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中国アニメが2ちゃんで自作自演、速攻見破られる=海外の評価が気になる中国オタク界(百元)

2013年01月09日

■中国の3Dアニメがなぜか2ちゃんで自作自演をやって中国オタクに見破られる■


■日本ネットユーザーがびびっている!中国アニメが2ちゃんねるで自作自演

中国の国産3Dアニメの「侠嵐」という作品が、現在中国のネットのニュースで「日本のネットユーザーがビビっている作品」と紹介されているそうです。ニュースに関しては網易の記事(中国語)などもあるので、よろしければご参照ください。

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このニュース、大雑把に言いますとアニメージュの1月号で中国の3Dアニメ「侠嵐」が取り上げられている!それを見た日本のネットユーザーが警戒している!日本のアニメ強国の地位を脅かしているぞ!といった流れの話のようで、日本のネットユーザーの反応として、2ちゃんのキャプ画像が紹介されています。

20130109_写真_中国_オタク_

しかし、ニュースで紹介されている2ちゃんのキャプ画像のレスは日本語としてなんともアレなものだったりします。「封殺」「我々」などの日本のネットのオタク関係ではあまり使われない言葉を繰り返していますし、文法も含めてなにやら直訳や機械翻訳っぽい日本語のレスに見えます。

上のニュースよれば、元は海外アニメ漫画板のこのスレッドらしいです。
侠嵐を封殺せよ!中国のアニメを警戒せよ!

スレを見ればわかりますが、中国のニュースで紹介されたキャプ画像以外のレスも機械翻訳的な長文レスだったり、下の方は簡体字で入力したのか文字化けしていたり、なにやら露骨ですね。さすがにこれに関しては中国オタクの面々も気付くようで、以下のようなやり取りも行われていました。


■中国人オタクの反応

日本の有名アニメ雑誌のアニメージュでウチの国の国産オリジナルCGアニメ「侠嵐」が紹介され、称賛を浴びているらしい。更にその結果、日本の2ちゃんねるで中国の「侠嵐」を封殺しようという発言が巻き起こり、中日両国のアニメ業界を震撼させているそうだ!

日本のネットユーザーがウチの国の3Dアニメを警戒?なんで?

ニュースによれば、日本のネットの「封殺」発言や敵意のある交戦というのは2ちゃんのスレがソースか……でもレスの数少なくね?キャプ画像のレスは10個しかないぞ。

なんかスレが伸びていないような気配が濃厚なんだが。日本の2ちゃんねるではレスが少ないとすぐにスレが沈んでいく。これ、もしや話題にならないですぐに消えたんじゃないの?

「侠嵐」か……とりあえず第一話は見てみたけど、全くダメってわけでもないがそこまで良いってわけでもなかったな。キャラの表情やアクションも硬かったし。なんでウチの国のアニメは3Dにこだわるのかね。

3Dは金かからないし「動画を描く」のが楽だからね。ウチの国のアニメ制作現場は2Dだと絵コンテきったり作監やったりできる人間がほとんどいない。2Dの名作を作らないんじゃなくて作れない、3Dかフラッシュアニメしか作れないってのが現実だ。

2Dアニメを作っても国産だと動きが微妙になっちゃうしね。3Dでも面白い作品が出るならそれでいいんじゃないかと。「秦時明月」なんかはウチの国の名作になったわけだし、ああいうのがもっと出てくれれば。

コストと技術の問題は大きいよ。特にコスト。「秦時明月」みたいな長編作るなら、3Dは確実に安くなるから。

いや、実はそうでもない。3Dは上限が存在しないことになりかねないんだ。「秦時明月」って投資総額1億元以上と言われているが、これは日本のアニメに比べるとかなり高い。1億元が全て製作費ってわけでもないだろうが、日本のアニメと比べてそこまで安くなるわけではないはず。

3Dだと補助金が出やすいんじゃないの。なんとなく新しい技術として宣伝できるし。あとこのニュースって「やらせ」な所もあるんじゃない?ウチの国では「海外での報道」というのが評価されるし、イロイロと海外に働きかけて話題にしてもらうのも珍しくない。

しかしこれ……「日本のネットユーザー」の反応、なんかウチの国の人間がやっている自作自演のような?

キャプ画像にあるレスなんだが、日本語の文法がちょっとおかしなことになっているように思う。どっかの翻訳サイト使っていたりするんじゃないかね。

うむ。これはウチの国の人間による分身の術っぽいわ。レスの引用や互いの受け答えも無いし。

出たか。影分身!IDを変える工夫だけはしているんだな……

ニュースにあった2ちゃんのスレ見に行ったら、案の定日本の人間に見破られているなぁ。

アニメージュで紹介されているってのは評価してもいいんじゃないか?「称賛の嵐」ってことに関してはアニメージュの記事を実際に読んでみないことには何とも言えないが。もっとも、俺は表紙の京アニ新作に関する情報の方が気になるがな!

俺も京アニの新作情報の方が気になるな。しかしどこまでが故意かはともかく、コレは釣りニュースっぽいな。確実だと思っていいのはアニメージュで紹介記事が掲載されたってことだけで、その他については何とも言えない。

ネットでは転載の繰り返しでいつの間にかイイカゲンなソースのニュースがロンダリングされてちゃんとしたニュースっぽい扱いになってしまうことって珍しくないが、これもまたそんな感じになっちゃうのかね。

とまぁ、こんな感じで。


■海外の評価が大きな意味を持つ中国オタク業界

なんとなく現地でもうさんくさいというか、釣りっぽいニュースだと思われているようでした。

ちなみに、上のやり取りで出ている「秦時明月」というのは同名の武侠小説を下敷きに第一部が2007年に作られ、現在第4部まで配信されている中国国産3Dアニメの作品でして、中国(含むオタク層)で非常に高い評価を受けています。日本からでは重いようですが、コチラが公式サイトのようです。画像などに関しては、百度百科の秦時明月のページの方が言いかもしれませんね。

20130109_写真_中国_オタク_2

この作品は秦~楚辺りの歴史をバックボーンとして、荊軻の息子という設定の荊天明や項少羽(項羽)などのメインキャラをはじめとして諸子百家関係者などの様々な歴史上の人物やその関係者的なキャラが出て来る武侠歴史ファンタジー……といったような作品でしょうか。歴史を元ネタにふんだんにアレンジの加えられた設定に加え、武侠のノリ全開な必殺技やステキギミック付きのウェポンが飛び交ったりもするなど、かなり密度の濃い作品ですね。

それと、上の発言にもありますが中国における評価基準においては、「国外で評価されている」というのがかなり重視されている所がありまして、それはアニメでも変わりません。

またアニメに関して日本はかなり存在感のある国ですし、最近は日本に対するいらだちというか、気に食わないという感情もくすぶっていますから、日本で評価が高い、日本で報道されたり話題になったりしているというのはかなり良い材料となります。

そんな訳で、この自作自演っぽい所は恐らく「日本のネットで騒がれているという既成事実を作ろうとした」のではないかと思われます。

とりあえずどの辺りまでが意図した「釣り」なのかは分かりませんが、このニュースのような「日本ビビってる!中国のアニメにビビってるよ!」というノリでやれば、確かに中国のネットではかなり「釣れそう」な気はしますね。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

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*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2012年12月31日付記事を、許可を得て転載したものです。

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