• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

警察と司法を一手に握る巨大組織「政法委」=現トップが解体論に言及―中国

2012年08月24日

■周永康が「政法委解体」に言及■

*本記事はブログ「中国という隣人」の2012年8月22日付記事を許可を得て転載したものです。


Chinese Mobile Jail
Chinese Mobile Jail / Gabriele B.

■前置き:政法委縮小論

昨年から今年にかけて行われた直轄市、省、自治区の指導部入れ替えで各級の政法委書記が公安局長を兼任せず、政法委と公安との権力分散を図っている地域が大多数を占めています。

公安局長が兼任する事で、公安の司法への過剰な介入が目立ち、司法関係者から政法委書記と公安局長の兼任に不満の声が高まっていたのと、年々増大し公表されている国防費を超える「国内治安維持費」に脅威を感じた胡錦濤が、縮小を考えるのは当然でしょう。

今年秋に行われる予定の第十八回党大会で、常務委員がこれまでの9人から7人に減る可能性が高まっているのですが、そこで外されるのは宣伝担当と政法委と予想されています。

トップが常務委員から政治局委員に格下げになると共に、公安部門が分離されて、かなりの権限が縮小されるものと見られているものの、これまで公式には当然それを認めることはありませんでした。


■周永康の発言

こういう情勢なのですが、中央政法委トップである周永康が事実上政法委の弱体化に言及しています。

周永康、北京・天津の政法機関を視察=執法規範化建設の推進強調(新華社 2012/8/21)

天津市第一中級法院を視察に訪れた周永康さん。こう発言しています。

権力が比較的集中する執法の領域に置いては、合理的に執法のかなめを区分し、執法権力を分け、相互の協力関係や相互を監督、制限する工作機構を構築し、司法の不公平、汚職問題を防がなければならない。

これは政法委の解体が共産党トップ・元老の秘密会議・北戴河会議で決まったと明かしたも同然ですね。ただし、公安系統が抜けるだけなのか、武装警察も分離して政法委終了のお知らせとなるのかはまだ不透明なのです。

こうなると、公安には強いが司法での能力は未知数の孟建柱は、政法委ではなく、公安と武装警察を統括する新しい部門のトップとなるのでしょうか。時期を同じくして、中央規律検査委員会書記の賀国強が汚職防止の新組織を立ち上げると公言していますが、十八大を境にして、警察・司法・紀律検査関連の組織構造がガラリと変わる可能性はありますね。

関連記事:
中国の政権交代と政法委縮小論=孟建柱は二階級特進できるのか?(水彩画)
チャイナ・ナインの一角・周永康の失墜=中央政法委の解体もくろむ胡錦濤(水彩画)
習近平時代の中国の支配者たち=北載河会議直前最新予想(ujc)
クーデター・デマに中国政府が過敏反応=マイクロブログのコメント欄閉鎖、官制メディアの批判記事
薄熙来失脚を狙う罠、黒幕は江沢民の政敵か?体制外メディアが報じる中国の政争(水彩画)

*本記事はブログ「中国という隣人」の2012年8月22日付記事を許可を得て転載したものです。    

トップページへ

コメント欄を開く

ページのトップへ