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エネルギー の記事

ビルマと中国の間に何が?突然のダム建設中止で揺れる両国関係―ミャンマー(ucci-h)

2011年10月11日

■ビルマと中国の間に何があったのだろうか?■

ビルマのテイン・セイン新政権が、「中国向けミトソン巨大発電ダム建設中止」という、驚くべき発表を9月末に行った。それから10日ほどたつが、いまだその余震は続いている。

ビルマ大統領の驚いたメッセージ(チェンマイUpdate、2011年10月3日)

中国は、もちろん怒るだろうが、意表をつかれたのか、国慶節や革命100年行事で忙しいからか、公式のクレームの声はまだ聞かれない。

birumaChina-flag

この発表は、改革派のテイン・セイン大統領の大きな賭けになるのかもしれない。つまり、中国という強い札を場に捨てて、より広いメリットを狙っているように見える。

狙いは、一般国民、ダム用地のあるカチン族とその軍隊、スーチー派、西側諸国、そしてアセアンである。改革というのは、血を流しても犠牲者を出しても遂行することだから、敵対しそうなのは、中国と、副大統領一派の守旧強硬派である。テイン・セインの期待が外れた場合は、政権の命取りになりかねない。

*当記事は10月10日付ブログ「チェンマイUpdate」の許可を得て転載したものです。

日本とロシアが油田開発で提携=中国に与えた衝撃―翻訳者のつぶやき

2011年06月22日

エネルギーをめぐる中国の失敗

まさに突然のニュースでありました。ロシア石油大手のロスネフチは先ごろ、オホーツク海のマガダン大陸棚や東シベリアの油田開発事業を行うよう日本企業に正式招請した、というニュースがメディアで報じられました。

これを受け、日本の資源エネルギー庁長官代行は16日、交渉先のロシアサンクトペテルブルクで、「開発に参加することを決定した」と表明しました。ロシア側は中国側に配慮したのか、その席上で「このことは中国向けパイプラインの原油に関する安全性に何ら影響を及ぼさない」と釈明しています。


Alaska pipeline / toffehoff

*image

*当記事はブログ「中国語翻訳者のつぶやき」の許可を得て転載したものです。

日本よりも中国のほうが深刻な電力不足=不足量は3000万キロワット―翻訳者のつぶやき

2011年05月26日

日本よりも深刻な中国の電力問題

現在、中国で話題となっているのが、今年3月から続く「电荒」、すなわち全国的な電力不足です。現時点では主に湖南省を中心とした中部、浙江省を中心とした沿海部で深刻化しています。特に浙江省では実に7年ぶりとなる深刻な事態だと国内メディアは報じています。


power up the sun / sun dazed


 国家電網(電力網)公司の帥軍慶・副総経理は23日の会議で、「今年はここ数年で電力需要が最も逼迫した1年になるだろう。電力不足の量は、これまで最も深刻だった2004年を上回るものになる」と警告しました。

*当記事はブログ「中国語翻訳者のつぶやき」の許可を得て転載したものです。

「中国式原発は日本よりも安全」原発推進路線を堅持する中国―翻訳者のつぶやき

2011年05月19日

原発推進の先頭に立とうとする中国

未だ収束の兆しさえ見えない福島原発の事故。これまで何回も取り上げてきましたが、中国政府も、日本の原発事故対応を注視しています。


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さて、最近の中国メディア報道では、中国原発を評価する論調が目立っています。「中国の原発では、福島原発のような事故は起きない」と強調しているのです。

*当記事はブログ「中国語翻訳者のつぶやき」の許可を得て転載したものです。

各地で電力不足が深刻化、一部地域では計画停電導入=計画経済的対策のつけ―中国

2011年04月29日

最近、中国各地で電力不足が深刻化している。浙江省、江西省、湖南省、重慶市、陝西省など各地で100万キロワットもの電力不足が生じ、一部地域では計画停電も導入された。「電荒」(電力不足)はさらに拡大する傾向を示しており、中国電力企業連合会(中電連)は、今回の「電荒」はいつもより早く、より早い範囲で広がり、不足量もさらに大きいものになると警告している。


