バスセンターや駅には大勢の保安要員がいて、アムドやカムから来た者たちはすぐに検問を受け、拘置所に送られ、何の説明もされずに送り返されている」と言う。

検問所で逆らったために銃殺されたという話は、これまでにもアムドで何度か報告されている。事件が公になると、「チベット人が刃物など武器を振り回して襲いかかってきたので、やむを得ず発砲した」と発表するのが一般的だ。

今回もこの軍人が訴えられるという事などはあり得ないであろう。チベット人は言う。「チベット人はまるで虫けらのように殺される」、と。

関連記事:
「600万チベット人の英雄だ」東チベットの人々に焼身抗議について聞いてみた(tonbani)
チベット人焼身抗議の思想的背景を考える=チベット仏教と愛国教育(tonbani)
チベット人僧侶が語った焼身抗議と弾圧=キルティ僧院でなにがあったのか?(上)(tonbani)
チベット人の焼身抗議を理解するために=転生ラマの遺言(tonbani)
「自殺では現実を変えられない」チベット人作家ら焼身抗議の中止を呼びかけ(tonbani)

*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の2012年6月6日記事を許可を得て転載したものです。 


トップページへ

コメント欄を開く

ページのトップへ