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「SARSと鳥インフルエンザは米国の生物心理兵器」中国軍事評論家の妄言と奇形化した愛国主義

2013年04月08日

■「SARSと鳥インフルエンザは米国の生物心理兵器」中国軍事評論家の妄言と奇形化した愛国主義■

China, flag.
China, flag. / Renato Ganoza


■戴旭大佐の新たな問題発言


金鰤認定、中国軍事コメンテーター・タカ派四天王最凶の男・戴旭大佐。

今年1月には「もし日中が開戦したならば東京を直接爆撃してやれ。日本のいわゆるミサイル防衛システムがどれだけ強力か見てやろう。米国を含め世界中が知りたいことであろう。我々の矛があのうっすい盾をつきやぶった時、全世界は我々への認識を改め、経緯を払うようになるだろう。その時、我々の大国の夢にはもはや何の障害もなくなるであろう」との過激発言も発している。

彼の新たな問題発言が話題となっている。2013年4月7日、大衆網が伝えた。

最近話題の鳥インフルエンザだが、国家高層部局は決して大騒ぎしてはならない。さもなくば2003年のSARS同様の罠にはまることになろう。当時、M国(米国のこと)はイラクを攻撃する際、中国が機に乗じて行動を起こすことを恐れていた。ゆえに中国に生物心理兵器を使ったのだ。中国は国中が大混乱。まさにM国の狙い通りとなった。今、M国は再び同じことを繰り返そうとしている。今回こそ中国は教訓をくみ取るべき。落ち着いて対応すればいい。――どうせ数人も死なないのだ。中国の交通事故死者の1000分の1にも満たない。

批判を喰らいまくったためか、微博に残された書き込みは青字部分を削除したものとなっている。大衆網の記事を転載したポータルサイト・網易には1万7000件ものコメントが書き込まれ、「禽獣におとる」「人間性がない」といった批判コメントがずらり。

一方で「突然中国でだけ見つかった鳥インフルエンザ。実験室で作られたものに違いない」「イラク戦争前のSARS、北朝鮮を攻める前の鳥インフルエンザ。米国ェ……」といった生物心理兵器説を支持するコメントも。


■何かと戦い続ける戴旭大佐

ただ戴旭大佐的には批判コメントのほうが目についたようだ。

昨日のつぶやきは中国人に鳥インフルエンザに冷静に対応し、パニックにならず、2003年SARSの教訓をくみ取って欲しいと希望したもの。ところが米国に思想毒素を注射された一群の公共知識人、真実と偽りを見抜けぬ輩どもの間に“犬インフルエンザ”まで一斉に流行したようで、狂犬のように私に吠えかかってくる。この事象は再び中国人にあれら醜きものどもの顔を見せつけるともに、瘴気が立ちこめ正気が見えないという中国のネットの現実を明らかにしたのだった。

1カ月前、上海復旦大学のニセ日本鬼子が羅援と私に攻撃をしかけてきた。今、一群のニセ米国鬼子がやってきた。私はこれまでも言ってきた。ネットは国家利益を守るための上甘嶺戦役(朝鮮戦争での主要会戦)である、と。私は半歩たりとも引かない。

ニセ日本鬼子とは復旦大学の馮瑋氏のこと。

「中国は広く、どんな珍しいものも存在する。羅援、戴旭のような狂徒が何人かいようと不思議なことではない。たとえ異常なまでに反中の日本右翼軍人ですらも北京を爆撃せよといった世間を驚かせるような妄言を言わないとしても、だ。不思議なのは中国の主流メディアはどうしてこうした狂徒、狂言に発言の機会を与えるのか?」

と批判。中国のクレイジーな軍事コメンテーターが中国のイメージを損ねていると嘆いた。これに羅援少将、戴旭大佐も反論。ちょっとしたネットバトルとなった。この件以来、戴旭大佐は中国のネットにいる米国の犬、思想毒素を注射された輩との孤独なバトルを繰り広げている。


■奇形的な愛国主義が国益を損なう

馮瑋氏の指摘はしごくまっとうなもので、戴旭大佐らタカ派軍事コメンテーターの発言は中国国内の戦争好きを楽しませるばかりか、海外メディアにとっても格好の“エサ”。「なんか中国の怖いネタが欲しいねぇ」「じゃ、タカ派コメンテーターの発言をちょろちょろと集めてみますか」で記事ができるのだから便利なものである。

愛国主義を消費したいという市場があるのは中国に限らずどこの国でも一緒。奇形的にふくれあがったそれが国益を損なうものになるというのも同じだろう。

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 コメント一覧 (3)

    • 1. ahaha-man
    • 2013年04月09日 08:43
    • 中国語でも発信してみてはどうでしょうか?
    • 2. 永江聡
    • 2013年04月09日 22:34
    • JR深名線路線バス乗務員鳥インフルエンザ
    • 3. Chinanews
    • 2013年04月10日 00:14
    • >ahaha-manさん

      中国語発信もやりたいと思っていて、ある中国語ニュースサイトに枠をもらっているのですが、さぼっていてまだ1回しか書いていないという……。がんばります。

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