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海賊版ガンプラ、海賊版ミニ四駆の思い出を語ろう=中国人オタクの昔話(百元)

2012年10月29日

■中国オタクの「海賊版ガンプラやミニ四駆の思い出」■


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■海賊版ガンプラの思い出

中国ではガンプラに限らず、ミリタリー系をはじめとする様々なプラモ等の模型は昔から人気のある趣味でしたし、中国オタクの面々のコレクションアイテムとしても、ガンプラなどのプラモは非常にポピュラーなものとなっています。

しかし、一昔前はこういったちゃんとしたプラモは中国にあまり流通しておらず、なんだかよくわからない出来の海賊版プラモがそこら中に出回っていましたし、そういったものしか手に入らないという状況だったりしました。

先日、中国のソッチ系の掲示板で「海賊版プラモについての思い出」に関するやり取りを見かけましたので、今回はその辺についてを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


■中国人オタクの回想

今でこそウチの国で普通にガンプラとか買えるようになっているけど、昔は海賊版のプラモばかりで、ガンプラなんかも海賊版しかなかった。そんな昔の記憶をちょっと思い出して見ないかい?

今思えば苦労したな……組み上げている途中で部品がちゃんと組めない、ハマらない、歪んでるとかが頻発していたからな。思えば、自分のプラ加工技術はあの精度の最悪な海賊版プラモで磨かれたのかもしれない。まぁ、苦労したけど楽しかった記憶も無いことは無い。

楽しい記憶もあるが、悲劇の記憶もあるな。完成直前になって品質の悪さからきちんと組み上げられないなんてことにぶつかると、泣けた。あとパーツが足りないとかいうのも結構あったしな。時間もかかる趣味だから自分は財布をはたいて、予備というか保険にできるだけ2つ買うようにしていた。

自分がそういうのを買っていたのはもう十数年前の話になるかな。たぶん箱とかもまだ実家に有ると思うんだが。当時はお金無かったから18元という値段も自分にとってはかなりでかい出費だったから、どうにか頑張って「見れる」ように作った記憶がある。

自分も昔を思い出した。子供の頃作った海賊版プラモは質が悪かったけど作っている時に楽しかったのは間違いないな。仕事を始めて自分の金で物欲を満たせるようになってから作ったプラモには残念ながらあの当時の楽しさは感じられない。ただ、この間実家に帰って昔作り上げたプラモを見たら、あまりのヒドさに笑ってしまったりも。

今はそれなりの値段になっているし、こっちの収入も上がったから手が出せるくらいにはなったが昔はホンモノのガンプラは非常に高かったからね。海賊版が20~30元くらいなところに、500元くらいするわけだからガキの頃の自分には手が出せなかったよ。まぁその頃に海賊版ガンプラで腕を磨いたから今はMGをカッコよく作れるわけだが。

海賊版のプラモって質の悪さもあるがあまり親切じゃないしマトモに作るのは結構難しい。昔のクラスメートに、勢いでたくさん買うけど一つも作り上げられないってヤツがいたっけ。

そういや、最近手に入るオリジナルのプラモは随分と簡単に作れるよね。私は初めてMGを買って作った時なんか、あまりに簡単にカッコ良く組み上げられるので驚いたよ

確か初めてガンプラ買ったのは中学の頃だったかな?値段は20元くらいだったと思う。あの頃はプラモにホンモノと海賊版があるなんて考えもしなかったわ。
ガキの頃は確かに「ホンモノのガンプラ」ってのがあるということは全く想像しなかったよね。しかし海賊版にもイロイロなブランドあったよなぁ。ざっと思いつくだけでも「BAIDAI」「BENDI」「GD」とかが出て来る。
私が初めてガンプラを見たのは小学校の近くにあった小っちゃい売店に置いてあったやつだな。値段は20元以上であの頃はかなり高い玩具に思えたっけ。その後中学になってから、安売り市場の玩具コーナーでどうにか一つ買うことができたが、今思えばそれらはやっぱり海賊版だったんだろうな。

昔出回っていたガンプラってW系が多かったような気がする。自分が初めて買ったのはサンドロックだったんだが、ヒートショーテルの具合が微妙で困った記憶があるわ。

海賊版ガンプラは機体ごとの出来の差が大きかったよね。ただ、中には良いコピー具合(?)のもあってW系の中ではサーペントカスタムなんかはちゃんと手を入れて作ればオリジナル版と遜色ないくらいの見栄えにはできた覚えがある。あと中には説明書が日本のモトのやつのコピーで中国語が書かれていないのもあって、所々不安になったねぇ。

Wのヤツは昔結構買ったな。しかしああいうのってどういう感じに作ってたんだろうな。海賊版ブランドが別でも中身のクセがほぼ一緒なケースもあったし。

昔聞いた話では、バンダイの成型用の金型なんかの関係が流れてきて作られていて、その後やはりバンダイにばれちゃって中国の業界でかなりゴタついたということだったが、どうなんだろうね。とりあえずWとXのシリーズはその辺の流れで作られていたとかなんとか。

