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数千頭のブタの死体が黄浦江に漂流している=民草の疑念と政府の公信力―上海市

2013年03月11日

ブタが川に浮かんでいる。ともかく不気味だ。 
 


■ブタの死骸が川を流れてきた、不気味だ

千匹超のブタの死骸が川を漂流、当局は「水質に問題なし」を強調 上海
CNN、2013年3月11日

中国上海市中心部を流れる黄浦江で11日までに、少なくとも1200匹のブタの死骸が浮かんでいるのが見つかり騒ぎとなっている。この川は上海市民の水源となっており、住民の間に安全性への懸念が高まる中、当局は水質に問題はないと説明している。
 
ブタの死骸が漂流しているのは先週末から見つかっていたという。国営新華社通信によると、ブタの耳に取り付けられた標識から、ブタは黄浦江の上流地域から流れ着いたものとみられる。

ブタが川に浮かんでいた経緯は判明していない。地元メディアによると、最近、上海市南部の村で数千匹のブタが病気により死亡したという。

(…)川の水質については、ブタの死骸が最も多く発見された上海市松江区でも通常通りであり、「水道水への重大な影響はない」と強調した。
 
しかし、60歳の地元住民は「ブタの死骸が見つかった川の水が飲めるのか。政府には責任をもって、原因の調査と住民への安全な水の提供を行ってほしい」と語った。 

9日から中国のネットで微妙に話題となっているのが、上海市・黄浦江に大量のブタの死体が浮かんでいるというニュース。11日付人民網によると、2日間で2813頭の死体を回収したという。多くの写真が公開されているが、ともかく不気味だ。

20130311_写真_中国_ブタ_1

タグがついていない、あるいは死体の腐乱によって確認されていないというケースが大半を占めるが、タグが確認できた死体をみると、浙江省嘉興市の養豚場で飼われていたブタのようだ。死亡したブタを処理場で処分するとお金がかかるので、川にドブン……という発想はよく理解できるのだが、気になるのは、なぜこれほど多くのブタが死亡したか、だ。真っ先に思いつくのはなんらかの疫病が蔓延したのではないかという点。不気味だ。

だが、中国新聞網によると、死体を検査したところ、死因は疫病ではなく大半が凍死だったという。また流れてきたブタの死体はほとんどが体重5~10キロの子ブタとのこと。同記事によると、嘉興市では700万頭以上ものブタが飼われている。条件のいい養豚場でも子ブタの死亡率は10%。条件が悪い養豚場だと死亡率は20%にもなるという。素人にとっては驚きの数字。日本の養豚場の紹介サイトに「一般の養豚業において、成長期の死亡率が5%程度」という記述があるので、技術レベルが低い小規模業者が多いので10%は不思議な数字ではないのかも知れない。だがやはり不気味だ。

現在は冬季のため特に死亡率が高い時期であり、漂流してきた子ブタの死体の数も異常なものではないという。なるほど、と納得できる説明だが、そうなるとなぜ今回の漂流ニュースがこれほど注目を集めているのかが逆に気になるところ。今までもがんがん流れてきていたが、ニュースにならなかったのか。それとも嘉興市の養豚業者が突然、処理費を払うのが嫌になって川に放り込み始めたのか。理由がわからないのがともかく不気味だ。


■なんとなく不気味、の払拭は大変

というわけで、報道をみると、結構ちゃんと説明されているし、筋道も通っている。さらに上海市政府が水質調査をして問題がないと繰り返し表明してくれているのだが、やっぱりなんだか不気味に感じられてしまうのである。そもそも黄浦江は巨大な上にもともといろいろなほにゃららが流れ込んでいるので、ちょっとやそっとブタの死体が浮いているぐらいで水質は変わらんがなと言われるとそれ以上は何も言えないのだがやっぱり不気味だ。

まあ本当にやばいなにかが起きた時にも中国政府は隠蔽してしまうこともあるので、中国の民草は政府の言葉をあまり信用しないというのも背景にあるかもしれない。公信力(政府の信頼性)というやつである。

とはいえ、上海市政府の“現場会議”(川べり会議?)を開いたりと頑張ってアピールする姿が報じられているのを見ると、お役人さんも大変だなと思う。


■余談

ところで中国だと「**で魚が大量死。近隣住民が大喜びでひろって帰りました」というニュースがよくあるのだが、やっぱりブタはそういう気分にならないのだろうか。そもそも養豚場で凍死したブタは食えないのだろうか。素人考えながら、そういう食えるモノと食えないモノの区別にも悩んでしまうのであった。

■追記(2013年3月12日)
一部メディアで死亡したブタはサーコウイルスによるものという報道がありましたが、上海市当局の報道によると、死因を確認できたサンプルのうち1例がサーコウイルスだったというもので、サーコウイルスが要因とした大量は確認されていないようです。

■追記(2013年3月12日)
上海市政府の発表によると、12日午後3時時点で5916頭の死体を回収したとのこと。ただし回収量はすでに減少傾向に(FMN)。


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 コメント一覧 (6)

    • 1. あ
    • 2013年03月12日 01:11
    • むしろ公的機関の安全宣言が疑心暗鬼にさせるから、ちょっと悪い点も含めて発表する方法がいいのかもしれない
    • 2. アジア市民
    • 2013年03月12日 01:15
    • 日本では産業廃棄物の不法投棄は目の玉が飛び出るぐらいの罰金が科せられる。
      中国では罰則が軽いのかな?・・・ってか罰則がない?
    • 3. 茄子炒飯
    • 2013年03月12日 21:36
    • >それとも嘉興市の養豚業者が突然、処理費を払うのが嫌になって川に放り込み始めたのか。

      今朝のワイドショーでも、このニュースは取り上げられていましたが、その中では、中国の法律では死んだ豚は政府が有料で買い取ることになっているとのことでした。

      法律ではそうなっているが、実際に役所に持ち込んだら難癖つけられて拒否されるということなんですかね??
    • 4. Chinanews
    • 2013年03月14日 19:04
    • >アジア市民さん
      罰則はあるはずですが、ばれないだろうと思ったのではないか、と。実際、今回ほど話題にならなければ大丈夫だったのではないでしょうか。
    • 5. Chinanews
    • 2013年03月14日 19:07
    • >あさん
      それは面白いかも。ちょっと「いやなニュースだけどこれぐらいならま、いっか」となる?!
    • 6. Chinanews
    • 2013年03月14日 19:10
    • >茄子炒飯さん
      コメントありがとうございます。多分、地方自治体によって違うんでしょうが、死んだブタを有料で回収する仕組みがないか、機能していないかどちらかでしょうね。ちょろっと見かけた記事では病死したブタの業者買い取りを政府が厳しく規制したために、捨てた可能性もあるとか。

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