• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

マルクス・レーニン・毛沢東批判は厳禁、党批判傾向の大学教員を規制=中国共産党宣伝部が通達

2013年04月05日

■マルクス・レーニン・毛沢東批判は厳禁、党批判傾向の大学教員を規制=中国共産党宣伝部が通達■

DSCI3207
DSCI3207 / Mr Thinktank


■中国共産党中央宣伝工作会議新精神


2013年3月31日付BBC中国語版、2013年4月1日付RFA中国語版によると、中国共産党中央宣伝工作会議新精神なるものが中国各地の宣伝部局に通達されたという。

メディアが中国共産党を批判することが禁じられたほか、メディア専攻の教員が党を批判することも禁じられた。


1:中国のメディアは伝統的メディアであれ、ニューメディアであれ、すべて党の“喉と舌”(代弁者)であるべきである。今後、党営のメディアが党と人民の利益に相反する声を発することは許さない。聞き入れなければ経営権を回収する。

2:今後、反「馬列毛」(マルクス・レーニン・毛沢東)の言論が堂々とメディアに出現することは許されない。

3:反党、反国家、反民族的立場、いわゆる“新三反人員”がメディアに居座り続け、世論宣伝活動に従事してはならない。立場を変えないのであれば、人を変えるだけだ。

4:メディアに対する党の管理と導きを強化する。悪いニュースばかりを流し、良い事象について見て見ぬふりを決め込んではならない。

5:“新三反”傾向を持つ者が大学でメディア人材の育成業務に携わってはならない。また党幹部を各大学のニュース専攻に派遣、各大学ニュース専攻の教員を党政機関に派遣する人事交代を実施する。


■字面だけでは分からない通達の重み

この方針は公表されたものではないが、BBC中国語版によると、複数のメディア関係者によって確認されたものだという。

字面だけ読むと大変反動的な反動で反発する意見も強い。確かに「マルクス・レーニン・毛沢東」を批判してはならないというのは勘弁して欲しいというか、毛沢東はともかくマルクス、レーニンぐらいそろそろいいんじゃないでしょうか、という気もするし、「反党、反国家、反民族的立場」「悪いニュースばかり流すな」という話もいくらでも拡大解釈できそうな話でもある。

ただ今までとどういう違いがあるかと言われると未定。これまで「反党、反国家、反民族的立場」が許されたかというとそうではない。結局は通達そのものの内容よりもその後の運用でラインは決まるからだ。新たな言論統制の始まりなのか、習近平体制も正式スタートしましたしみなさん気合い入れていきましょう、ぐらいの意味なのかは今後を見なければならない。


■大学への締め付け

ただ大学ニュース学科への締め付け、及び党機関との人員交流(?)というのは結構具体的かつ目新しいポイントではないか。中国の大学教員、研究者は論文を書く時は言論コードに相当気を配っているが、学内のゼミなんかでは「共産党最悪やで」などなどぼろくそに話している“新三反”傾向を持つ教員も少なくない。

特にメデイア専攻では取材報道で名を上げた新聞記者が教員になっていることも多いため、将来のメディア関係者の卵に、共産党的にはあまりよろしくない考えを植え付けているのも珍しくないようだ。ゆえに「臭いにおいは元から」的に、大学メディア専攻に目を付けたということだろうか。

党機関との人員交流というのもなかなか不気味な話で、党校などでバリバリやっていた共産主義理論の研究者が派遣されるのだろうか。爆発的に眠くなる授業が増加しそうだ。


■青春時代を守ろう

政府のお叱りを受けないレベルをぎりぎり守りつつ見事な政府批判をやってのけた話として、本サイトは以前、中国政法大学の何兵副院長の卒業生に贈るスピーチを紹介した。

今はきわめてでたらめな時代であります。そのでたらめさはどのような段階にまでいたっているのでしょうか?例を挙げるならば、革命歌を歌うことを奨励しながら革命を奨励せず、映画『建党偉業』を見ることを奨励しながら新たな政党を作ることを奨励しないといったことであります。まさに痩せぽっちの時代です。しかし、このような時代だからこそ、理想は羽ばたくことができるのです。

では、この時代において、私はみなさんになにを期待しているのでしょうか?

北京師範大学のある教師がこう言ったのを私は知っています。卒業して10年で4000万元(約5億円)稼げなかったら会いに来るな、と。会場には私の大学院生もいますが、このようなことは言いません。卒業後に偉い人になって欲しいなどと希望しません。ただ10年後にもしあなたたちの中の誰かが善良な市民を傷つけるようなことがあれば、私はもうあなたの一族を滅ぼします、うちの門をくぐらせません!

革命歌を歌うよう強制されるのに革命は禁止……でたらめな時代を生きる新卒生に贈る言葉―中国 

多くの学生がこのスピーチに喝采を送っているのだが、彼らの多くも卒業して働き出したらあっという間に世の中にすれていくはず。中国共産党が心配するようなことではないと思うのだが……。

「共産党は悪いこともたくさんしているけど、おまんま食えるのは安定した社会があるから」とか大人になる前に、「共産党はクズやで」とか毒づきながらビールを酌み交わす青春時代があってもいいのではないだろうか。

関連記事:
革命歌を歌うよう強制されるのに革命は禁止……でたらめな時代を生きる新卒生に贈る言葉―中国
【南方週末事件】プロパガンダを掲載しろと脅迫されたならば……中国のブンヤさんが見せた“気骨”
ルールを守った専制政治を!日本メディアが誤読している南方週末事件の本当の“面白さ”
毛沢東思想の授業をさぼって中国大学生の「今」をだべってみた―中国(水彩画)
出稼ぎ農民よりも給料が低い「エリート」たち=大学定員拡大が生み出したミスマッチ―中国


トップページへ

コメント欄を開く

ページのトップへ