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日本の高校ライフがともかく楽しそうな件について=受験地獄を乗り越えた中国人オタクの嫉妬(百元)

2012年10月27日

■中国オタク「日本の高校生活って気楽過ぎるように思うんだが」■

Takanawadai Elementary school 高輪台小学校13
Takanawadai Elementary school 高輪台小学校13 / scarletgreen


中国の学生は大学受験のために非常に厳しい学校生活を送っているということは日本でも知られているかと思います。そんな受験勉強漬けの中国の学生にとって、部活やバイトをしたりする余裕のある(ように見える)高校生活は非常に気楽なものに感じられたりするようです。

先日、中国のソッチ系の掲示板でそういった「日本の高校生の生活は気楽過ぎる」ということに関するやり取りを見かけましたので、今回はその辺についてを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


■中国人オタクの疑念

ラブコメ、中二、不良といったジャンルに限らず、アニメ、マンガ、ドラマといった媒体に限らず日本の高校生活ってなんであんなに気楽に過ごせるんだ?別に世界を救いたいとは思わないが、クラブ活動やバイトをやれる余裕が信じられなくて疑いたくなってしまう。アニメや漫画は所詮創作だという特殊な事情をさっぴいて考えても、日本の高校生の生活って気楽すぎるように思うんだが……

創作においての誇張はあるんだろうけど、ウチの国の状況と比較した場合ほぼ別物に感じられる。ただアジア地区の学生ならどこも補習なんかで大変なんだろうとは思うし、日本の学生もそれなりに苦労しているんだろうとは想像しているけどね。

そもそも制度や環境が違うよな。ウチの国の教育と学校に関しては「小学校に入るときには保護者が既にその後の教育プランを確定している」なんていう話があるくらいだし、そのクライマックスの高校ともなると、どうしてもね……

不良になるとかいうのもずいぶんと余裕ある話だよな。ウチの国では親が金持ちだったり党の幹部だったりするならともかく、普通の家庭ではそんなことをやっている余裕なんてない。

いやいや、アニメや漫画に出て来るあれはあくまで「描写されていない」だけであって、日本の高校生だってそれなりに勉強しなければいけないだろう。受験戦争は日本にだって存在するわけだし。

そりゃ受験は日本にもあるだろうけど、厳しさが違うよ。日本の学校は授業「だけ」で学校が終わり、残りは自由時間でクラブやバイトなんかに使えるらしい。授業終わってからの補修や小テストとその解説といったものは、一般の学校では高三や試験に不合格とかでもない限り無いでしょ。しかも授業だってせいぜい6時間くらいしかないという話だし……

あー、バイトとクラブ活動か。確かにそれらと学業を両立させられるってのはちょっと非現実的に思えるわな。

国ごとの違いだと分かってはいるつもりなんだが、それでもときどきツッコミ入れたくなるのは「アニメや漫画の主人公が起きるのはいつも日が高くなってから」ってことだな。ウチの国の学生はそんなに良い待遇で日々を過ごせていない。

中国の人間の方がよく勉強しているのかもしれないが、それがどれだけ効果をあげているかとなると不安になるよね。日が昇る前から遅くまで繰り返し勉強しているけど、それによって出来上がるのは偏った人材なわけで。

冬の暗い朝、5時に起きて暗いなか6時に学校へ到着して、そこから夜の9時半くらいまでずっと勉強漬けというのは、日本だとあまり無いんじゃないかな。無いわけではないんだろうけど。ウチの国では学校全体がそんな感じだから……

分かる。ただ日本のアニメや漫画に似たような描写が無いわけではないよ。以前「涼宮ハルヒの消失」の登下校シーンなんかはそういう雰囲気がある。私はそれを見て、ふと高校の頃の登下校の暗さと寒さを思い出してしまった。私の高校時代はあんなに理想的な高校生活では無かったんだけどね。

中学、高校の頃はほとんど良い記憶が残っていない。宿題やっているかテストやっているかテスト勉強しているかで埋まっている。それ以外だと自分の構築した妄想世界ネタくらいしか……それだけに日本の高校生活を舞台にした作品は妄想の具現化みたいで引き込まれてしまうんだよね。

人それぞれだよ。中国だってうまくやれるヤツはきっちりと趣味を楽しみながら大学に入っている。俺が高校の時も軽々と高得点を取って趣味を満喫しているヤツがいた。ただまぁ、一般レベルによる競争は人の多いウチの国方が厳しくなっているのはありそうだ……

