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BBCも安倍談話を批判している!→中国メディアの誤訳でした……環球時報の「断章取義」的世界(高口)

2015年08月20日

山形浩生さんのブログエントリー「中国メディアの歪曲」について。

日本は「羊の皮を被ったオオカミ」・・・英メディアが日本政府を批判=中国メディア(サーチナ)によると、安倍談話についてBBCが日本を批判。「羊の皮を被ったオオカミ」だとまで書いているという。

BBCの原文をあたったら「オオカミの皮を被った羊」って書いてあるんですが……


というお話。

で、「だれかその「中国メディア」というのを見て、ホントにこんな捏造内容になってるのか見て欲しい気もする」と書いているので、調べてみました。

原文はこちら。「英媒批日本是披着羊皮的狼 真心道歉有多难?」(英メディアが日本を批判、日本は羊の皮を被ったオオカミだ=真実の謝罪はどれほど困難なのか?)(環球網、2015年8月16日)

というわけで、サーチナの誤訳ではなく、環球「網」の誤訳となります。ちなみになぜ「網」を強調したかというと紙面には掲載されていないウェブ版限定の記事だからです。紙版と比べると、チェックも甘ければ閲覧者数も少ないので、この違いは何気に重要だったり。

環球時報は人民日報社旗下の日刊紙で、商業紙としては発行部数最多。もともとは海外メディアの記事を翻訳、紹介する趣旨でしたが、御用知識人として名高い胡錫進編集長の社説に加え魅惑の愛国主義コラムによって、そっち方面の地位を確立します。かの孔子平和賞も環球時報コラムがきっかけで誕生しました。ちなみに宋文洲さんも環球時報コラムニストであります。

でですね、環球時報&環球網は常日頃から(意図的な)誤訳で、好き勝手に海外メディアの論調を作り上げているのか、というと実はそうでもないのです。得意技は「断章取義」、すなわち都合のいい部分だけを切り取って、自分たちに都合のいい論に見せかける、であります。

このBBCの記事にしても、最後の最後で全力の誤訳を披露していますが、それ以前のパートでは「なぜ日本の謝罪は記憶されづらいのか」「日本の謝罪は平均点以上」「中国政府にとっては日本が侵略的国家であるほうが都合が良い」といった部分をカットすることによって、あたかも日本批判記事のように見せかけるという手法を使っています。これがいつものパターンであって、語句そのものを正反対に訳すというのは通常ありえないやり方なのです。まあ恣意的な部分訳で文意を真反対にするということも許されない手法ではありますが。

他にも「日本メディアが安倍首相を批判!」→「日本の中国語メディアが出所でした」とか、「米メディアが**」→「個人サイトやんけ!」というパターンも。ちなみに本サイトもこれまでに何回か中国で「日本メディア」として紹介されています。まあウソではないんですが、「日本メディア」とだけ書くとNHKも本サイトも同等の存在に見えるというステキな世界になるのでした。

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コメント一覧

    • 1. 日本人
    • 2015年09月08日 00:29
    • たしかに スカイラインは羊の皮を被った狼と呼ばれてるよ。

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