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中国の名作コピペ「1杯の牛肉拉麺がもたらした思考」=MBAが挑むラーメン屋マネジメント

2013年01月24日

牛肉拉麺屋の店主と職人の駆け引き。これはマネージメントの問題だと優秀なMBA取得者が解決に挑むも……。

という読み物「1杯の牛肉拉麺がもたらした思考」。相当前にネットに出回ったもののよう(牛肉拉麺1杯4元という値段が時代を物語っている)だが、なにかしら人の心に届くものがあるのだろうか、コピペ化し、いまだにウェブニュースやネット掲示板での転載が続いている。

というわけで、ざっくり紹介してみたい。面倒な話をざっくりはしょった上に、個人的にはここがオチでいいじゃんというところで文章をぶった切っていることをお断りしておく。

台湾牛肉面 Taiwan Beef Noodles - The Booth, Box Hill AUD8
台湾牛肉面 Taiwan Beef Noodles - The Booth, Box Hill AUD8 / avlxyz


■1杯の牛肉拉麺がもたらした思考

◆拉麺屋オーナーと職人の駆け引き

友人と一緒に道端の小さな拉麺屋に入った。お客が少ないのでオーナーとおしゃべり。最近の商売について聞くと、感慨深げにかつての栄光を語った。蘭州拉麺が人気だった時には繁華街に店を構えていてそれはもう大層な儲けだったのだとか。だがその店はやめてしまった。なぜかと友人が聞いてみると、オーナーは憤慨しつつ話してくれた。

「今の人間は盗っ人ばかりだ。当時、拉麺を作れる職人を雇ったんだが、いつも給料のことでもめていた。

最初は職人のやる気を引き出すために売り上げに応じてボーナスを払う方針にしていた。1杯あたり0.5元(約7.5円)がボーナスになる。しばらくすると、その職人は客が多ければ多いほど収入が増えることに気がついた。そこでその麺に載せる牛肉の量を増やして客を増やすことを思いついた。もともと牛肉麺は1杯4元(約60円)。薄利多売の商売だ。勝手に牛肉の量を増やされたら儲かるはずもない。

このままじゃいけない、金を全部持って行かれてしまう!そう思って分配方式を変えることにした。毎月固定給を払うことにしたんだ。ちょっとぐらい給料が高くても仕方がない。この方式ならば牛肉を多く乗せるはずはないだろう。客が多かろうと少なかろうと職人の収入には関係ないんだから。

で、どうなったと思う?」

ここでオーナーは再び怒りながら言葉を続けた。

「今度は職人は牛肉の量を減らしたんだ。客を追い払おうとしたんだ。」

「なぜなんですか?!」今度は私たちまで興奮してきた。

「牛肉の量を減らせばお客は不満に思い、常連客も減る。商売にとっては打撃だが、職人は固定給なので関係ない。それどころかお客が来なくなればひまな店でゆっくりとすごせるってわけだ。」


◆MBA的観点から見た牛肉拉麺店マネージメント

なるほど!かくして好成績を収めていたプロジェクトはマネージメントの失敗によりマーケットから退出することになったというわけだ。管理の対象はたとえ職人一人だったとしても、マネージメントの問題であることに間違いはない。私と友人はこの話を別の友人に伝え、経営学を学んだものたちによる議論を開始した。

1:まず最初に2種類の分配方式の折衷案を検討した。固定給にボーナスを加えるやり方である。こうすれば拉麺に載せる牛肉を減らすことも、あるいはキチガイじみた大判ぶるまいをも防止することができよう。

2:ただしこれには条件がある。問題は1杯の拉麺の利益をどう分配するかである。拉麺1杯でいくらの儲けとなるか、職人をごまかすことはできない。結局は儲けをどのような比率で分配するかということになる。その分配が的を射たものであれば店はかつての成功を取り戻せる。しかしその比率をどのように導き出すのか。複雑な関数式を解く必要がありそうだ。いや、ゲーム理論的なアプローチが必要かもしれない。

3:こうなったら、いっそのこと店を職人に任せてしまうのはどうだろうか。オーナーは売り上げの一定割合だけもらってのんびり暮らすというわけだ。しかしこの意見が出て、しばらくすると皆は顔を赤らめて、「否!」とこの計画を否定したのであった(経営学の敗北になってしまうという意味ではないか、と)。

4:それから我々は企業文化、正義、道徳、人間性について議論を重ねた。こうして意見が一致したことがある。経営学のなんと奥深いことよ、と。


◆オーナーの奥さん的解決メソッド

ちっぽけな牛肉面の物語の中にも小企業のマネージメントにおける問題が隠されている。第一に職人のやる気を引き出す制度の問題。制度自体を導入するのはいいことだが、そのためにはまず1杯の拉麺に許容される材料の限界を設定しなければならない。あるいは材料の消費がいつもよりも多い場合にはボーナスをカットする、あるいは載せる牛肉のグラム数を決めるなどの決まりが必要だ。

第二に拉麺屋といえども製造業であり、たとえ書面にしなくとも一定のマニュアル、ルールが必要であるということ。拉麺作りのSOP(標準作業手順書)を用意し、麺の量、水の量、肉の量をBOM(部品表)によって定めなければならない。製造法も職人に頼んで標準化してもらう必要があるだろう。

だがこの際、問題をきわめて簡単にしてしまうという手法がある。拉麺に牛肉を載せる係はオーナーの奥さんにやってもらうというのはどうだろうか?

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 コメント一覧 (2)

    • 1. 駆けつけ三杯
    • 2013年01月24日 22:42
    • 自分も中国在住時は蘭州拉麺、牛肉麺をこよなく愛していました。近所の回族がやってる店によく通ってました。

      記事の原文も読んでみましたが、なかなか面白かったですね。
      読んでいるうちに、『レモンをお金にかえる法』という本を思い出しましたw
      マネジメントや経済学は素人なので、内容の正確さについてはよくわかりませんでしたけど。
    • 2. Chinanews
    • 2013年01月26日 00:04
    • >駆けつけ三杯さん
      コメントありがとうございます。コピペ化して一定期間生き残っている文章にはそれなりのおもしろさがあるんでしょうね。

      原文ですが、題材は面白いのですが、文章があまり洗練されていないのがちょっと残念ですね。

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