日本にも「四当五落」って言葉があるんだぞ。あと日本は学校教育については大失敗していて、現在日本の普通の学校ではほとんどまともな学力が身に付かない。マジメに良い大学への進学を考える人間は誰もが民間の補修学校に行って勉強するといった事態になっている。日本の学校はきちんとした勉強を教える場所ではなくなってしまっているわけで、俺達が日本の学校を単純に羨む必要はないと思うぞ。

その辺は受験に必要なテスト用の知識とそれ以外の部分ってこともあるんじゃないか?ウチの国ではテストに対応するための部分だけを教師も保護者も要求しすぎていると思う。日本の高校生は学校の授業以外の時間を使ってクラブ活動をしたりバイトをしたり、言ってしまえば大学生活が早期から段階的に行われているような印象も受ける。あと日本人は学校から帰った後の夜とかにかなり勉強しているという話だ。

日本で大学受験のために通うのは「予備校」や「学習塾」というヤツだね。日本の高校生が本気でいい大学に行くために勉強する場合はその予備校に通うから、学校の教育が担う役割が中国とはちょっと違っていそう。ウチの国では学校がその部分もカバーしているし。あと仕事で知り合った日本人から聞いた話だけど、大学受験の時は予備校に通っていて忙しい時とか普通に夜遅くまで勉強して家に帰るという生活だったらしい。

日本はこの間「ゆとり教育」を廃止したそうだし、そこまで楽なもんじゃないと思うぞ。アニメや漫画で苦しい面をそこまで熱心に描写することは無いだろうし。あと日本の学校は勉強以外の部分がキツイと思う。学校生活に関しては「空気を読む」という独特の技能を持っていなければ楽しめないらしいからな……それに日本独自の思想によるいじめというのが存在するから、日本の高校が完全な楽園ってわけじゃないでしょ。高校生活を舞台にした小説なんかだと、随分と苦しい空気を感じさせる作品もある。

そういや、日本では「スクールカースト」という学校生活における人気や生活の充実度で発生する階級とその階級間の矛盾が存在するという話を聞いたことがあるな。これに関してはこっちの感覚でもなんとなく分かるような気もするが、恐らく当事者は俺達が想像するよりも深刻に受け止めているんじゃないかなー

日本の学校は勉強以外のことに関しても評価体系が存在するから、学生も親も様々なことに取り組めるんじゃないかな。ウチの国は大会やコンテストに入賞したらセンター試験への加点があるくらいだから、そのジャンルで才能がありそうだったらやらせてもらえるくらいで、受験に役に立たないことは極力排除となる

日本の場合は進学以外の進路、就職して一定水準以上の生活が獲得できるという進路が普通に存在しているのもウチの国との大きな違いだ。私が「CLANNAD」を見ていて驚いたのは岡崎朋也が高校卒業後電気工になっていて、しかもそのまま主人公として話が続いたことだ。日本は高校卒業後に就職するのが珍しくないらしいが、あんなにすんなりいくものだとは想像できなかった。

ああ、岡崎朋也の電気工就職は確かに中国じゃありえない展開だよな。高校の同級生が大学行かずに電気工になったら周囲の人間との関係が断絶したりしそうだし、そもそも同じ目線や価値観で物事を見られなくなりかねん。更に言えば、高校に通った人間が電気工の収入でやっていける、やっていこうと考えられるというのが驚愕だった。日本のような国では技術労働者の収入や待遇が結構良いとは聞くけど、まさかアニメの中でそういった要素を目の当たりにするとは思わなかったわ。

いや、ウチの国でも金持ちにはなれないが、最近の電気工の待遇はそんなに悪くないぞ。ただ、電気工に就職した際に人間関係や周囲の目がかなり変わるのは間違いないな。ウチの国のドラマや映画だったら、そういう仕事をやっているのはくたびれたおっさんか出稼ぎ労働者というイメージだし。日本は社会的にそういった肉体労働者が普通に受け入れられているのはやはり社会環境が違うと思ってしまう。

こういったことを考えてみると、日本はやはり成熟して余裕のある社会なんだと思う。日本人は自分が飢え死にする可能性や、労働者として搾取されてズタボロにされることを心配しないですむのではないだろうか?ウチの国では進学ルートから転落して学歴が獲得できなかったらもう文化的な生活は諦めなければならないという恐怖がある。しかも最近では良い大学に行ってさえその心配があるわけで……

