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武装警官1000人超が村に侵攻、農民数千人と衝突=上浦村は第二の烏坎となるのか?

2013年03月10日

2013年3月10日未明、東省掲陽市掲西県の上浦村で、村民と武装警察の衝突が起きた。


■第1戦:村民VSマフィア

発端となったのは、今年1月村政府幹部が村の土地を企業に安くうっぱらった……というよくある話。村民は契約撤回を要求して抗議活動を展開していると、村政府幹部は2月22日、打手(暴力ざたを引き受けるお仕事の人)60人以上を雇い、村に送り込んだ。だが、村民たちは団結。なんと3000人の住民が力を合わせて、打手を返り討ちにした(ブログ・中国茉莉花革命読売新聞)。

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■第二戦:村民VS武装警察

事態の悪化を知った県政府は契約を撤回し、村政府幹部を拘束した。だが村民たちは村政府の腐敗を怒り、村政府幹部を選出する選挙を認めるよう上級政府と交渉していた。BBC中国語版によると、警官3000人が村を包囲する状況にまで発展していた。

本来ならばじっくり話し合えばよさそうなものだが、今は両会開催期間。ただちに鎮圧しなければ地方政府の面目が立たず、官僚の出世にもかかわる。そういう判断だったのではないか、武装警察は10日未明、侵攻を始めた。投入した兵力はパトカー100台に武装警官1000人以上。さらにクレーン車も動員されていた。目的は2月22日の衝突で燃やされ、ひっくり返された車の除去だったという。犯罪の証拠を消し去ること、すなわちメンツのためではないかとブログ・中国茉莉花革命は伝えている。

これに村民たちが抵抗。武装警察の放った閃光弾で辺りが煌々と照らされ、催涙弾の煙が立ちこめるなか、村民たちは棍棒、鍬、投石で対抗。電気警棒を振るう武装警察と激戦を繰り広げたという。突入から3時間後、警官隊は撤退した。

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村民による村政府選挙を求めていることから、上浦村の一件を「第二の烏坎事件」と呼ぶメディアもあるという。もっとも烏坎村はインターネットを駆使して世界に情報を伝え、村を包囲されながらもぎりぎりの交渉で全面的な衝突を回避した点に特徴があり、反対活動のやり方という点では大きな違いがある。

とはいえ、二度にわたる衝突、そして何より「第二の烏坎事件」というキャッチコピーが国内外のメディアの注目を引きつけることは間違いない。烏坎村のように村人による選挙を認める流れに向かうのか、はたまた現地政府が力で反対する動きを押しつぶすのか、緊張が続くことになりそうだ。

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烏坎村の村民自治と中国における「公共性」(前編)(kaikaji)


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