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二重国籍を許さない中国の国籍法、それでも突破口を見つける中国人のトンチ(高口)

2016年09月19日

先日、日本在住の中国人ジャーナリストの方と、話題の蓮舫さん話をしていたところ、驚くような話を聞きました。

曰く、「日中国際結婚カップルが日本で出産すると、子どもは日本国籍しかもらえない。中国で出産すると、二重国籍になる」、と。

いったいどういうことなんでしょう?

*ご指摘いただき、記事を修正しました。




気になって中華人民共和国国籍法を読んでみると、そこには驚くべき条文がありました。

第三条:中華人民共和国は中国国民の二重国籍保有を認めない。

第四条:両親双方または一方が中国国民であり、本人(生まれてくる子どものこと)が中国で出生した場合、中国国籍を持つ。

第五条:両親双方または一方が中国国民であり、本人が外国で出生した場合、中国国籍を持つ。ただし両親双方または一方が中国国民で、かつ外国に「定居」しており、本人が出生時に外国籍を保有した場合、中国国籍を保有しない。


第三条の「二重国籍は認めない」は日本を含め多くの国にある規定ですが、中国の場合は他の条文なども会わせると、「赤ちゃんでも不可。さらに他の国の国籍を取得したら猶予期間なしに中国国籍消失という規定」になっているのが恐ろしいところ。ネットを検索すると、「息子は中国国籍ないんで里帰りできないんですけど!とほほ!」などという書き込みも。

で、第四条、第五条ですが、平たくいうと、「外国に「定居」している中国人が子どもを生んで、定住先の国籍がもらえる場合は中国国籍はあげません!」という内容です。この「定居」という中国語の意味が悩ましいのですが、「永住権、または長期滞在ビザ、またはそれに準じるもの」というあいまいな規定のようです。なお日本、英国など一部の国では永住権のみを定居の定義としているもよう。この辺は運用の問題なのでなかなかわからないところが。詳しい人いたら教えてください。


いくつか具体的なケースで考えてみましょう。

(1)日本の永住権を持つ中国人夫婦が日本(国籍付与は血統主義)で子どもを産む場合。日本国籍は取れないので、中国国籍ゲット。

(2)日本人と日本の永住権を持つ中国人の夫婦が日本で子どもを産む場合。中国国籍はありません!

(3)中国に住む日本人と中国人の夫婦が中国で子どもを産む場合は中国国籍ゲット。でも血統主義の日本では日本国籍も出るので二重国籍に。

(4)アメリカの永住権を持つ中国人夫婦がアメリカで子どもを産む場合。属地主義のアメリカでは問答無用で子どもにアメリカ国籍が出るので、中国国籍は取れず。

といった具合になるわけです。複雑~。国籍取得というと、属地主義(生まれた場所で決めるで)、血統主義(親の国籍で決めるで)というのがあるわけですが、中国は基本血統主義なのに、微妙に属地主義的条項を入れて子どもの二重国籍取得をなるべく制限しようとしているわけですね。いやはや、全然知りませんでした。日中国際結婚夫婦には常識の話なんでしょうか?

た・だ・し、よく報じられているので知っている人も多いんじゃないかと思うんですが、中国人のアメリカ出産旅行が大人気なわけですよ。子どもに二重国籍をあげたいという理由で。これって中国の国籍法違反なんじゃないかな?!と思ったんですが、そこは「上に政策あらば下に対策あり」の中国人、ナイスな言い訳を見つけていました。

あくまで“旅行”。旅行中にひょっこり生まれてしまっただけであって、米国に住み着いていたわけではない。だから子どもに中国国籍ください」というもの。こんな一休さんばりのトンチで厳格な国籍法を突破しちゃっていいのん?!と驚愕しましたが、今のところは中国当局も黙認しているそうです。すごすぎる。

*記事掲載後、いろいろ教えていただいたので適宜修正しました。


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