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新華社、習近平・李克強の“良い人”写真を世界にアピール→明らかな合成写真で話題に(水彩画)

2012年12月25日

■李克強紹介写真にフォトショ疑惑■


■習近平写真集が充実しすぎている件

20121225_写真_中国_習近平_李克強_4

新華社英語版は23日から中国共産党中央政治局常務委員7人の人となりを伝える写真特集を公開、話題となっています。23日には習近平と李克強の紹介。24日には張徳江と兪正声も追加されました。25日には残りの3人も続くのではないでしょうか。過去がよく分からない宣伝畑の劉雲山に公表できる写真があるのか、が個人的な注目ポイントです。

内容については共同通信サーチナ新華社日本語版あたりを見てください。

まず習近平の写真ですが、これは力作です(関連リンク12)。通常の公務を収めた写真だけではなく、父・習仲勲ら家族や妻・彭麗媛との写真も掲載。妻とはお互いに一目ぼれだったとプライベートな部分も紹介しています。英語版ということもあり、発表の時期がクリスマス前を意識してのものですね。

20121225_写真_中国_習近平_李克強_1

20121225_写真_中国_習近平_李克強_5


■李克強の写真がヤバイ

さて、問題なのは李克強の紹介に使用されている写真です(関連リンク1関連リンク2)。

疑惑の写真はこちらの1枚。
20121225_写真_中国_習近平_李克強_2

安いブルーバック合成っぽいというか、背景と前の人たちがなじんでいないというか、人と小屋との距離感がおかしいというか……。 怪しいのは他にもありますが、まずはこれ。明らかにフォトショで合成されています。

キャプションの説明によると、これは2004年12月26日の写真。李克強が遼寧省委書記に就任して12日目、撫順市棚戸区の貧困層を視察した際の写真なのです。 当時の記事を漁ると「マイナス29度の寒さをものともせず」とあるので、視察したのは間違い無さそうなのですが、この軽装でマイナス29度は耐えられないでしょう。

ちなみに、当時のものと思われる写真はこれ。追記:こちらの写真ですが、2010年4月に李克強が訪問した時の写真だそうです。メモノメモ主さんからご指摘いただきました。
20121225_写真_中国_習近平_李克強_3


*追記
グーグルの画像検索を使ってさっそく合成した元写真を突き止めた人が現れました。




■空飛ぶ県幹部から李克強へ……低レベル捏造写真の系譜

捏造視察写真といえば、昨年6月の「空飛ぶ県幹部事件」が話題になりました(関連記事)。ほかにも末端の役所が視察写真を捏造してたたかれたケースは多々あります。雨の中の視察写真を撮影するために、ポンプを使って降雨シーンを作り出していたなんて話もありました。

20121225_写真_中国_習近平_李克強_6

この手の捏造だと、視察に行ってないので写真をでっちあげたケースがほとんどですが、それなりに庶民を視察している李克強には写真も残っているはずなのに、なぜこんな低レベルのフォトショ詐欺に踏み切ったのかは現段階では不明です。

新華社が世界に向けて発信した低レベル捏造写真、という面白すぎるネタはさっそく中国ネット民の話題になっています。これまでの事例だと、そろそろ担当者が責任を負わされて写真を回収する頃なのですが、李克強は常務委員であり、そこらの県長とは格が違います。まだ新華社ウェブサイトの写真も削除されていませんが、さて、どういう言い訳になるのでしょうか。


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*本記事はブログ「中国という隣人」の2012年12月25日付記事を許可を得て転載したものです。

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