• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

停電、黒服男の大暴れ……そごう大連店に嫌がらせの数々=中台投資保障協議と地上げ屋

2012年07月11日

2012年7月10日、遠東集団旗下のデパート事業・太平洋SOGO百貨店は記者会見を開き、同社の太平洋百貨大連店が物件所有者から数々の嫌がらせを受けてきたことを明かした。11日、中時電子報が伝えた。


New SOGO in Taipei
New SOGO in Taipei / saebaryo

■黒服の男と停電

太平洋そごう百貨大連店は2000年に商業ビル・大連百年商城と20年の長期契約を締結、営業を続けてきた。

が、暗雲立ちこめたのは2007年のこと。百年商城側が家賃引き上げを求めてきたのだ。不動産価格が激しく上昇している中国では長期契約を結んだはずの商業物件が「これじゃ割に合わないからもっと支払え。あるいは出て行け」と言われるのはたびたびあること。しかし街を代表する百貨店まで同じように地上げにあうとは。

なお大連百年商城の地上げ手法もいつもどおりで、「勝手に停電」「入り口に鎖をはってビルを封鎖」「テナントを脅して追い出す」「謎の黒服男、オフィスに突入して暴れる」といったものだったという。

結局、太平洋そごう百貨は家賃を年1500万元(約1億9500万円)に引き上げ、加えて一定額の歩合を払うことで合意した。また1階の高級品売り場及び最上階のレストラン街については百年商城側に経営権を引き渡すことで同意している。

が、それだけではおさまらないのがなんともひどいお話。2011年、百年商城側はまたも家賃の引き上げを要求してきた。今度は年3900万元(約5億700万円)と2倍以上にふっかけてきたという。太平洋そごう百貨側が断ったところ、今年6月から再び停電や鎖でのシャットアウトといった嫌がらせ工作が展開されたという。また太平洋そごう成都春煕店でも家賃5倍攻撃にさらされたことを明かしている。


■両岸投資保障協議

今回の記者会見は台湾政府に助けを求めると同時に、両岸投資保障協議の一刻も早い調印を求めている。

両岸投資保障協議は本来ならば6月末にも調印予定だったが難航している。VOAの報道によると問題点は2つ。第一に台湾側は台湾人が逮捕された場合には24時間以内に家族に連絡するよう求めているが、中国本土の規定では国家安全に関わる犯罪の場合、連絡なしでえんえん行政拘留を続けることが可能。この点についてお互い譲らない状況だという。

もう一点はビジネス紛争時の第三地仲裁について。台湾企業と中国企業の紛争の場合、中国本土または香港の第三地で仲裁を受けることができる。台湾企業と中国地方政府の紛争の場合、政府が同意しなかった場合、仲裁ではなく、調停を受けることになっているが、台湾側はこの調停の強制力を高めるよう求めており、中国本土側に拒絶されているという。

上記2つのポイントについてどのように決着するかはいまだ不明ながらも、協議が締結されれば台湾企業・ビジネスマンの安全と権利がより守られやすくなることは事実。太平洋そごう百貨店の早く締結してくれという願いも理解できるところではある。まあ、もっとも謎の黒服男がオフィスに殴り込んでくるというのは現行の中国の法律でも十分アウトなお話。新たな協議がどれほど効力を持つのかは疑問でもある。

関連記事:
上海のミスタードーナツ店、破壊=「長期契約で家賃節約」の工夫があだに―上海市
「お金を稼いで母さんを楽にしたかった」17歳の「地上げ屋」が告白―中国
床も壁もサソリがびっしり!地上げ屋さんの新戦術が炸裂―広東省
地上げ屋が最新嫌がらせテクを発明!対ムスリム用のいや~な荒技―北京市
大みそか地上げ大作戦!花火の爆音に乗じて荒くれ者500人が突撃―中国


トップページへ

コメント欄を開く

ページのトップへ