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中国式事故報道があまりにも効率が悪すぎる件について=新京報の告発

2013年02月04日

中国式事故報道があまりにも効率が悪すぎる件について。


先日、記事「文化大革命時期の航空管制が大変なことになっていた件=形式主義の極致と命懸けの早口言葉―中国」 で、今となっては笑い話でしかない、文革式航空管制の思い出を紹介した。一瞬の遅れが命を落とすことにつながりかねない航空管制の世界で、指示の間に毛沢東をたたえる言葉をおりこむというアクロバティックなことやっていたのだった。

まあここまでの笑い話はさすがに現代中国ではなかなかないが、とはいえ、「メディアは共産党の喉・舌(代弁者)っつーのはどういうことか教えてやる」的な面白い話もまだままだ残っている。 で、このたびネット民が発見してしまったのが大河網の記事「連霍高速・義昌大橋で倒壊事故が発生=省・市は緊急救援を組織」だ。

20130204_写真_中国_

新京報の記事「1000文字のニュース記事で指導者16人に触れる」によると、このニュースの文字数は合計1300文字。そのうち事故の説明に割かれているのは169文字で、後は省・市の官僚16人が救援活動を指示したうんぬんという業績自慢話になっている。また25回にわたり、「迅速、ただちに、秩序だって、決断し、全力で、困難だったが、全力で救援」というがんばりを示す形容詞も使われているという。

「死傷者や遺族の名前は一度も出てこない。遺族の涙の一滴、政府に対する一言の批判、そして指導者の謝罪のかけらすらない」と新京報は批判している。

ここまで極端なケースはさすがに珍しいが、中国では事故のニュースには必ず担当官僚、上級官僚のがんばりも書くのがセオリー。このがんばってましたパートをちゃんと読む人はほとんどいないだけに、無駄なニュース記事が書かれ、印刷され、配達されるというのは効率が悪くて仕方がない。

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