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【中国ちょっといい話】1杯の刀削麺=「プラスのエネルギー」を伝えよう

2013年01月28日

河南省鄭州市で「1杯のかけそば」級に泣ける話があった、と新華社が報じている。

Knife-shaved Noodles with Peas
Knife-shaved Noodles with Peas / Prince Roy


■鄭州:“全市民が麺を食べに”、ガンの店主の手術代を助けるために

鄭州市で刀削麺屋を開く李剛さん。先日、ネット掲示板にある書き込みをした。

病院で検査を受けたところ、骨肉腫を患っていることがわかりました。手術するにはお金が必要です。ただ我が家にはそのお金がないのです。みなさん、外出する時はうちのお店で食べてください、と。この素朴な書き込みには人を驚かせ話題になるような要素は何もない。「!」が連打されているわけでもない。しかしこの書き込みはネットの情報の海に埋もれることなく、あっという間に拡散した。

新華社記者はタクシーでこの刀削麺屋に向かった。鄭州市郊外の辺鄙な小路にあるため最初は迷ったが、しばらくするとタクシーの運転手は「ひょっとして面を食べに行くのでは?場所を知ってますよ」と教えてくれた。この数日、その刀削麺屋に向かう客を何人も乗せたという。料金を払う時、「善意で向かわれるのですから、小銭は結構です」と言われた。

午前11時半に刀削麺屋につくと、店内は満員だった。みなネット掲示板や報道を見てきたという。ある中年男性は店に入るなり、1杯の面を注文。そして李剛さんの妻・井小敏さんに100元を渡し、「誰にでも困る時はあります。たいしたことができませんが、ちょっとした力添えをさせてください」といった。

お金を断り切れなかった井さん、男性に名前と電話番号を書いていってくださいと言った。夫の病気が治った暁には必ず返します。私たちは寄付をいただこうとは思ってないんです。ただみなさんに刀削麺を頼んでいただければそれでいいんです。もしどうしてもというのならばお金を借りたことにさせてください、と。店には一冊のノートがあり、20人以上の名前が残されていた。100元~1000元(約1500~1万5000円)まで金額はさまざまだ。書き残された名前だが、「X先生」(Xさん)や「愛心人」(心ある者)など、匿名で書いている人がほとんどだった。

食べ終わった客が三々五々店を出ていくが、「釣りはいらない」と言う声がしばしば聞こえる。3人連れでやってきた若者は混雑しているとみるや、片付けや注文を手伝っていた。「刀削麺を食べることであれ、雑用を手伝うことであれ、できることをしたい。愛のプラスのエネルギーを街に伝えたいのです」と記者に話している。

今や鄭州市では誘い合ってこの刀削麺屋に行くのはブームとなっている。微博ではネット民たちは「いつ食べにいつの?」があいさつのようになっている。


■プラスのエネルギー

中国のメディアではちょくちょく出てくる「中国ちょっといい話」。しかし麺屋がらみの話が多い気がするのだが、やはり1杯のかけそばの影響だろうか。蓋飯(ぶっかけ飯)屋のオヤジが……とか、ハンバーガー屋の女性経営者が……とか、見たことがないような。

実際に現地を取材しないとこの記事がどれだけ盛ってあるのかはわからないが、全市民が食べにいくことはないにしても相当数のネット民が食べにいったり、寄付したりというのはありそう。この手の話が晩報(その街の夕刊タブロイド紙)や都市テレビチャンネルで報道されれば数百人、数千人を動員するぐらいのインパクトは優にあるからだ。

個人的な注目ポイントは記事中に出てくる「愛のプラスのエネルギーを街に伝えたいのです」という一言。「正能量」(プラスのエネルギー)は習近平体制におけるちょっとしたキーワードになっている。中国の民草はこういう政治が打ち出すスローガンに聡いので、新華社記者が捏造しなくとも、取材だと問われればちゃんとしたスローガンをコメントできる人も少なくない。

と、ちょっといやな感じで論評してしまったが、新華社のプロパガンダに利用されていようが、あるいはマスコミに報道された人だけちょっと救われるという状況っておかしいのではないかとひっかかろうが、困っている人を皆々が助けようとするのは悪い話ではない。本サイト・金鰤も今後はこういうハートウォーミングなプラスのエネルギーを日本の読者に伝えていきたいと思っている。

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