そうそう。中国国内ではいい大学に入って修士や博士になってようやくまともな目が出る。日本のアニメでよくある「進学するか就職するか」といった進路調査とか、ウチの国では全く意味が無い。ウチの国では高校生には実質的に進学する以外の選択肢は無いんだよね。

環境は違うかもしれないが、進学する際の努力はどこの国でも必要なんだと思うよ。日本にだって「ドラゴン桜」という作品が出ているわけだし、楽なだけじゃないでしょ。

あー、「ドラゴン桜」があったな。そういやアレを見たときはなぜか「自分も東大に行けるかも」と思ってしまった。そしてついでに、もしかしたらラブひな的なことに出会えるかと期待してしまったりも。

中国だろうが日本だろうが、勉強とそれによって獲得した学歴以外のモノってのもあって困るもんじゃないよ。少なくとも、俺は日本の大学に留学して浦島景太郎は想像の産物だと実感して自分の妄想と決別することができた……

とまぁ、こんな感じで。


■日本とはちょっと違う中国の受験事情

中国オタクの面々が知る日本の学校生活は、中国の感覚からするとかなり楽に見えたりするのは確かなようです。この辺に関しては「隣の芝生は青い」という面も、置かれている環境が違うといった面もあるかと思います。それと上の発言の中にもありますが、中国へは学校生活に関しての情報は伝わっているものの、日本の予備校や学習塾に関してはあまり伝わっていないのは間違いないですね。

中国では受験も含めて勉強は基本的に全て学校がカバーしています。中国の学生は朝の自習に始まって、授業が終わった後の補修や模擬テストなど、一日中ずっと学校で勉強という流れになります。(そのため大学受験の前にも小中高、最近では幼稚園から「良い学校」に入るための熾烈な競争が日本よりも必死で行われているのですが)
一応家庭教師などもありますし宿題も大量に出ますが、学校以外の施設で勉強するというイメージはあまり無く、日本の予備校や塾通いに関してもピンと来ない所があるようです。

最近では中国の制度の変更や進学者の増加から、受験で思った通りの結果が出なかった人間がまた受験に参加する「復読」という選択肢も一般的になりつつあり、そういった再受験者のための学校やクラスである「復読学校」「高考復読班」といったものも出てきていますが、これは基本的に受験に失敗してからの話なので、現役の間はやはり基本的に学校で受験勉強を行うことになります。

こういった勉強に関する学校の役割に日本と中国では微妙に差があることに加えて、中国オタクが日頃意識している日本の高校生活の情報の中には予備校や学習塾などの情報はほとんど入っていませんから、余計に「日本の高校が気楽に見える」といった所が出て来るのかもしれませんね。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

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*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2012年10月15日付記事を、許可を得て転載したものです。

 コメント一覧 (4)

    • 1. temp3
    • 2012年10月27日 17:23
    • 5 気楽な高校生活だったけど、やってる奴はやってるんでそういう人は日本も中国も一緒。
      それにより得るモノもあれば失うモノあるけど、やっぱり稀に両方共得る奴もいるんだけね。
      一番不幸なのは、その環境に合わなかったり、無理してエリートコース歩んだりとかだけど。
      日本と中国の高校教育の立ち位置の違いもあるんじゃないかと。日本じゃ高校はほぼ義務教育だし。
    • 2. ななしー
    • 2012年10月28日 07:48
    • 共産主義社会ゆえの感想がチラホラと。
      今回の好景気で社会基盤の底上げがそれなりにあったと思うので
      今後の人口変動に従って学校生活も変わってくるんじゃないですかね。
      それとも都市部への人口流入は変わらないままなんだろうか。
    • 3.
    • 2012年10月28日 11:35
    • 俺は偏差値70台の高校出身だが、
      自分の能力に見合わない大学進学を志望しない限りは
      みんな遊びに部活に精を出すだけの余裕があったよ。
      放課後の授業関係も抜き打ちテストが2ヶ月に1回ある程度だった。

      記事に書かれているような学校生活は偏差値60前後の自称進学校に多いと思う。
      弟は偏差値60台の学校に行ったけれども、受験合宿や放課後の追加授業などガチガチで息苦しかったってさ。
      実績として残すためなのだろうが私立大学受験も必ずやらなければならないという風潮まであったと。
    • 4. a
    • 2012年10月28日 12:30
    • 能力に見合わない大学?
      日本の大学が全部そうだろ、現状見てまだ何もわからないのか?

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