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「東京敗れる!イスタンブールが五輪開催!」中国国営通信社の大誤報とその裏側(水彩画)

2013年09月08日

■新華社のオウンゴールに色めくメディア■


2020年のオリンピック開催が東京に決まりました。おめでとうございます。ありがとうございます。

さて、この喜ばしいニュースを新華社が「イスタンブールの開催決定」と誤報をした件について。

20130908_写真_中国_五輪_1
*新華社の速報記事。

20130908_写真_中国_五輪_3
*ご丁寧に微博でも誤報。

中国時間の本日午前3時10分(日本時間午前4時10分)、新華社が「イスタンブールが2020年夏季オリンピックの開催権を獲得」と速報を流し、各社が一斉に転載。日本メディアもこの顛末を報じています。
五輪招致、東京「1位通過」も一瞬ヒヤリ…その後大きな拍手に(産経新聞 2013/9/8))

20130908_写真_中国_五輪_2
*「東京は落選」との文字放送が流れる。


■ロゲ会長発言に全力で釣られた中国

気になるのはなぜこんな大ポカをやらかしたのか。実は国際オリンピック委員会(IOC)の説明がほんの少しだけややこしかったことが原因だったようです。

投票ですが、第1回投票で東京が1位。イスタンブールとマドリードが同票の2位となり、再投票の結果。マドリードが脱落。第2回投票で東京が開催権を決定という流れとなります。

この最初の投票の際に、ロゲ会長が「イスタンブールとマドリードが同票」と発表したことが混乱のもと。東京が3位で落選かと誤解できるような発表で、現場にいた人たちも一瞬把握できなかったようです。といっても普通ならミスすることはないと思われるのですが、新華社が釣られてしまったからさあ大変。


*池上彰さんもロゲ会長発言で混乱していた。

午前0時30分から始まったCCTVスポーツチャンネルの特別番組でも、

イスタンブールとマドリードが第二位投票

「東京は落選」

「いや落選してない。得票数は東京がトップで、イスタンブールとマドリードが二位争いだ」

「恐らく投票のルールに変化があったのでしょうね。いや、間違いました」

とぐだぐだの放送を展開。東京が最多得票で一位通過だと気付いた時点で訂正はしたんでしょうが……。それにしてもロクな通訳がいないのでしょうか。通訳を無視して状況を把握しなかったのと、同票数になった時にどうなるかを想定していなかった結果なのでしょうね。


■閑話休題:習近平の結婚指輪

これほどのわかりやすい誤報を流しておきながら、正式な謝罪や訂正記事は出ていないようです。というのも中国官制メディアというのは自分に被害が降りかからない限り、そういうことはしない人たちなのです。

ただし上から命令されたら早いんですけどね。こんな話もありました。



そもそも指輪してたらどうなんだっていうレベルで訂正記事とかどうでもいいような気もするのですが、ボスに関わる問題だと速やかにデマを訂正。


■新華社に釣られて大損害を食らった地方紙

さて、その新華社様ですが、何事も無かったかのように「東京の開催決まる」と速報。

速報「東京が2020年夏季オリンピックの開催権を取得」(新華社 2013/9/8)

新華社は最初の誤報をなかったことにしたからいいですが(ちなみに記事を削除、検索にも全くかからない状態です)、各メディアに転載された「イスタンブールで開催」の記事はそのまま。更に「新華社がオウンゴール」と新華社を全力でdisる記事が容赦なくアップされ、雨後のタケノコ状態となっています。

20130908_写真_中国_五輪_4
*雨後のタケノコ状態。

皆さんここぞとばかりに新華社のミスを叩いてますねー。あまりすかれてないんでしょうか。

そんな中、デマで被害を受けた新聞社がありました。

新華社のオウンゴールで某新聞が再版 副総編集長が微博で問い質し(新浪体育 2013/9/8)
20130908_写真_中国_五輪_5

新華社の誤報で思い切り被害を受けたのが長沙晩報。上の写真のとおり、「イスタンブール開催」を一面にして印刷してしまいました。結果、販売した新聞の回収、「東京開催」と修正して刷り直すと大被害を受けています。長沙晩報は夕刊紙なのですが、誰も誤報に気づかなかったのが不思議ではありますが。

長沙晩報の副総編集長が微博で新華社を批判しました。

新華社のオウンゴールで、東京がイスタンブールになってしまい、全国の新聞に大きな損害を及ぼした。長沙晩報は数十万部を回収、再度印刷した。その損失は巨大だ。

ニュースを供給するものとして、新華社は客に説明をし、反省しなければならない。

中国共産党は最近、ネット取り締まりを強化しており、デマを流した容疑で多くの人がお縄となっております。一般市民のちんけなデマとはレベルが違う騒ぎを起こした新華社ですが、さてこのデマ報道、ちゃんとケジメをつけさせるんでしょうか。

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*本記事はブログ「中国という隣人」の2013年9月8日付記事を許可を得て転載したものです。

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 コメント一覧 (2)

    • 1. エラが発生しました。次の項目について確認してください。
    • 2013年09月09日 03:06
    • × 五回できるような
      〇 誤解できるような

      そもそも論だが、“誤解できる”という表現自体がいかがなものか。
    • 2. Chinanews
    • 2013年09月12日 22:37
    • >エラが発生しました。次の項目について確認してください。 さん
      どうもです。修正しました。

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