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LINE風IMツールにニューフェース、易信がロケットスタート決めるも商標問題が発覚―中国(osschina)

2013年08月23日

■易信(Yixin)にも商標問題が発生 名称利用の行方や如何に■


■LINE風携帯電話用IMツールにニューフェース、公開24時間で100万ダウンロードを達成

電話会社・中国電信と大手IT企業・網易が共同で運営する携帯電話用インスタントメッセンジャー(IM)ツール・易信が2013年8月19日に正式公開されました。もともと中国電信は「翼卿」という独自のIMアプリをリリースしていましたが、網易との共同運営を期に改名することになりました。

携帯電話用IMツールとは簡単に言ってしまえば、「LINEみたいなアプリ」のこと。中国ではすでにユーザー5億人超えを達成したとみられる微信(Wechat)がありますが、易信はこの巨大なライバルを相手に挑むことになります。

滑り出しは順調で公開24時間ですでに100万ダウンロードを達成しています。

参照記事:「中国電信と網易の共同推進IMツール『易信』が正式公開 合弁会社を設立し微信(WeChat)対抗へ」「中国電信と網易の『易信』、トラブル続くも出足は好調 公開後24時間で登録ユーザーが100万人に


■商標が先に登録されていた

公開以来、いくつかのトラブルはありつつも良いスタートダッシュをきったと言える中国電信と網易の易信(Yixin)ですが、商標問題が発生しました。鈦メディアTechwebが報じています。

製品発表の11ヶ月前、2012年9月12日に北京金诚和讯科技发展有限公司という会社が「38類:通信類」で先に商標を申請していたのです。それだけではなく、この企業を皮切りとして、計6社、個人名義で2人が「易信」という商標を申請しています。普通に使うために申請した可能性もありますが、網易が将来、「易信」というサービスを出すと予測して転売目的で申請していたとしても不思議ではありません。そうだとしたら新サービス発表の報道を聞いてガッツポーズだったでしょう。

この北京金诚の申請はまだ受理されていないそうですが、中国の商標は「先願主義」。つまり早いもの勝ちです。自社の製品名称などが先に出願された場合には商標の無効を訴えることはできますが、その場合でも「商標は申請していなかったが一般的に認知された名称である」ことを証明しなければなりません。11カ月前の時点では易信がリリースされていなかったので、商標撤回を申し入れたとしても分が悪そうです。


■ライバル・微信も、アップルのiPadも苦しんだ中国の商標問題

実は易信のライバル、微信(WeChat)も昨年、同様の商標問題に巻き込まれました(関連記事)。ただ微信の場合、相手が出願したのは、テンセントが微信の商標を申請する1週間前。その時点で微信は一定の知名度を得ていたので、撤回申請が通るのではと言われていました。

この問題については続報を目にしなかったのですでに解決済みかと思っていたのですが、今年6月時点のニュースではまだ係争中とのこと(寧波網)。

iPadの商標問題が世界的な注目を集めましたが、中国では商標に苦しめられている企業、サービスは少なくありません。有名税というやつなのかもしれませんが、企業名をつけたり新サービスをリリースする際には細心の注意が必要ですね。

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*本記事はブログ「中国ソーシャルメディア雑記」の2013年8月21日付記事を、許可を得て転載したものです。


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