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軍役応募で戸籍を贈呈、北京市の“ローマ帝国的”新政策

2013年06月18日

■軍役応募で戸籍を贈呈、北京市の“ローマ帝国的”新政策■


2年間の軍役を務めた大学生には北京市戸籍をプレゼント。2013年6月17日、北京市政府が新政策を発表した。新京報が伝えた。

中国の首都・北京には全国各地から若人が集まってくるが、出稼ぎ農民は言うに及ばず、大学卒業生にとっても北京市戸籍を取得するのは至難の業。北京市のお役所や大企業など“戸籍取得枠”を持っている政府機関か企業に就職することが基本的な要件となる。北京市の大学に進学し、卒業後ずっと北京市で働いているのに、戸籍は故郷のまま、という例も少なくない。

北京市の大学に進学したはいいけれど、いい企業に就職して北京市の戸籍を取れるだろうか……。と不安がる大学生に目を付けたのが市政府。大学卒業後、北京市から軍役に応募し2年間勤め上げたあかつきには北京市戸籍がプレゼントされることになる。退役後、北京市の政府機関か企業に勤めることが条件となるが、「戸籍取得枠」を持っていない民間企業でもあっても戸籍を取得できるという優遇っぷりだ。

量から質への転換を目指す人民解放軍だけになるべく多くの大学生が軍役について欲しいと考えているが、恵まれた北京市の大学生で軍役に応募する者はそう多くはないのだろう。そこで大学生兵士を確保するための優遇策が導入されたようだ。

それにしても外地人で兵士を補い兵役を果たした後には戸籍をプレゼント、と言われると、ちょっと古代ローマ帝国のようでもある。

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 コメント一覧 (2)

    • 1. 駆けつけ三杯
    • 2013年06月19日 11:13
    • なんだか、移民の永住権保持者が米軍に入ると、国籍が早くもらえるという「グリーンカード・ソルジャー」みたいな制度ですね。
      これって、結局北京とその他地区との関係が、いろいろな意味で、アメリカと他国との関係に似通っているということでもあるのかも。
    • 2. Chinanews
    • 2013年06月20日 03:44
    • >駆けつけ三杯さん
      コメントありがとうございます。おっしゃるとおりで、同じ国内の同じ国民のはずなのに自由に戸籍が移動できず、まるで別の国の人、あるいは一等国民と二等国民のような形になってしまっていると言えるかもしれません。

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