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中国政府が14年ぶりに「家庭用ゲーム機販売禁止令」を解禁、中国人オタクの反応は?(百元)

2014年08月12日

■中国オタク「14年ぶりに我が国でゲーム機販売解禁!で、実際どう?」■

今年になってから、中国では「ゲーム機禁止令」が解除されゲーム機の販売が可能になったそうですが、ありがたいことにこの件に関して「中国オタクの反応は?」という質問をいただいております。

そんな訳で今回は中国のソッチ系のサイトで行われていた「ゲーム機禁止令解除」に関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。

Xbox One (5C5-00019)

14年にわたったゲーム機禁止令がついに解かれ、我が国でゲーム機販売解禁!で、実際どう?

この禁令によって、本来いたはずだったゲーム機愛好家がどれくらい減ってしまったのだろうか?ウチの国でネトゲだけが流行っている現状の理由の一つはこの禁止令なのだろうか?

いや、それは海賊版とウチの国の低い所得のせいじゃないの?
ネトゲでしか稼げない状態だったのが原因だと思うが。


一応ゲーマーとしては良いニュースなんだけど、どれくらいの効果があるかと言われると……今更の話にも思えてしまうな。

ウチの国で家庭用ゲーム機が流行らなかったのは、当時の中国が貧しかったからだという話もあるが……今はどうなんだろうなぁ

このニュースには私も驚いたよ。
驚いたのは「中国で実はゲーム機が禁止されていた」ということについてだったけどね!


禁止されてはいても、手に入らないわけじゃなかったしね。遊びたいヤツはちょっと頑張れば手に入ったし。
正規ルートが出ると非正規な方が潰されてしまう可能性があるし、ゲーム内容の審査なんかもありそうだから私は少々不安だ。期待できそうなのはオンライン要素が快適に遊べそうになるとかくらいか?

以前からウチの国である程度の大きさの都市ならどこでもゲーム機販売の専門店があったからね。北京の鼓楼のゲームショップ街とか、最盛期には通りのほとんどの店、数十店舗が並んでいたよな。

海賊版売りやハードの改造で稼いでいたと思われる店が多かったけど、中には趣味の延長で店やっているような所もあったな。鼓楼には昔、マークⅢ以降の歴代のセガハードを全部売っているんだか展示しているんだかな店とかもあった。メガドラ、サターン、DC以外のセガハードの実物を見れたのは当時あそこだけだったかもしれん。

今考えてみれば、ああいう所で売っていたのってほとんどが非正規ルートで入っていたものだったんだろうな。

それにしてもゲーム機禁止の法律ってどういう意図のものだったの?アニメみたいに国産コンテンツ保護とか?

ゲーム機で堕落するからとかじゃね?

ゲームセンター関係の規制と一緒に行われたものだったような……あと、賭博用のゲーム機が入ってきてしまって、それを禁止する際に全て禁止しちゃったとか言う話もあったかな?
とりあえず「若者への悪影響」という方向からの規制だったはず。

一応、2003年にPS2が国内で出たことはあるね。当時ニュースにもなっていた。当時の値段は1988元だった。しかし、他の国だと当時の人民元の価格で1400元程度で売られていたので誰も買わなかった。

中国版PS2は非正規ルートで入ってきたのに比べてかなり高かったし、中国語化されたゲームも10本程度しかなく、更に海賊版も遊べるように改造することができない(技術的には可能だったらしいけど、海賊版チップ業者が対応しなかったとか)ときたから、本当に売れなかったらしいな。

中国版PS2が売れなかったのは10年前の話だし、現在はかなり状況が変わっているがどうなんだろう?ゲームソフトに関しては繁体字版が結構出ているし、ウチの国の人間が遊ぶゲームが無いってことにはならないような気もするが……

ソフトはレーティングと中国政府の内容審査の問題もあるだろうから、あんまり期待できない気もするけどね。

中国国内で正規に発売されたゲーム機、PS2以外だと任天堂のDSをウチの国の国内向けにした「ique神遊」かな。こっちは「学習機」という名目だったが、それなりに出回っていた覚えが。

それなりに流行ったのは「iQue神游DS Lite」の方じゃなかったっけ。DSの方は当時ウチの国のゲーマーにとっては玩具にしか見えなかったし、PSPが「ゲームも遊べる音楽とアニメの再生端末」として大人気な頃だったのもまずかった。

