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「この戦いが終わったらオレ結婚するんだ」日本アニメのお約束を語る中国人オタク(百元)

2013年11月12日

■中国オタク内で認識されている、アニメの法則お約束■

死亡フラグが立ちました! (宝島社文庫) (宝島社文庫 C な 5-1)

ありがたいことに「中国オタク内ではアニメのお約束的なものはどんなものがよく知られているのでしょうか?」という質問をいただいておりますので、今回はそれについてを。

最近は中国オタクの間でもアニメのネタ要素やお約束的なものが話題になることが少なくありません。昔はスルーされていたような「アニメのお約束」に対して、最近はツッコミを入れたりネタにして楽しんだりするようにもなっているようです。

そんな訳で今回は中国のソッチ系のサイトで話題になっていた「アニメの法則、お約束」に関するやり取りを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


■中国人オタクの議論

アニメには色んな法則があると思うんだけど、それについて有名なのを教えてくれない?

死亡フラグの法則みたいなもん?

そうそう、あとは「三話の法則」とか。

三話の法則ってわりとよく聞くけど具体的にはどんな内容なの?私は「アニメは三話まで見てから評価するべき」という話だと思っているが、実はその根拠については知らなくて……

三話の法則ってのはアニメでは第三話前後で話が大きく動いたりするとされていることから来ているものだね。だからアニメの良し悪しを判断するには少なくとも三話まで見ろという話になっている。

アニメのお約束か……「学校の屋上は常に入ることができる」ってのはどう?俺の知る限り、そういう学校って珍しいと思う。以前日本人留学生に聞いても、安全上屋上を閉鎖している学校が多いという話だったから、無いわけではないようだが。

まだ時間に余裕があるときに必殺技や得意技を出した場合は、残りの時間を使って必殺技が破られたり敗北したりするシーンが描かれる。

窓際、そして後ろの方の席が主人公の座席となる。確かこれは校舎の外の景色や教室全体或いはそれを見る主人公を描写するのに便利だからというのが理由だっけ?

主人公は両親が仕事で不在という理由による実質的な一人暮らしが基本的な条件。よくあるのは家アリ両親出張で不在。オプションで妹か幼馴染付き。

父親は設定上のみの存在。主人公やヒロインの母親が出てくることはちょくちょくあるけど、父親がきちんと画面に出て来ることはかなり珍しいと思う。

髪を切る、髪型を変えるのは精神面が変化したことの表現になる。書いてから思ったが、これは法則じゃなく表現方法の一つか。

スカートは物理の法則に従わない。風に舞う時も有れば重力に逆らう時もある。

パンツ消失の法則。少なくない数のアニメにおいて、パンツの存在が確認できない。

バトル系の作品において最強の防御力を持つのは下半身の装備。中でもズボンやパンツは無敵に近い。

敵が巨大化したらその敵の負けがほぼ確定する。

幼馴染サブヒロインは敗北不可避の法則。幼馴染は、空から落ちて来るヒロインには勝てない、勝てないんだよ……!

サブヒロインが勝利して終わる作品の場合、そのサブヒロインは主人公の本命キャラでは無かったということがほとんど。

作品についてではないが……オタクをやっているとクラスメートが偽オタクに感じられる。そしてそこから優越感を覚えてしまうという法則はあると思うんだ。

聖なる光と霧と湯気は俺達の敵。

釘宮理恵のキャラはツンデレだけが記憶に残ってしまう法則。

ハーレム系主人公は転んだらヒロインの胸を揉まなければならない。

男の主人公には必ず「親友」的なポジションのキャラがいる。そしてそのキャラから周辺の不思議や女の子に関する情報が提供される。

着替え、シャワー、裸、トイレの時は「鍵がかかっていない」法則。

エロ関係は、主人公が暴力による制裁を受ければそこでペナルティは終わり。引きずることはない。
お色気アニメなのに、なぜかとても燃える曲が流れる。

ダメな作品ほどなぜか神曲が多い。

主人公はストーリーが進んでいる間は死なない。もちろん、最終盤の展開やエンディングに関してはその限りではない。

ハーレム系作品の主人公は都合の良いタイミングで耳が聞こえなくなる。

主人公の大ダメージの表現は、腕がぶった切られる或いは使用不能なほどの傷を受けるという表現が多い。

アニメのキャラは季節の変化は感じるが、年齢の変化は感じない。

「故郷に帰って結婚するんだ」は言ってはいけないセリフ。

とまぁ、こんな感じで。


■「オタク空気」の研究

最近は中国オタクの間でもイロイロとアニメのお約束をネタにする、或いはそういったネタを踏まえたパロディに関してツッコミを入れるような楽しみ方が出ているようです。

最近中国オタクの間で人気になったり話題になったりした作品の中にはネタアニメや楽屋落ち的なネタもちょくちょくあります。中には本編そっちのけでネタだけが一人歩きしてしまったり、ネタ要素が有名になったことにより埋もれていた作品が再発見されるようなこともありますね。

これについては中国オタク内でアニメに関する知識や情報が蓄積されるようになったのと、作品にツッコミを入れたりネタにして楽しむことのできる空気のある場所が形成されるようになってきたのが大きいという話も聞きます。そういった反応を見ると、なんだかんだで中国におけるアニメの楽しみ方も変化しているのだと実感しますね。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

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*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2013年10月15日付記事を、許可を得て転載したものです。

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