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チベットで始まった新たな愛国主義教育キャンペーン、抗議のチベット人40人が警察と衝突(tonbani)

2013年10月03日

■ディルで中国国旗掲揚・政治教育に抗議、拘束者多数■


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ディルの街中を行進する部隊(日付不詳)。

10月1日付RFAなどのメディアは、9月28日(27日との情報もあり)、チベット自治区ナクチュ地区ディル県で愛国キャンペーンに抗議したチベット人40人が拘束されたと報じた。

9月10日からディル県一帯で当局による新たな愛国キャンペーンが始まった。このキャンペーンでは中国共産党に忠誠を示すことを強要されるだけでなく、各家と僧院に中国国旗を掲げなければならないとされた。

早朝に中国国旗を掲揚。夕方に降納(おろしてしまうこと)が求められたほか、国旗を丁寧に扱い損傷しないという責任も課された。守らない時には、「その家族の子供が学校に通うこともできず、病院にも行けず、冬虫夏草を採取することも禁止される」と脅されたという。

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県庁舎近くに集まったチベット人たち。

この強引で厳しいやり方に反発し、モワ郷ではチベット人が川に国旗を流し、役人や警官たちと3時間に渡り、石を投げ合うという衝突が起った。その後、部隊が出動し40人のチベット人が連行された。

これを知った村人約800人が県庁舎の前に押し掛け連行された40人の解放を要求し、その夜そのまま路上で座り(寝)込みを始めた。ある情報によれば、この後チベット自治区の高官が地区に来て、40人を解放したという。

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拘束者の解放を求めて集まったチベット人。路上に寝ている。

現在地区一帯に緊張が高まり、厳重な警戒態勢が敷かれ、チベット人の移動が禁止され、道路も閉鎖され、電話、ネットも遮断されているという。

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*本記事はブログ「チベットNOW@ルンタ」の2013年10月2日付記事を許可を得て転載したものです。


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