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台湾人初のテニス四大大会優勝と“日本人記者の悪意ある質問”(水彩画)

2013年07月09日

■台湾が国とか無いから!!■


■日本人記者の悪意ある質問に華麗に反撃

テニスにはとんと疎いのですが、今日はテニス選手のお話。まあ、ほとんどテニスは関係ありませんけど。テニス四大大会のウインブルドン選手権女子ダブルスで、謝淑薇と彭帥ペアが優勝。謝淑薇は台湾人初の四大大会制覇となりました。

めでたい話なのですが、その後の記者会見での“日本人記者の悪意ある質問”が話題となっています。

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※謝淑薇(左)、彭帥(右)

彭帥が日本人記者の挑発を遮る「台湾が国家というのは受け入れられない」(2013/7/7 武漢晨報)
ウインブルドン女子ダブルス謝淑薇「政治ゲームはやらない」(BBC中国語 2013/7/8)

試合後、ある日本人記者が謝淑薇に「四大大会を初めて制した『台湾人』として、『国家』とは何を意味しますか」と聞いたそうです。これを聞いた彭帥が手を上げてさえぎり、

申し訳ないが、私はまだここに座っている。私は台湾が国家という言い方を受け入れる事はない。テニスはスポーツで、テニスを政治に関係させないで欲しい。

私たちが会う時はこの手の話をしないし、今までずっと「海峡組合」って名前がとても気に入ってる。

と発言したそうで。「政治とスポーツを関係させないで欲しい」と言いつつも、その前に「台湾は国家という言い方を受け入れる事はない」というきわめて政治的な決まり文句を発しているのはご愛敬でしょうか。こういう返答がさっと出てくるっていうのは模範解答の練習をしているのでしょうか。

この発言を中国メディア、中国ネット民は「日本人記者の悪意ある挑発を見事に撃退」という論調で高く評価しているようです。

なお当事者の謝淑薇は記者会見後、フェースブックに「政治ゲームはしません。スポーツはスポーツです」とさらっと回答しています。


■中華人民共和国国籍になったら1億6500万円をプレゼント?!

「政治とスポーツは別物」というのは大変もっともな話なのですが、しかし“海峡ペア”の四大大会制覇という話になると、どうしても政治の影が差してしまうのは仕方がないところ。それは“日本人記者の悪意ある質問”とやらがなくても同じです。

上記BBC記事によると、「謝淑薇の友人」がインターネットに書き込んだ話によると、中国のある酒造メーカーが「1000万元(約1億6500万円)払うから中華人民共和国国籍になって」とオファーしてきたのだとか。謝の父親は悩んだものの、もし台湾メーカーがスポンサーになってくれるなら、謝は生まれ育った台湾のためにプレーできるという発言したそうです。

この発言が事実だとすると、あまりの銭闘力の高さにバッシングでも起きそうなもの。ところが台湾教育部の蘇偉寧部長は8日、謝の父親と協議して台湾に残るよう希望を伝えると発言するなど、スポンサー企業探しの仲介をする気まんまんの姿勢です(ETtoday)。

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*本記事はブログ「中国という隣人」の2013年7月3日付記事を許可を得て転載したものです。

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