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バレンタインデーは腐敗・堕落の温床ではない=人民網のすごいコラムをご紹介

2013年02月13日

■中国的バレンタイン2013■


■バレンタイン基礎知識

文末関連記事を見ていただきたいのだが、これまでに何度も中国のバレンタインについて書いてきた。よってネタは出し尽くしたというのが本音。 とりあえず基本情報を抑えておくと、

Q:中国でバレンタインデーって祝うの?

A:若者は祝う。中国語では情人節。時々、西式情人節(西側方式バレンタインデー)という表記も。7月7日の七夕を中国式情人節とした時の対比で使われる。バレンタインという風習が広まったのはクリスマスと同じくここ10年ではないか。クリスマスと同じく、日本経由で資本主義の悪しき風習が広まったのだ!日本許さまじ!

Q:じゃ日本と一緒?

A:結構違う。映画見たりメシ食ったりのデート。で、バラとプレゼント贈る。金は男持ち。

Q:クリスマスと一緒じゃない?!

A:一応、女子が男子にチョコを送るものという観念もあるようだが、チョコなし、男からのプレゼントのみというパターンも多いもよう。なお義理チョコの観念はない。 

といった感じ。

20130213_写真_中国_バレンタインデー_
*広州市の天河城百貨のバレンタインチョコ売り場。国際在線


■今年のニュース

それだけじゃなんなので、今年のニュースを捜してみた。

・旧正月とバレンタインデーがかちあってもうた、バラの価格上がらず(南方都市報
今年の旧正月は2月10日。14日のバレンタインデーはまだ旧正月の長期休暇期間。家族親族とあれやこれやのイベントがあるわ、大学生は実家に帰省していて恋人と会うどころではないわ、でバレンタイン商戦が盛り上がらないという。チョコ業者はともかく、困ったのが花屋さん。例年の半分程度の数しかさばけないとのことで、いつもはぼりまくりの値段も1本7~8元(約100~120円)と弱気に設定せざると得なかったという。


・ゴールデンローズ(北京晩報
20130213_写真_中国_バレンタインデー_2

北京市・国華商城のバレンタインコーナーで人気を集めていたのが金メッキをしたバラ。1本199元(約3000円)程度と見栄えのゴージャスさと比べてお値打ち価格だという。ネットショップを見ると、50元とか1本買ったら9本無料プレゼントとか、より激しく安いアイテムが並んでいる。こりゃすごいと思ったが、ゴールデンローズでググると、しっかり日本でも売っているのだった。しかし中国のほうがだいぶ安そうである。


■ボクの心を振るわした人民網記事

いまいち面白みのないニュースばかりの中、唯一異彩を放っている記事があった。我らが人民網である。たいしたことは書いていないのだが、最近流行りの反汚職ネタとバレンタインネタを強引に結びつけるという共産主義的アクロバットにチャレンジした結果、「バレンタインデーは近年、既婚男女が刺激を求める口実に」という謎の文章が人民日報のウェブ版に掲載されることになった。また「“春心”萌動」というステキな中国語を使っている点でも評価が高いので、ご紹介したい。


愛に関する“バレンタインデー”は腐敗堕落の“温床”ではない
人民網、2013年2月13日

また2月14日がやってきた。いつのころから始まったか知らないが、この西方の“情人節”は中国で流行するようになった。この日を迎えると、大都市から小さな町、そして農村でも独身の若い男女は「“春心”萌動」(思春期パワーを発動させ、あるいはエロ心を生じさせ)、この日に意外な”ロマン”を得ようと試みたり、期待したりする。

しかし我々の注目を引かずにはいられないのは、本来は独身男女のロマンチックな祭日であるこの日が、近年では既婚男女が刺激を求める口実と化し、少数の党員・党幹部が思想堕落、生活腐乱、腐敗を貪る”温床”となっていることだ。彼らもまたこのロマンチックな祭日を利用して、さまざまな形式で”愛人”の要求に応えている。時には掌中の権力を惜しまず大金を投じて、“愛人”の欲望を満足させたり美人の気を引こうとしているのだ。特に我らを警戒させるのはこうした減少が次第に我らの党員・党幹部の中に蔓延しつつあることだ。中にはごく少数の党高官にまで浸透している。近年、党中央が摘発した薄熙来、劉志軍、陳良宇など一部高官は職権を利用して私欲を追求し金を手にしていたばかりか、愛人を抱え、多くの女性と不適切な性的関係を結ぶという共通点を持っている。

なぜこの西側においては愛、ロマン、花、チョコレート、グリーティングカードの祭日が、中国に伝来すると、少数の党員・党幹部が刺激と享楽を求めて、腐敗・堕落する”温床”となるのか?その罪はもちろん祭日にはない。党員・党幹部本人にあるのである。これらの党員・党幹部は共産主義の理想・新年を失っている。ゆえに入党時の制約に完全に背き、党に対する反逆者となった。これは中国共産党内のごく少数の個別現象ではあるが、もし速やかに制止しなければ、その結果はきわめて深刻なものとなろう。

”バレンタインデー”は腐敗・堕落の“温床”ではない。このロマンチックな祭日がきた今こそ、我ら党員・党幹部はより自らを清潔にし、崇高な共産主義の理想・信念を保ち、社会道徳の守るべき一線を堅持しなければならない。我ら党員・党幹部の隊伍と社会公衆のために、良好な道徳的模範となり、我らが党の信頼性と団結力を高め続けよう。(徐友才)

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