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習近平前祝い相場がやってくる?「中国株があがる理由をひねりだせ」と証券会社に通達

2012年09月07日

中国証券当局が各証券会社に「これから中国株があがる理由をひねりだしなさい」と通達したと噂されている。



■株式市場の治安維持令

2012年9月6日、東方早報は記事「証券監督システム、株式市場の「治安維持令」を通達」を掲載した。

10月に中国共産党のトップが交代する中国共産党第18回全国大会(十八大)が開催されると見られているなか、中国各地、各政府機関は「維穏」(治安維持)の引き締めに躍起となっている。たんに警察だけのお仕事ではないのだ。ありとあらゆる部局がこの大目標に協力せねば、という体制になるのが中国だ。

治安維持と関係なさそうな証券当局もまた例外ではない。4日、中国証券監督管理委員会公式サイトは「証券・先物監督管理システム治安維持業務ビデオ会議」が先日開催されたことを報じた。「証券・先物市場における治安維持業務の相対的発想と要求を提出し、資本市場の安全かつ安定的な運行の維持が重要業務であることを明らかにした」とのこと。

そうはいっても具体的に何をすれば、証券業当局ができる治安維持なのかはよくわからないのだが、どうやら証券関係のトラブルで中央に陳情したりする輩がでないようにしたり、あるいは通信障害などで取引がストップ、怒る人がでないようにすることが治安維持らしい。まあ日常的な監督業務と変わらないことも、十八大前だからしっかりやれ、とハッパをかけられた部分もありそうだ。


■治安維持と株価上昇

というだけならばつまらない話なのだが、北京のある証券会社関係者によると、先日、次のような通達を受け取ったという。すなわち「最近の市場の動向を研究し、現在の市場における積極的な観点をまとめなさい」という内容。「上げ相場や!」と盛り上げることも治安維持なのかもしれない。

実際、これまでの証券治安維持活動では株価上昇を議題としていない場合でも、直後に株価が上がる現象が見られたという。

2008年4月7日には北京五輪を前に証券治安維持会議が開催されたが、その当日、上海総合指数は4.45%上昇した。2009年8月28日には建国60周年記念日を前に会議が開催された。当日こそ株価は2.91%下落したものの、翌日は6.74%と大きくあげ、株価反転のきっかけとなった。

では今回はというと……

20120907_写真_証券_治安維持_

会議(9月3日か4日に開催されたと推測される)直後は動きがないものの、東方早報記事が掲載された9月6日に上海総合指数は大きく上げている。このまま習近平の党総書記就任前、「前祝い相場」となるのかどうかは私には判断つかないが、ちょっと面白いグラフであるとは言えそうだ。

以前から言われているのは「中国の市場はお上の顔色を見すぎる」というもの。市場の動きを読むのではなく、お上の動きの予想で相場が決まる不健全な状態にあるとの批判が多い。「北京五輪と上海万博が終わるまで、政府は上げ相場を終わらせないだろう」というような俗説が典型と思われる。俗説とはいえあなどれない。リーマンショックでちょっとつまづいたものの上海万博まではきっちり高成長を維持したという意味では予測があたっている。

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 コメント一覧 (2)

    • 1. 啊啊男
    • 2012年09月08日 00:42
    • 万博まで成長は維持したかもしれないけど、株価は07年の党大会後フリーフォール状態でしたよね。成長率と株価は関係ないのは中国の株価が良い例。穀物価格高騰してる今、利下げとか金融緩和はちょっと?ですし。どうでしょうね。今日だけで言うのは危険だけど、罫線引けばトレンドは抜けてるし、数日は上がるかもしれない。更にしばらく上げて、前回の高値抜けてきたら面白い事になるかもね。
    • 2. Chinanews
    • 2012年09月08日 12:55
    • >啊啊男さん
      07年の株価はひどかったですね。家族が株のファンドを買って涙目に……。とめたんですが。

      東方網の記事、面白い切り口なんですが、そも政府に株価維持の意思がどこまであるかよくわからないので、今後は不透明ですよね。

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