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わずか2年で1兆円企業を作り上げた中国の偽ジョブス、スマホ企業Xiaomiの強さ

2013年09月09日

■わずか2年で1兆円企業を作り上げた中国の偽ジョブス、スマホ企業Xiaomiの強さ■


アップルとサムスンが世界スマホ市場のトップ2となった今、第三極を目指して多くの企業がひしめきあっている。パソコン世界一の座についたレノボはその野心を露わにしているし、ソニーも捲土重来を期している。だがあるいはその座におさまるのは破竹の快進撃を続けるXiaomi(小米)かもしれない。

先日はグーグルの幹部Hugo Barra氏がXiaomiに移籍、中国のみならず世界的な注目を集めるメーカーへと飛躍している(Ascii.jp)。


■新進企業がスマホに搭載した、アグレッシブすぎる新機能

そのXiaomiが2013年9月5日に発表会を開き、新型スマートフォン・Xiaomi3、スマートテレビ・小米電視などの新製品を発表した。アンドロイドをカスタマイズしたOS、MIUIのバージョン5も発表されたが、搭載された機能がなんとも中国らしいというか、ベンチャーらしいというか、アグレッシブなものであった。

その機能とはWifiパスワード共有機能。ボタンを押すと、利用している無線LANのパスワードがXiaomiのサーバーに送られる。別のXiaomiユーザーがその無線LANを利用しようとする時、いちいちパスワードを入れなくともすぐに利用できるという画期的な機能だ。

便利なことは間違いないが、守られるべき秘密であるパスワードがXiaomiのサーバーに送られるということ、また知らず知らずのうちに自分の無線LANが勝手に利用されてしまう可能性もあるではないかと批判されて炎上。Xiaomiは「喫茶店で無線LANを使わしてもらう時、一々店員に聞くのは面倒だし、店員だって仕事が減っていいでしょ」と弁明していたが、結局、この機能は削除されてしまった(新京報)。

さすがにこの機能は炎上必至だったと思うが、それにしても普通なら躊躇しそうなアイディアを実現してしまうフットワークの軽さがザ・ベンチャーという印象。これまたXiaomiの強さにつながっているのかもしれない。



■偽ジョブスの創業、わずか2年間で1兆円企業に

Xiaomiは先日新たな融資を受けたが、その際に100億ドル(約9940億円)という評価を受けた。Xiaomiの初代スマートフォンが発売されたのは2011年。それからたった2年間で1兆円企業が誕生したことになる。2013年の販売目標は2000万台。

20130909_写真_中国_小米_1

Xiaomiが最初に伝えられた時、その存在は嘲笑の対象でしかなかった。「ジェスチャーもファッションも若きスティーブ・ジョブズそのまんま」の偽スティーブ・ジョブズという評価だ。


中国にジョブズ丸パクリCEO出現!(GIZMODO、2011年8月22日)

偽ジョブスと呼ばれたXiaomiの創業者、雷軍CEOは1969年生まれ。1992年にキングソフトに入社しCEOとしてその上場に成功した。2007年にCEOを辞職、2010年にXiaomiを創業し、2011年に初のスマートフォン、小米手機をリリースした。


■コスパとブランド力が快進撃の源

Xiaomiの売りは「コスパの良さ」。9月5日の発表会でXiaomi3(小米手機3)が発表されたが、5インチの大型ディスプレイとクアッドコアCPUを採用しながら1999元(約3万2400円、メモリ32GB版)という価格を実現している。1000元(約1万6200円)以下のロードエンド向けにもRed Rice(799元、TD-SCDMA、GSMのみに対応)を投入しているが、アップルとサムスンが支配するハイエンド市場を避け、ミドルレンジ市場を主戦場としている。

高いコスパを実現しているのがまず第一にファブレス(工場を所有しない)企業という点。さまざまな企業から部品をかき集め、アップル製品の組立も受注しているフォックスコンで製造という手順を踏んでいる。中国には無数のノンブランドメーカーが存在し、ブランド確立のための苦闘を繰り広げていたが、製造業としての実体を持たないXiaomiが勝利したのが面白い。

第二にアンドロイドのカスタマイズOSという点。MIUIというアンドロイドをカスタムしたOSを採用している。中国にはアンドロイドをカスタムしたOSはこれまた星の数ほど存在する。シャープのスマートフォンにも採用された元グーグル中国のトップ、李開腹氏の点心OSもかなりの話題となったし、大手IT企業は自社アプリを詰め込んだカスタムOSをリリースしているが、特定の機種のために作られたという点でMIUIは一歩リードしている。

20130909_写真_中国_小米_3
20130909_写真_中国_小米_3


Xiaomiのもう一つの売りは「ブランドの確立」。偽ジョブスと嘲笑された、アップル模倣戦略だが、すでに一定の支持者を勝ち得ている。Xiaomiは基本的に自社端末を店舗ではなくネット販売しているが(これも面白いやり方をしている。*月*日に10万台の予約受付、と小出しに販売。毎回、瞬時に在庫がなくなる事態を繰り返し飢餓感を煽った)、そのネットショップではなんとノートやラジコン、財布まで販売している。関連グッズまで買ってしまう忠誠度の高いファンを獲得した証拠だ。


■新たな戦場・スマートテレビ

Xiaomiはさらにテレビにまで進出。従来販売していたセットトップボックスに加え、新たに47インチ2999元(約4万8600円)という激安価格のスマートテレビを発表した。こちらもアンドロイドベースのOSが搭載されている。ベゼルがわずか8.4ミリという薄さでデザインもすばらしい。サイトによると、ソニーが使っているOEM工場で製造したとのこと。

20130909_写真_中国_小米_2


アプリや映画、テレビ番組などの動画を販売するプラットフォームの座をめぐって、中国では今、テレビが新たな戦場となっている。Xiaomiと同じく異業種からテレビを販売したのが動画配信サイトの楽視網。40インチで1999元(約3万2400円、プラスコンテンツ利用料が年490元=7940円)というお値段だ。

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