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紙iPhone5、QRお墓……中国の新しい祭祀文化と共産党の変わらない建て前

2013年04月02日

■紙iPhone5、QRお墓……中国の新しい祭祀文化と共産党の変わらない建て前■
 


■今年もやってきました清明節

清明節は24節気の一つ。例年4月初頭に迎える。2013年は4月4日が清明節となる。

天気がいい季節なのでハイキングが人気。新華社日本語版の記事「中国の若者、続々と「暴走団」を立ち上げる 健康的なイメージで人気に」によると、見知らぬ人同士が集まってハイキングする「暴走団」なるものが人気だという。ちなみに中国語では「走」という漢字は「歩く」の意味になる。

中国でもさまざまな趣味の人がネットで知り合い、オフ会を開くのはごくごく当たり前。暴走団もその一つなのだろう。日本でいう合ハイだと思えばいいのかもしれない。

合ハイとは「合同ハイキング」の略で、複数の男女が一緒に行くハイキングのことである。目的は男女の交流を深めることにあるため、ハイキングといっても公園にみんなで行くといった程度のものまで含まれた。合ハイは主に大学生が行い、学生言葉として普及している。しかし、昭和後期に入ると合コンが主流となり、合ハイという言葉も死語となる。


■中国のスゴい墓参り

清明節はハイキングだけではない。むしろより大事なのが墓参り、墓掃除の風習。日本同様、食べ物もお供えするが、中国独特なのが紙銭、紙衣などの紙で作ったお供え物だ。燃やす冥界に送り届けられるという仕組み。人間界から冥界への仕送りとでもいうべきか。

お金や衣料品だけではなく、家や馬蹄銀などのバリエーションもあったが、近年ではさらに過激に新製品が続々登場。毎年、「紙ノーパソがでた!」「紙洗濯機すげぇ!」「紙麻雀牌かー。いや、冥界もヒマかもしれないし、必要だよね」とメディアのいいネタとなっている。
(関連記事:「紙ランボルギーニに善行代行業、そして冥界のインフレ=オモシロすぎる中国墓参りビジネス2012」)

網易の写真特集・看客が「“現代”祭祀」という特集を組んでいるので、一部ご紹介したい。


■現代祭祀

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*ノートPCも冥界に贈ってみる。

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*デジモノ各種詰め合わせ。iPhone用充電器もあるなど芸が細かい。

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*人形や車、豪華客船のチケット、腕時計にメガネも。

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*こちらは紙銭グッズを売っているお店。紙クレジットカードもあるようだ。

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*変わり種お墓。ハンドルネーム、ブログのURL、QQ(チャットソフトの番号)が刻まれている。どれだけネット好きだったのだろうか……。

20130402_写真_中国_墓_7
*QRコード付きのお墓。スマホで故人の動画を見ることができる。

20130402_写真_中国_墓_6
*お墓掃除代行業者の青年。故郷を離れるとお墓参りもままならないので便利なサービスかもしれない。


■紙銭、紙iPhoneは違反祭祀品です

さて一番気になった写真がこちら。

20130402_写真_中国_墓_8
*2010年3月27日、北京市石景山区の八宝山公墓。都市管理局職員が「文明的墓参り」を唱え、市民が持ってきた紙銭を菊の花に取り替えている。

「ええっ、あんなにおおっぴらに売っている紙銭って、政府的にはダメだったの?」と驚かされた。

この問題については騰訊網の特集サイト・今日話題の記事「紙製iPhone5はなぜ違反祭祀品になったのか?」が詳しい。迷信邪教取り締まりを掲げる共産党にとって紙銭はもともと悪しき風習。改革開放後、共産党のたががゆるむと、中国各地では宗教の復活が進み、紙銭などの風習もおおっぴらに行われるようになったが、それでも建て前的にはあまりよろしいことではないという。

1997年公布の埋葬管理条例でも「“封建迷信”の祭祀品は禁ずる」との項目がある。ゆえにいたるところで売られている紙銭もネットショップで話題の紙iPhoneも理屈上は違反祭祀品ということになる。実際に北京市では今年の清明節を前にこうした“封建迷信”ショップの取り締まりが行われている(京華時報)。

紙iPhone5、QRコード付きお墓と中国の伝統文化がなかなか楽しい発展を遂げている一方で、中国共産党の建て前はなかなか変わらない。しかも、どうでもいいことほど変更する原動力がないので変わらない。紙銭、紙iPhoneの禁止はそうした“官僚気質”の象徴と言えるのではないか。

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