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聞かなくても教えてくれる日本、情報収集は自己責任のロシア(タチアナ)

2012年09月26日

■情報収集は自分次第・・・■

*本記事はブログ「ロシア駐在日記」の2012年9月26日付記事を、許可を得て転載したものです。



20120926_写真_ロシア_

■日本の旅行ツアーの安心感

この前、会社に大勢の日本人が来ました。私もお客さんと一緒に観光バスで移動しましたが、バスの中で(日本人が日本人向けにした)案内は日本らしくて、とても懐かしかったです。「予定より早く着きましたので、ここで5分ほど止まって待ちます」とか「移動時間は~分ぐらいの予定です」とか・・・ちょっとでも状況に変化があるとその都度マイクで全員に説明が行くようになっていました。日本ではごく当たり前の光景ですが、実はロシアでは決して当たり前ではないのです。

日本語の案内を聞きながらアエロフロートに乗ったときのことを思い出しました。乗客全員とっくに乗り込んでいるのに、飛行機はなかなか離陸しない。お客さんの中で「あれ?」と時計をちらっと見たりする人も出てきました。そのとき、日本人の団体客が一緒に乗っていました。すると、日本人のツアーコンダクターの方が直接クルーのところへ行って、色々調べたらしくて日本人の観光客に向けてマイクでアナウンスをしました。私はその説明を隣のロシア人たちに通訳したので、ロシア人の間でも情報が広まりました。実は、遅れはたいしたことではなく、アナウンスの後ほとんどすぐ飛行機が離陸しました。思うにはクルーから特にアナウンスがなかったのも、遅れがそれほど大きくないと、クルーが知っていたからでしょう。それにしても、ロシアの飛行機なのに日本人に情報を教えてもらったというのは、何となく不思議な感じでした。


■小学校のカオス

思うには、バスや飛行機に限らず、全体的に見ても日本の方がロシアよりも情報提供の仕方が親切だと思います。

例えば、ゆうきが通った日本の保育園では「連絡帳」があって、先生たちはその日の子供の様子を毎日書き込んでくれました。イベントなどのお知らせは、プリントでもらっていたのでとても便利でした。また、日本の小学校は私にとって未知の世界ですけれども、どうも子供たちは学校から色々なプリントを持って帰ったりするらしいので、学校の行事や持ち物について知らせてもらえなくて困ったということはなさそうです。

一方、ロシアの小学校はというと、お知らせの「プリント」はまず存在しません。せめて学校の玄関で張り紙だけでも出してほしいと思うことがよくありますが、それもなしです。長男ゆうきが現地校に入ってまだ3週間しか経っていませんけれども、情報に関してはまるで「真空状態」で、特に最初の一週間我々家族は戸惑うことばかりでした。

まず、1年生のクラスについてですけれども、元々は2クラスになる予定でした。8月30日の入学直前説明会も2つのクラスで別々に行われ、それぞれの担任が紹介されました。しかし、いざ初めての授業に来てみると、普通に一人の先生が出てきて普通に一年生を全員集めて普通に教室に連れて行こうとしている。「もう一人の先生は?あれ、うちの担任は違うんじゃない?」と保護者たちから驚きの声があがりましたけれども、先生は「一年生みんなですよ~」と言って全員連れて行きました。

どうも事前説明会の段階では一年生の人数は40人近くあったらしいです。しかし翌日には数人の子供から入学取消の連絡が入ったため、9月1日の時点で1年生の人数は31人に減りました。そして、これでは2クラスは無理だと判断されたらしいです。

しかし、上記の事情説明は、ゆうきのお迎えのとき他の保護者たちから聞いたにすぎないので、言ってしまえば「うわさ」です。本来なら事前説明会のときから状況が大きく変わったわけだから、親に対して張り紙でもいいから学校から説明すべきだったと思います。しかし、そう思っているのはタチアナだけみたいで、他の親たちは「クラスが大きすぎる」という不満は漏らしても情報提供(というか「情報不提供」)については特に問題視していないようです。


■情報収集は自己責任

それもそのはず。このような、「変更があっても何の説明もない」という状況はロシアでは日常茶飯事なのです。以前「自分がわかっていることは他人もわかって当たり前」というロシア人にありがちな考え方について書いたことがありますけれども、「見ればわかるだろ」@「情報収集は自己責任(自助努力)」という態度もあっちこっちでごく普通に見られます。今回も「ほら、出てきた先生は一人でしょう?クラスも一つってことですよ。見ればわかること」という雰囲気でした。

こういう例は他にもいっぱい挙げられます。例えば、8月30日の説明会では給食について担任の先生から下記の説明がありました。

「冷蔵庫は新学期まで間に合わなくて学校の食堂ではまだ料理は作れません。しかし、ジュースとパンぐらいは出しますのでご安心ください。」

しかし、いざふたを開けてみると、約束の「パンとジュース」は出ませんでした。そして、給食が出ないまま(当然説明もないまま)2週間経ってからある日言われたのは「月曜日から給食が出ます」との一言。信じていいかどうかわからなくて、月曜日に子供におやつを持たせたのはタチアナだけではないような気がします。

他にも「制服はどういうものにすればいいか」とか「明日の持ち物」などなど、情報がころころ変わったりぎりぎりになって急に言われたりして大変でした。


■対策はしたから教えなくてもいい……ロシア的発想

思うには、「情報提供の必要性の有無」について日本人とロシア人との間では考え方が違うようです。日本人はこまめに情報提供をしようとしているのですが、ロシア人は「よっぽど重大なことでない限り一々知らせるだけ無駄だ」と考えているようです。

例えば、飛行機や観光バスだったら、待ち時間が「それほど長くない」と責任者が判断をすれば、アナウンスは一切なし。小学校も、ちゃんと全員教室に入れて授業に参加させているわけだから、クラス分けについて一々説明するだけ時間の無駄。また、給食については、私たちは知らなかったのですが、給食が出ない間、上の学年では授業の数が減らされていたそうです。

つまり、学校側としては「給食がなくても困る人はいない」という状況を作っているつもりだったので、説明は要らないと判断していたようです。また、持ち物についてぎりぎりになってはじめて知らせるのは「用意できない人がいて当たり前」と考えているからだと思います。

ま、そういう考え方もありかな・・・。とタチアナも最近ほとんどあきらめました。一応自分なりにアンテナを張って他の保護者たちと情報交換をしようと努力していますし、ゆうきにも、先生の言うことをしっかり覚えるようにと、言い聞かせています。それでもキャッチできなかった情報については、「よくあることだし、しようがない」とのんびりかまえていこうと思う今日この頃です。

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*本記事はブログ「ロシア駐在日記」の2012年9月26日付記事を、許可を得て転載したものです。   


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コメント一覧

    • 1. 奈々氏
    • 2012年10月04日 02:10
    • 興味深い話だ
      ロシア人って人の話とか聞かない人多いのかな
      それかすごくおおらかなのか
      神経質の人には難しい国かもしれませんね

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