えーと、90年代に俺が初めて買ったガンプラは……とは言っても海賊版だが、確かトールギスだったな。なんだかんだで買った時はスゴイテンション上がったんだが、組み上げていくたびに微妙な出来に気付いてテンションが下がっていったなぁ。

引っ越しする時に無くしてしまったが、国産つーか海賊版のガンプラ結構持ってたよ。作り上げたものに関してそこはかとない「コレジャナイ感」があって、それを当時は「自分の腕が悪いから」だと考えて同じキットを幾つも買ってどうやればカッコヨクなるのか頭を悩ませながら作っていた。その後、バンダイのちゃんとしたヤツを買って気付いたんだが、プラの色やデカールの出来、更にはパーツの精度に差がかなりあった。当時試行錯誤したおかげで色塗りとかはうまくなったけど、なんか納得いかない。

ウチの地元だと1つ30元くらいだったかな。ガンプラ以外にもエヴァとかがあった。プラの質が微妙で、上手くはまらないのを調整しようと削っていたら勢い余って壊れるとか結構やってしまった。

エヴァはわりと出来がよかったのもあったみたいだね。聞いた話では量産型エヴァはそれなりに良い感じだったらしい。ただ、自分が買った初号機はハズレだったなぁ。

まぁ質に関してはしょうがないだろ。同じ海賊版ブランド、パッケージでも品質に差があるとか普通にあったし、当時はみんな「こんなもんだ」と思って納得していた。でかくなってパーツ数が増えると不安になって来るから、自分はいつの間にかBB戦士の方にシフトしていたな。

エヴァの海賊版は、たぶん技術的な問題だと思うが一体成型になっている関節部分がパクれていなかったんだよね。それ以外の部分や全体的なシルエットは悪くなかったんだが。あと、個人的に印象深いのはSEEDのデュエルで、あれはイロイロともう悲劇的なレベルだったな。

恐らくバンダイのをコピーしたはずだから、デザインの部分はそれなりのレベルのものも探せばあった。ただ顔の部分はどれも微妙な出来になっているんだよね。顔はやはり作るのが難しかったんだろうか。そして最大の問題はプラの材質やかみ合わせだね。たいていそこで悲劇が起こる。

そう言えばガンプラの方はブランドや種類が分散していたけど、ミニ四駆はタミヤのマークのデザインをパクって星からダイヤにした所のヤツが独占していてみんなあそこの買ってたよね。一部の人間はタミヤの方が海賊版だと勘違いしていたし。

ああ、あったあった。タミヤのシンプルな白抜きの星よりも、線の多いダイヤモンドマークの方が子供心にホンモノっぽく見えた。今になってみるとタミヤの方がシンプルでデザイン的にも明らかに上なんだが、当時のガキ(含む私)はそういうの分からなかったし、タミヤの「二つ星」を買ってるヤツを逆に「見る目が無いヤツ」と見下してたっけ……

当時子供はそんなにたくさん買えなかったし、タミヤのオリジナルは新しいカッコイイタイプが中国まで入って来なくてどうしても古いデザインになってしまうから、子供は新しいデザインのものがある海賊版の方に流れてしまう。ただ、実際に組み上げてみるとタミヤの方が明らかに上だったなぁ。

ミニ四駆はレースをやる所までいかなかったのも大きいかもね。南方や香港台湾にはミニ四駆コースや、レース対応のグレードアップパーツなんかも入っていたみたいだけど、ほとんどはレース用のコースが無いから子供の荒っぽい使い方で、地面の上をそのまま走らせていた。そんな中で走らせていたら壊れやすいし、海賊版とホンモノの違いなんてのはそうそう分からんよな。

とまぁ、こんな感じで。


■時代は変わる……中国でも正規版が買えるように

海賊版で質が悪いのにぶつかってイロイロあったりもするようですが、苦労して組み上げたことはなんだかんだで悪くない思い出になっているようですね。

現在ではガンプラ売るために中国の動画サイトでガンダムAGEが配信されたりしていますし、バンダイもガンプラの海賊版対策をかなり熱心に行っていますが、90年代頃の中国の混沌とした状況を思うと隔世の感がありますね。

それと上の発言の中にもありますが、模型の海賊版に関しては、ガンプラ以外にもミニ四駆の海賊版が非常に多く出回っていたように思います。ミニ四駆は中国でも一時期かなりの人気になりまして、お子さんのいる中国人の方に日本から持っていくお土産としても重宝した覚えがあります。

当時はまだ情報の伝達や、海賊版のコピー及びその流通に関しては今ほど素早くはなかったので、日本の最新のデザインのものを持っていけばまず外さない上に、実際に組み上げてみるとやはりかなり違いがあったようで、お子さんにも結構喜ばれたりしていましたね。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

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*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2012年10月21日付記事を、許可を得て転載したものです。

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