でも、ウチの国のどの層が買うんだろう?
子供の勉強のためならともかく、中国の親は子供にゲーム機買ってくれない。ウチの国の子供は「勉強にも使えるハード」でゲームを遊ぶのがお約束だ。PCだって結局は「勉強にも使える」から買ってもらえる。昔パチモンのファミコンが流行った時も「学習機」という名目にしていたし。

あと学生は金額もそうだが、ウチの国の大学生って基本的に寮住まいだからテレビの確保が結構厳しいね。学校によっては夜に電気使えないし。

そういや俺もテレビ持ってないわ。ノートPCだからディスプレイも独立していないし。
それにテレビを置くスペースも厳しいかな……


最近の高解像度のゲームを遊ぶならでかいテレビかディスプレイが欲しい所だが、大学生にとっては結構キツイよね。値段も、置く場所も。かと言って社会人だと時間が無い。

ウチの国のゲームを遊ぶ人間のほとんどが収入の無い学生で、保護者は子供がゲームを遊ぶことに反対する。

ゲームを遊ぶ人間の状況も変わったしね。最近はPCでゲーム遊ぶ人ですら少ないでしょ。PCはネットゲームの端末、あとは携帯というのがほとんどだし。

あと、ウチの国だとマニアなゲーマーほどお金使わないんじゃないか?DLCに一番抵抗というか反発している層でもあるし。

逆に携帯ゲーのユーザーは一部がかなり金使うからねぇ。ライト層向きのゲームならともかく、ゲーマー向けのゲームがどうなるか……

ウチの国では「金を払ってゲーム機を買う、正規版のゲームを買うのがバカ」という考えが根強いのが厄介だ。携帯ゲーとかの「無料ゲーム」の課金に毎月数百元つぎ込むのは許容されているってのに。

ウチの国の社会のゲーム機に対する考えに大きな変化が無いから、経済的に発展したと言ってもまだまだゲーム機の普及は難しいと思う。ほとんどの人はゲームも遊べる「実用的」なPCやスマホを買いたがる。

金額の問題じゃなくて考え方の問題だというのには私も同意だ。
ウチの国ではFree-to-Playじゃないとダメなんじゃないかな。先に遊ばせてから金を払わせるようにしないと。家庭用ゲーム機にはそういうのが無い。

ネトゲほどではないけど、あるよ。
エースコンバットとかも今はF2Pになっちゃっているし、格闘ゲームもそういうのが多い。問題はゲームしかでき無いように見えるハードをそれなりの金を出して買うかどうかだと思う。

中国のゲーマーの多くが学生だし、ほとんどはお金無いからね。しかも日本や欧米と違ってウチの国では学生の出来る良いバイトってのもなかなか無い。

私はゲームに数万元使っているけど、ゲーム機を買おうと思ったことが無い。ゲーム機に関する習慣がウチの国にはほとんど無いから、このゲーム機禁止令解除も大した効果はないんじゃないかと感じる。10年後にどうなっているかは分からないけどね。

私の場合は「高いゲーム機買って更にソフトに安くない金額を使わなければならない」というのが家庭用ゲーム機を受け入れられない理由だ。買えないことは無いけど、PCやスマホでいいじゃないかと思ってしまう。

これによって何か面白いことが起これば……とは思うけど、自分から進んで突っ込んでいく気にはならないかな。私の場合、消極的に期待する程度だろうか。

とまぁ、こんな感じで。


■禁令解除でも何も変わらない

ゲーム機に関しては、「大きな変化は無いだろう」「大人気になることは期待できないだろう」といった見方の人が多いようでした。

現在中国ではスマホのゲームに結構な金額を使う、課金するというのは珍しい話ではなくなってきていますし、昔とは違ってゲームにお金を使うというのが金額の問題ではなくなっている面は確かにあるようです。私の知り合いの中国オタクの中にも課金で日本円にして10万円以上使っているような人が普通にいますしね。

ただ、上のやり取りにもあるように家庭用ゲーム機に関する社会的なイメージや遊び方、更にはコミュニティなどがイマイチだという面もあります。そういった背景もあってか、中国オタクの間でも家庭用ゲーム機に関してどうしても難しくなってしまう、大人気になるイメージが浮かばないといったことになってしまうようです。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

■百元籠羊さんの連載がダ・ヴィンチニュース「アニメ部」で始まりました

第一回:『進撃の巨人』や『黒子のバスケ』も! あの中国でアニメの公式配信が拡大している要因とは? 
第二回:中国のオタクイベントはコスプレが必須!? コスプレから発展した中国オタク事情

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*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2014年7月8日付記事を、許可を得て転載したものです。

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