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「拷問はやめよう」との公開書簡が「国家政権転覆扇動罪」に、思想改造という名の拷問も=中国人権派弁護士・高智晟

2014年08月19日

「拷問はやめましょう」と中国政府に手紙を出した「罪」、ただそれだけで思想改造という名の拷問を受け、拉致されて行方不明となり、3年間も独房に閉じ込められてろくに食事も与えられなかった……。

中国の高智晟氏の近況が伝えられました。刑期を終えて釈放されましたが、今なお当局の監視がつき、病院に行くことも禁じられている状態が続いています。


■妻が伝える高さんの今

高さんの現状については米人権団体「フリーダム・ナウ」が声明を発表。共同通信(MSN産経)が「中国で出所の高氏、拷問で「精神破壊」 歯抜け22キロ減、会話不能…妻は米に対中圧力要請」とのタイトルで報じています。

本稿では米国亡命中の高さんの妻、耿和さんのツイッターを紹介します。Lung-ta Project Japanさんが翻訳、紹介しています。

「高智晟に電話していたら、通話が切れた。もういちど掛け直して、私が『私たちどこまで話したかしら?』と聞いたら、高は『知らない』。私『どうして電話が切れたのかしら?』高『知らない』。私『ねえ、ちゃんと私の話を聞いているの? 耳が悪くなったの、頭が悪くなったの?』。電話は(高智晟氏が身を寄せている実家の)姉に渡され、お姉さんは言った。『彼は1人きりで5年間も独房に監禁されていたのよ、(1日に)マントウ1つと白菜スープ1碗だけで。どうか辛抱して、高智誠が話せるように回復するまで助けてあげて』」 

「別の部屋に移動した姉が言うには、『高智晟は歯が悪い。下あごの4~5本は非常にぐらぐらしていて肉に刺さったフォークのよう、上あごの2~3本もがたがたしていて、高智晟はただ手でちぎったマントウを丸呑みするしかできない。話し方も力なく、すかすか風が抜けるような音がして、以前の声色とは変わってしまった』。

Lung-ta Project Japanさんが紹介しているツイート以外にも耿さんはつぶやいています。

体力を失った夫を助けるためにはどんな食事がいいのでしょう?
回答ありがとうございます。粉ミルクを飲ませなきゃ。歯が悪くてもスープなら飲めるだろうからジューサーをすぐに買います。うちには大きな赤ちゃんができたようなものですね。

などなど。心底心配し、おろおろしている心境が伝えられていて胸が詰まります。


■思想改造という名の拷問

心も体もぼろぼろになるほど苛まれた高さん、いったいどんな罪を犯したのでしょうか?驚くべきことですが、基本的には「手紙を出した罪」なのです。

2004年から2005年にかけ、全国人民代表大会及び中央政府あてに法輪功信者への拷問をやめるよう公開書簡を発表。すると2006年に「国家政権転覆扇動罪」で起訴され、同年、懲役3年執行猶予5年の判決を受けました。、高さんは負けることなく2007年には米議会宛の公開書簡を発表。この後に拉致され50日に及ぶ監禁、思想改造という名の拷問を受けました。

どんな拷問を受けたのか。高さん自身の告白をブログ「思いつくまま」が翻訳、紹介しています。

王頭目が言い終わると、4本の電気警棒で私を殴り始めた。わたしは電撃されたところ、五臓六腑と体中の筋肉が自分で避けるように皮膚の下で急速に逃げるのを感じた。私は苦しくて床中を転げ回った。王頭目が私の生殖器を電撃し始めた時、私は彼に許しを請うた。私の懇願は大笑いと、より激しい虐待をもたらした。王頭目は4回私の生殖器を電撃した。電撃しながら、怒鳴り続けた。数時間後、私には懇願する力も、避ける力も残っていなかったが、頭脳だけは異常に醒めていた。電撃される時に私の体は激しく震え、震える四肢から水滴がはね飛ぶのをはっきりと感じられた。それは私が数時間の間に流した汗だった。このとき私はやっと「ちょっとしたらくるぶしまで水につかるぞ」の意味がわかった。

(…)このような拷問が三日目の午後まで続いた時、どこから来たのかわからない大きな力が湧いて、私は彼らを振り払い、天予と格格の名前を叫びながら、猛然と机にぶつかった。その時の私の子供の名を呼ぶ叫び声は、今思い返しても身の毛がよだつ。その叫び声は凄惨で聞き覚えのない声だった。しかし、自殺は成功しなかった。全能の神に感謝する。神が私を救ったのだ。私は確かに神が私を引き止めたことを感じた。机にぶつかって私の目から血が噴き出し、私は床に倒れた。少なくとも3人が私の体に座り、そのうちの一人は私の顔に座った。彼らは大笑いして、「死んでおれらの度肝を抜こうというのはネズミを見せて猫を脅すようなもんだ、こんなのは見慣れたもんさ」と言った。

監禁と拷問から一度は解放された高さんですが、2010年に再び当局に拉致され行方不明に。2011年になって規定違反で執行猶予が取り消されたことが明らかにされ、3年間服役しました。ずっと独房に入れられ、マントウ(中華蒸しパン)と白菜だけの粗末な食事しか与えられなかったとのこと。出所後の状況は上述のとおりです。


■暗黒中国は変われるのか?

拷問をやめるよう訴えたことで逆に拷問され、「国家政権転覆罪」にまで問われてしまった高さん。中国のもっとも暗黒な部分を象徴しています。

習近平政権は秋の四中全会で「法治」改革を打ち出すと予想されていますが、高さんの処遇に代表される暗黒っぷりは中国自身にとってもマイナスでしょう。実効的な改革に踏み出せるのか、注目されます。

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