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給食のパンが小さすぎてひどい、ボランティア学生のつぶやきでネット炎上―中国

2012年11月28日

給食のパンが小さすぎてひどい、いわゆる“縮小パン”事件について。主に2012年11月26日付羊城晩報を参照した。


■小さすぎるパン画像で炎上

 20121128_写真_中国_給食_

「信じられない。これが栄養給食ですか?」この書き込みが上記写真とともにマイクロブログに掲載され、話題となった。

書き込んだのは湖南省湘西トゥチャ族ミャオ族自治州鳳凰県で、ボランティアの補助教師として活動する梁さん。学校の給食はパンと牛乳だが、この小さなパンでは子どもたちがかわいそうだとの訴え。また学校に送られてきた牛乳に賞味期限切れのものがあったことを暴露している。


■栄養給食はネット炎上事件の定番

ここ1年、中国ネット炎上事件の定番となっているのが「栄養餐」(栄養給食)。

優しいおじいちゃんキャラで人気の温家宝首相はかつて「子どもたちが毎日1杯の牛乳を飲めるようにするのが私の夢です」と語っていたが、任期も終盤の2011年秋にようやく貧困農村地域の給食がスタートした。1食あたり3元(約37.5円)を中央政府が支給する。

まぎれもなくいい話のはずだが、

「腐ったリンゴが配られた」
「中間業者が搾取している」
「業者どころか、地方政府がネコババしている」
「給食で集団食中毒相次ぐ」
「いいえ、集団食中毒ではありません。隣の子が気分悪くなったのを見て他の子もおなかが痛くなっただけなのです」
「おいおい、子どもたちはそんなにびくびくしながら給食食っているのかよ」

と大変な事態に。ついには「校長先生は子どもたちと同じ飯を食え」というお達しまででている(関連記事)。


■問題があったのかなかったのかわからないが、とりあえず校長はクビにしておいた

これまでの炎上事件の教訓からか、湖南省政府はすみやかに事件に対応。校長、副校長ら5人を罷免する予定だと発表している。

その一方で問題となった「小さすぎるパン」は給食ではなく、業者からの無料プレゼントなんですとの発表も。牛乳の賞味期限切れ問題もあるとはいえ、何が問題だったのかさっぱりわからないうちに現場のクビキリが予告されるというのはどうも、という印象だ。

事件を受けて中国メディアは「学校食堂の建設を急ぐべし。したら業者に搾取されることもないがね」「3元の給食費に輸送費や加工費を入れて良いのかいけないのかが不明瞭。原価で3元分を食べれるようにするべし」などなどの論を展開している。まあ、この手のネコババ、横領、キックバック的に搾取されて肝心なところにお金が足りないよ的展開はあまりにありふれていて、有効な対策などないのではないかとも思ってしまうのだが。


■スレ職人、農村に行く

今回の事件でちょっと面白いのは大学3年生のボランティア教師が火種になったという件。ネットが普及したとはいえ、農村の情報はなかなかネットに上がらないし、上がってもバズって注目を集めるケースは少ない。その最大の要因はやはり人材だろう。

だがネットに精通し、炎上スレの立て方を熟知している若者世代が次第に農村に入り込みつつある。彼らがパソコンとスマホを携えて農村に突撃していけば、今後ますます興味深いネット炎上事件が多発するはずだ。今回の「パンが小さすぎる事件」同様、果たして炎上するべき価値があるのかないのかわからないネタでもがんがん炎上するのだろうが、そのカオスの中から何かが生まれてくるかも知れない、こないかもしれないがともかく面白そうという気持ちを持ってウォッチしていきたい。

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