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「ボクは日本で猫耳やビエンビエン麺を食べたいのだ」日本の中華麺的貧困を憂う

2013年07月06日

■「ボクは日本で猫耳やビエンビエン麺を食べたいのだ」日本の中華麺的貧困を憂う■


なんでも中国十大麺料理が選ばれたらしい。

“麺料理大国”中国のご当地麺ベスト10が選出、「担担麺」「ジャージャー麺」などが入選―中国メディア
レコードチャイナ、2013年7月5日

ご当地麺のベスト10に選出されたのは、「熱乾麺(湖北省武漢市)」「ジャージャー麺(北京市)」「刀削麺(山西省)」が上位3位に輝いたほか、「蘭州ラーメン(甘粛省蘭州市)」「[火會]麺(河南省)」「担担麺(四川省成都市)」「冷麺(東北部朝鮮族)」「片兒川(浙江省杭州市)」「奥[火土]麺(江蘇省蘇州市)」「鍋蓋麺(江蘇省鎮江市)」と、日本では見慣れない名前も多く並ぶ。 

ここで一つ確認できるのは、中国の麺料理は日本のラーメンから連想されるような汁麺はそれほどポピュラーではなく、あえ麺が好まれていること。麺そのものの弾力やのど越しを重視する日本人に対し、具・味つけと麺の調和で無限のバリエーションを広げている。 

日本でなじみのない麺についてはグーグル画像検索のリンクを貼っておいたので、ぜひ画像を眺めて胃袋を刺激して欲しい。

この手のランキングが本当のおいしさとリンクしているかというと疑問で、結構政治力が働いてしまう世界だったりする。今回も杭州市開催なのできっちり杭州市の麺が入っているのはご愛敬。とはいえ、「おお、食べてみたい」と思わせるきっかけとしてはなかなか秀逸な仕組みである。

企画の主催者様は英語、日本語、韓国語など各国語で十大麺料理をアピールするサイトを立ち上げるべきではなかろうか。なんかよーわからんが麺食いにいくべ、という気持ちにさせる。それがクール・チャイナの心であろう。その際に「食欲と食い意地は日本トップクラス」と名高い私に中日翻訳を依頼してくれたら、お腹が減るような文体で記事を仕上げられるのではないかと思う。

さてこの手のご当地自慢となると、当然落選した地域からはお怒りの声が上がるもの。特に山西省と並ぶ粉物王国・陝西省からはなぜ臊子麺、biángbiáng麺が入らんのじゃ!と怒りの声があがったという。臊子麺とは濃いめのスープに麺を突っ込んだ料理。

でもってbiángbiáng麺とはきしめんのように幅広い麺の料理。麺白いのは名前で発音はビエンビエン麺となるのだが、やたら画数の多い謎の漢字で表記する。その漢字も複数のバリエーションがあり、少なくて56画、多くて67画になるのだとか(ウィキペディア中国語版)。

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いいからきしめん食っとけと言われたらそれまでなのだが、なんだか気になってそわそわしてしまう。思えば山西の麺料理「猫耳朵」(ネコミミ)も一回食べたら満足したのだが、食べるまではなんだか気になって仕方がなかったのであった。

最近、日本では刀削麺を食べられる場所が急増している。「刀削麺ってすいとんだよね、普通の麺のほうがおいしいよね」派のボクとしては特に心動かされることもないのだが、中国にはこんなにたくさん楽しい麺があるのに、刀削麺ばかりが栄える今の日本の偏重っぷりを憂いたい。

日本の中華料理屋よ、目覚めよ!あんまり注文されなさそうな知名度が低い中華料理ももっと輸入せよ!一般の中華料理屋が無理ならガストの「山西省・陝西省の珍しい麺フェア」とかでもいいからお願い!

とだらだら思った次第である。

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 コメント一覧 (2)

    • 1.
    • 2013年07月07日 02:46
    • イタリア料理もパスタは多種多様だけど、日本では麺状じゃないと受けないね
      マカロニが定着化してるくらいじゃないかな
      刀削麺屋はチェーン展開してたけど、最近はめっきり見なくなったような気がするけどな?
    • 2. Chinanews
    • 2013年07月09日 05:43
    • >イタリア料理もパスタは多種多様だけど さん

      ラザニアとかどうでしょう?私が好きなだけかも……。

      刀削麺ですが、店名についていなくてもメニューに載っているところが結構あるようなイメージです。まあどこでも食べられるわけじゃないですけど、前よりも食べられるところが増えたような。

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