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日本閣僚の靖国神社参拝に中国外交部がコメント、ひねくれた“関係改善の打診”メッセージを深読みしてみた

2014年08月16日

日本閣僚の靖国神社参拝、安倍晋三首相による玉串料奉納を受けて中国外交部がコメントを発表しています。

基本的に日本を批判する内容ではありますが、昨年のコメントと比較すると微妙な変化がうかがえるとブログ「中国という隣人」が指摘しています。

Yasukuni shrine / 靖国神社拝殿
Yasukuni shrine / 靖国神社拝殿 / Dakiny

中国外交部報道官・華春瑩、日本一部閣僚の靖国神社参拝について記者の質問に回答
2014年8月15日

二次大戦のA級戦犯を祭り侵略戦争を美化する靖国神社に日本閣僚が参拝したこと、また日本首脳が玉串料を奉納したことで、日本政府の歴史問題に対する誤った態度が再び明らかにされました。中国側は断固反対します。

靖国神社は日本軍国主義による対外侵略戦争の精神的ツールであり象徴です。靖国神社問題の実質、それは日本政府が正確に過去の侵略の歴史を認識できるか、アジアの被害国人民の感情を尊重できるか、これまで表明してきた歴史問題に対する態度と約束を遵守できるかという問題なのです。

日本が過去の侵略の歴史を正しく正視し深く反省し軍国主義との間に明確な境界線を引くこと。これだけが日中関係の健康的かつ安定的な発展の実現をもたらします。日本側が責任ある態度で関連する問題を妥当に解決するよう、実際の行動をもってアジアの隣国と国際社会の信頼を得るよう、私たちは再度真摯に促すものであります。



中国外交部報道官・洪磊、日本一部閣僚の靖国神社参拝について記者の質問に回答
2013年8月15日

日本閣僚が二次大戦のA級戦犯を祭り侵略戦争を美化する靖国神社に参拝したこと。これは歴史的正義と人類の良知に対する公然たる挑戦であり、中国などアジア被害国の人民の感情を深く傷つけるものとなりました。中国外交部の劉振民副部長は本日午前、木寺昌人駐中国日本大使に緊急に呼び出し、日本に対して厳正に交渉し、強い抗議と厳しい譴責を表明しました。

靖国神社問題は日本が軍国主義による海外への侵略の歴史を正確に認識し対峙できるかという問題、そして中国などアジアの被害国人民の感情を尊重できるかという問題に関わっています。日本政治家の靖国神社など歴史問題に対する態度は日中関係の政治的基盤です。日本首脳がいかなる形式、身分であれ靖国神社に参拝すること、それは軍国主義による侵略の歴史を否定し、二次大戦の結果と戦後国際秩序に挑戦しようとする意図にほかなりません。中国などアジア諸国と国際社会の断固たる反対と声を一つにしての譴責に必ずや向き合うこととなるでしょう。

もう一度申し上げたいと思いますが、日本は歴史を正視し歴史を鑑としなければなりません。そうして初めて未来と向き合えるのです。侵略の歴史を深く反省する態度と約束を日本が真摯に遵守すること、そして実際の行動によって国際社会の信頼を得ることを我々は促すものであります。さもなくば日本とアジアの隣国の関係に未来はないでしょう。

まずぱっと目につく違いは日本大使を呼び出して抗議しているかどうか。2013年は呼び出して抗議、2014年はコメントにはありまえんが電話での申し入れだけだったとのことです(読売新聞)。日本側は同じことをしているのにトーンダウンしているわけですが、日中関係改善を視野に入れた動きではないかと見られています。

そして細かい話ですが、今年のコメントには「軍国主義との間に明確な境界線を引く」との新たな一節が加えられています。「侵略戦争は日本軍国主義が引き起こしたもので、一般の日本国民は被害者。だから僕たちは友達になれるよ」が日中国交正常化の論理。ですが、中国的には右翼の権化的存在の安倍首相の高支持率が続き、日本世論調査での中国嫌い傾向が高まるなか、中国メディアには「日本社会全体が右翼化しているんじゃないの?」との指摘がぽつぽつ登場しています。ですからこのコメントは「軍国主義と今の日本は違うと明確に表明せよ」とのメッセージなのです。

ブログ「中国という隣人」は「日本がすでに軍国主義化していたら境界線など引きようがない。つまりこのコメントは、中国外交部的には今の日本は軍国主義ではないと認めたもの」と解釈。中国政治らしい、ひねくれた表現で関係改善の雰囲気を作っているのではないかと深読みしています。

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