停电的夜晚 / blackout night / livepine


4月28日、中電連は第1四半期の中国電力需給・経済運行情勢分析予測報告を発表。下記の電力不足は3000万キロワットに達すると予測した。福建省、あるいは安徽省の発電容量に匹敵するという。同日、国家発展改革委員会は「電力使用順序管理弁法」を公布。電力の優先供給を受ける6種のカテゴリーを指定。同時にエネルギー高消費企業など5種の重点制限ユーザーを指定した。同法は5月1日より施行される。

中国の電力不足、その背景には需要と供給双方の要因がある。2011年4月29日付慧聡電気網を主に参照した。

【中国コラム】エコのためには近代生活を捨てよ!住宅地への電力供給停止を中央政府がお叱り!の裏を読む

2010年12月05日

出来レースの電力不足批判?

いつからか忘れましたか、「『計画』は計画経済を想起させるから『規画』にします」 と呼称を変えていました。どういう効果があったのか定かではありません。

今年は第11期5カ年計画の最終年度です。


中共中央、『十一五』規画制定の提案(2005/10/18 新華網)



ここで、2010年には一人当たりのGDPを2000年の2倍にするという、前向きな目標と共に、省エネ対策として単位GDPあたりエネルギー消費を第15期(1997年から2002年)から20%削減するという、鳩山級の厳しい要求を明文化しています。

今読み返せばそんなのあったなくらいの記憶しかないのですが、今年はその最終年度にあたり、どう考えても間に合わないと焦りを感じた地方幹部が、自分の成績を上げるために工場への電力供給をストップさせるという荒業を使いました。

工場側も慣れたもので、自前の発電機を用意して操業停止することなく乗り切ったのですが、トラックやバスにも使われている軽油価格が大高騰し、昨今の物価上昇の先鞭となった、というのは別の話でした。

工場は何年も前から突然電力を止められることが何度かあり、予告無しだったり予告ありだったりするそうで、発電機で乗り切ることが出来ます。

しかし、地方政府の偉いさんには、住宅地への電力供給を止めさせたのもいたそうで、先月23日に国務院が「止めるな」と通知を出しています。


国務院弁公庁緊急通知「住宅地への電力供給を確保せよ」(2010/11/23 人民網)  


翌日、人民網にタレコミ用の掲示板を作ったところ、「山西は供給ストップが長期に渡り、学生はろうそく着けて宿題している」「山西河津市はこのごろしょっちゅう停電する。停電は省エネ目標のためだろうが、生活に悪い影響が出ている」など、各地からタレコミが殺到。


ネットで山西、山東、浙江省など電力供給カット報告(2010/11/24 人民網)

山西省の電力供給カットがエゲつない 政府は沈黙しないように(2010/11/25 人民網)

電力供給ストップにタレコミ 住民生活に影響(2010/11/25 人民網)

   
浙江、山東などで対策会議(2010/11/26 人民網)



人民日報のキャンペーンが功を奏し、沿岸部や河北、安徽などで住宅地への電力供給ストップが報告され、特に酷かった山西省は専門の部会を開いて対応を協議するしたそうです。


「電力供給ストップ」シリーズに ネットユーザー「すばらしい」(2010/11/26 人民網)

   
どうもこのキャンペーン、国務院通知と連動しており、党中央が唯一にして最大の世論であるネットを利用して地方政府に国務院通知を飲ませようとしているようです。

「庶民の声を反映し、世論の監督する作用を発揮させた。素晴らしい」と賞賛の声が挙がっております。

本文で使われている「很給力」はネットスラングで「凄い」という意味になるのですが、それを「人民日報が引用とはいえ使った、驚いた」と教えてくれたのをどこかで読んだのですが。朝日が「菅内閣支持率急下降杉ワロタ」とか見出しに使うようなもんでしょうか。


山西省で遭遇した数年来の電力不足(2010/11/26 人民網)

   
山西が狙い打ちにされております。

*当記事はブログ「中国という隣人」の許可を得て転載したものです。
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