• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

これが日本のソフトパワーだ!ちょっと怪しげな日本ダイエット商法が中国本土でブレイク

2014年03月10日

■これが日本のソフトパワーだ!ちょっと怪しげな日本ダイエット商法が中国本土でブレイク■

20140310_写真_中国_フルーツ酵素_
*中国ネットモール大手タオバオで販売されている酵素製品。

「中国で、日本製品の信頼が高すぎるあまり、プラスチック製のゴミバケツが万病を治す魔法の容器として売られていたでござる」というネットニュースがありました。

が、このネットニュース、意識的か無意識かわかりませんが、大事なキーワードを抜かして書いているのです。そのキーワードとは「フルーツ酵素」。怪しげなダイエット情報で日中がつながる、夢の21世紀的状況についてちょろりと解説します。


■中国人はゴミ箱を魔法の容器扱いしている?!


「日本製」の信頼、ありえなさすぎ・・・プラスチック容器すら「万病治す」で詐欺まがい=中国版ツイッター
サーチナ、2014年3月8日

中国最大のネットショッピングモール「タオバオワン」などで日本製のプラスチック容器が“万病を治す魔法の容器”として販売されているという。

同容器は白いプラスチック製で、表面に「生き生きペール」と書かれたシールが張られている。ネットショップでは「心臓病、糖尿病、脳血栓、高血圧やがんに効く」として販売されているようだが、プラスチック製の容器によって病気が治るとは通常ではあり得ない。

記者が調査したところ、同容器は日本製であることは間違いないものの、ゴミ箱などとして使用される普通の容器であることが分かったという。

中国の簡易投稿サイト・微博でも“万病を治す魔法の容器”を巡る騒動について伝えられ、毎日経済新聞は現代金報の記事を引用し、「浙江省では多くの中年女性が、日本直輸入の“酵素桶”だと聞いて550元(約9300円)で購入した」ことを伝えている。 

なんかぱっと見、「日本製ゴミ箱を持っていると万病が治るぞ~」と思われていたような書き方ですが、そんな話ではありません。実は「酵素桶」というのがポイント。日本でも人気、そして中国でもブレイクしてしまった「フルーツ酵素」を作るための容器であり、フルーツ酵素が美容と健康にいいよねという話が広まっているだけという話なのです。その意味では日本と中国にあまり差はありません。

ちなみに問題の商品は有限会社エコットの「「不思議なバケツ」いきいきペール」。なんとプラスチックに特殊酵素を混入し、腐敗の原因となる酸化を防止。生ゴミを入れてもまったく臭いがしない不思議なポリバケツだそうです。サイトを見る限りなかなか香ばしい臭いがぷんぷんなわけですが、ともかく「すごい」製品なわけで、中国で3倍の値段で売られていてもそんなに不思議な気はしません。日本でも個人輸入してネットで転売とかやるとき、3倍程度の値段はそんなに珍しくないのではないでしょうか。

というわけで魔法の容器そのものはたいした話ではありません。むしろ不思議なのは上記サーチナ記事がなぜフルーツ酵素という言葉を使わなかったのかという点。

参照元の現代金報の記事
にはちゃんと「水果酵素」(フルーツ酵素)という単語ものっているんですが……。たんなる見落としなのか、それともフルーツ酵素という単語を載せるとクレームが殺到するからやめようとか大人の判断なのかが気になります。


■フルーツ酵素、中国本土の大地に立つ

というわけで、このネタの正しい楽しみ方は「おいおい、中国でもフルーツ酵素そんなに流行っているのかよ?!」という驚きではないでしょうか。もちろん全国民が熱狂するというブームではないわけですが、検索ヒット件数460万件。酵素解説記事は数知れず。ついでに「フルーツ酵素神話を暴く」「自作フルーツ酵素でダイエットと健康?果物だけじゃなく健康まで台無しにしないようご用心」という批判記事も書かれている程度には流行っているようです。

ついでにネットショップをのぞくと、フルーツ酵素用容器も山のように売られていますし、中国独自ブランドのフルーツ酵素も大量に販売されています。中には「おばあちゃんの手作りフルーツ酵素」的な、手作り品を空のペットボトルに入れて送りつけるという究極の商品も。

これほど流行っていたとはちょっと驚きです。いや、一応ブームの気配は感じてはいました。台湾のバラエティ番組に日本人モデルが出演して「いつもこれを飲んでるんです」とか言っていたり、中国版の日系女性誌を読んだ中国人女子に「酵素を買って送れ!今すぐ!」とか心温まる連絡をいただいたりという経験を通じて、です。


■通販番組で炸裂する日本の権威と日系女性誌の威力

日本の通販番組を見ていると、「ドイツ生まれの……」「NASAも採用した……」とか外国の権威を利用したステキ商品が結構販売されているわけですが、中国も状況は同じ。違うのは「日本の科学力が生み出した……」というカテゴリーもあるわけで。その意味では日本生まれのブームが中国に上陸する土壌は十分に存在したわけです。

しかも中国の女性誌市場では日系がかなりの勢力を誇っています。その中でモデルさん一押しのアイテムが紹介されていることも多いわけです。さらに台湾、香港では日本の芸能情報はまだまだプレゼンスを保っているので、台湾、香港経由で中国本土に上陸するというルートもあります。というわけで日本発のダイエット商品上陸の下地は整っていたのではないか、と。

ダイエット・健康グッズを日本できっちり仕掛けてヒットさせれば、中華圏でもそれなりの市場を作れるとなると、企画屋さんの励みになるかもしれませんが、効果に疑問符がつけられている品物が「日本のモデルさんたちがみんな使っとるけん、間違いない!」的に中国で広まっているのをみるとなんだか微妙な気分が……。

ともあれ日中対立とか言っておきながらも、美容やダイエットに関するブームはそんな障害を軽々と乗り越えて大陸に渡っているわけで、一衣帯水的日中の深いつながりを感じずにはいられません。でも1本5000円の酵素を買って郵送せよという指令は勘弁して欲しい。そんな複雑な思いを感じたフルーツ酵素ネタでございました。

関連記事:
「日本企業を信頼していたのに裏切られた」大げさすぎる味千ラーメン・バッシングを読む―北京文芸日記
納豆ってどうやったら食えるの?加熱がいいの?中国人オタクの議論(百元)
「日本のお風呂って人が入った後にお湯換えないの?!汚くない?」中国人オタクの驚き(百元)
宮崎駿監督がトンデモないCMに登場=海外有名人の写真を勝手に使いまくる中国の広告
ラサの街並みをニセモノの“歴史ある街並み”に作り替える再開発=チベット人作家が支援訴え(tonbani)


トップページへ

コメント欄を開く

ページのトップへ