• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

汚職村長とその兄弟、銃を片手に村民たちと戦う=農村改革と村長が築く“小王国”

2013年05月15日

■汚職村長とその兄弟、銃を片手に村民たちと戦う=農村改革と村長が築く“小王国”■

 

天才バカボン 本官さん ヘッドカバー[FW/UT対応]

■村長とその兄弟、チンピラを率いて村民と戦う


2013年5月12日、広東省汕尾市陸豊市橋冲鎮東竹村委盛徳寮村で、村小組組長グループと村民グループの乱闘事件が起きた。村長は銃を発砲。戦いに参加していた村民、周囲の野次馬など14人が負傷した。負傷者のうち最年少は11歳の少年で、頭と心臓に銃弾を受け、重体となった。

 事件の発端となったのは、毎度毎度の話となるが土地をめぐる争い。龍蛟湖山という村内の山が公共墓地にするため上級政府に召し上げられたが、その補償金として約200万元(約3200万円)が支払われたという。このお金は頭割りで分配されるはずだが、委盛徳寮村の小組長・劉が家族の人数を実際より多くいることにして余計にもらっていたという。

村民の陳が抗議したところ、劉小組長の弟は「話があるならうちに来い。ただし防弾服を来てな」「がたがたいうなら、チンピラをけしかけるぞ」などと脅していた。

かくして12日に脅しは現実のものとなり、劉組長とその弟たちは村外のチンピラ20人あまりを率いて戦いの場にやってきた。劉組長は6人兄弟。2人が銃を装備し、残るは刀を持っていた。立ち向かうはクレームを入れた陳さんとその一族。

劉一族とチンピラ軍団VS陳一族の戦いは30分にわたり行われ、村民14人が負傷した。また劉一族も4人が刀で切られたり、棍棒で殴られたりと負傷している。記事は基本的に劉一族悪者視点のため書かれていないが、陳一族もきっちり刃物で武装していたということのようだ。

事件後、6人が逮捕される事態となったが、その中には劉組長とその弟2人、そして陳さんも含まれている。


■王となった村長たち、都市化・農村改革の障害に

これぞまさしく「械闘」(村同士や一族同士など対立するグループが武器を持って戦うこと)の典型例という話で、しかも土地の補償金をめぐる村内のいがみあいというのもきわめてよくある話でもある。違法製造の銃器を持ち出すのはともかく、発砲するのはかなり珍しいが……。

中国の汚職問題が最も先鋭化しているのは農村だろう。同じ人間がえんえんと村長を務め小王国となっているのは珍しい話ではないし、そうした村長が勝手に土地を売り払ったり、あるいは補償金を懐に入れてしまったことをきっかけに暴動が起きる例も相次いでいる。烏坎村はその代表的事例だ。

習近平・李克強体制で新たに推進されようとしているのが「新型都市化」。農村居住地の集約化、農地の集約化と企業による農業参入の認可、さらには農民の都市移住の推進など、多くの試みが予定されている。これらの改革を進める上で大きな障害となるのが、小さな王となった腐敗村長たちだろう。土地やお金が動く改革は一稼ぎする絶好のチャンスだ。

というわけで、農村のガバナンス強化が必要なのだが、しかしこういう「逆ギレ村長が銃乱射」という世界を見せられると、その困難さを改めて思い知らされるようだ。

関連記事:
気分はもう内戦?!広東省の田舎で硫酸、火炎瓶、花火砲が飛び交う村同士の戦争が勃発
「裁判所なんて意味がない」?酷すぎる中国の官僚=悪辣な地方政府に怒った農民が決起
【中国農村のカオス】駐車スペースをめぐり建設作業員がケンカ=爆薬まで登場、4人死亡―甘粛省
ジャッキー・チェン、銃と手榴弾を武器に香港マフィアとリアルバトルの過去を明かす→銃刀法違反で警察に怒られる
「自家製改造拳銃の威力を試したかった」見ず知らずの女性銃殺の殺人犯を逮捕―中国


トップページへ

コメント欄を開く

ページのトップへ