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無実だけどブタ箱に、バングラデシュのムショ暮らし(田中)

2015年05月18日

電話がかかってきた。以前、知り合いの日本人の事務所で働いていた運転手からだ(以下、J)。こうして電話がかかってくるのはいつ以来だろう。その日本人の事務所はすでに撤退していたので、Jは別の仕事に就いているはずだ。

電話をとって近況を尋ねると「刑務所にいました」との返答。「え?刑務所?まさか?」とは思ったが、いろいろ話したいことがあるというので来てもらった。おおかた金の無心にやってくることは察しがついていたが、ひとまず保留。その後のやりとりが面白かったので、以下に書き留めておこう。

著名ジャーナリストが作り上げた中国の非実在犯罪組織「コクドー」について(高口)

2015年05月16日

一橋文哉『餃子の王将社長射殺事件』を読了。

その第6章に中国の驚くべき犯罪組織「コクドー」についての記述がありました。

・中国に4000万人近くいる「黒孩子」(戸籍のない子どもたち)を救済し、戸籍や仕事を与えてやろうとする地下組織。
・構成員は中国国内に約3000万人、海外を含めると4000万人弱。
・「黒孩子」を留学生や研修生として日本に送り込んだり、日本人と偽装結婚させて戸籍を獲得。
・一度死んだ動物の胎児が人間として生まれ変わる「超生」(国家の割当を超えた命)との観点から何をやっても平気だという考えに。
・中国市場を支配する日本企業を打倒するべく反日活動に従事。 

という内容。

みなさん、「コクドー」については初めて知ったと思いますが、これほどの巨大組織が反日活動をリードしていることに驚かれるのではないでしょうか。そしてもっと驚くべき事実があります。本書で解き明かしている、この「コクドー」という組織ですが、著者の勘違いで実際には存在しないのです。


 

ポストYoutuber時代の新サービス、日中韓のギフト課金型ライブ番組配信サービスをまとめてみた(高口)

2015年05月12日

■日本、中国、韓国のギフト課金型ライブ番組配信サービスの比較について

DeNAのSHOWROOMというサービスをご存知でしょうか。

・アイドルが主な放送者で、無料動画を生配信する。
・基本的な利用は無料だが、視聴者は有料のデジタルギフトをプレゼントすることができる。
・放送者は「**さんありがとう」とレスを返したり、要望に応えたりとリアルタイムの交流が特徴。
・受け取ったデジタルギフトは放送者の収入となる。デジタルギフトの総額に応じて放送者のレベルが上がったり、イベント出演権を獲得するなどのボーナスもある。

といった内容。「ニコニコ生放送」や「Youtuber」と何が違うの?と疑問を持つ人もいるかと思いますが、「録画ではなく生放送」「広告モデルや月額課金モデルではなく、基本無料、ごく一部の太客によるおひねりが収入源」という点が異なります。

それでですね、このギフト課金型ライブ番組配信サービスが日本、中国、韓国で同時に盛り上がりを見せているようなので簡単にまとめてみました。知り合いの中国人がはまっていて気になりだしたんですが、アプリを立ち上げると友達のおしゃべりが聞こえてくる感覚なんでしょうか。ここからポストYoutuber的なビジネスが生まれてくるのか興味津々ですが、おっさんには分からないことだらけなので間違いがあったら優しく教えてください。

事故多発の“問題機”、中国国産旅客機MA60がオーバーラン=設計ミスではとの声も―中国(高口)

2015年05月11日

2015年5月10日、福建省福州市の福州国際空港で、幸福航空のMA60(新舟60)型機が着陸時に滑走路を逸脱する事故が起きた。乗客7人が負傷。事故の影響で空港は5時間あまりにわたり閉鎖され、約80便に遅延などの影響がでた。主翼がねじれ、エンジンが草地にめりこんでいる衝撃的なネットに広がり話題となった。

MA60は中国国産のプロペラ旅客機。事故の多い“問題機”として知られる。中国では2000年に飛行許可を得ているが、米国・欧州の航空当局はいまだに認可していない。MA60の事故だが、最大の惨事となったのは2011年5月の事故。にはインドネシアのカイマナ空港で悪天候時に着陸を試みた際、滑走路手前の海に着水。乗員乗客27人全員が死亡する大事故を起こしている。

学歴詐称は虚栄心ゆえに、スパイ疑惑は否定=加藤嘉一インタビュー

2015年05月11日

国際コラムニスト・加藤嘉一さんをご存知でしょうか?

日本では「中国で一番有名な日本人」との肩書きで紹介され、テレビや雑誌で大活躍していた2012年、週刊文春で学歴詐称問題が報じられました。「合格していた東京大学を蹴って北京大学に留学した」という、中国人の自尊心をくすぐるエピソードが実はウソだったとの内容で、後に加藤さんご自身が疑惑を認めています。

さて加藤さんは現在、ジョンズホプキンス大学ポール・H・ニッツェ高等国際関係大学院(SAIS)にVisiting Scholarとして在籍していますが、同校の卒業生である馮兆音さんから加藤さんのインタビュー記事を寄稿していただきました。2014年10月16日に新浪網のコラムサイト「最熱点」に掲載された記事「独占対話加藤嘉一:日中関係については楽観も悲観もしていない」から、学歴詐称問題や米国での生活について発言した部分を抜粋、翻訳したものです。

なぜ詐称したのかについて心情を明かしているほか、「その他の疑惑」について初めてコメントしている点が注目されます。週刊文春記事では次のような中国大手メディア幹部の証言が引用されています。

「彼は中国によって育てられたと言っても過言ではない。2004年ごろ、中国共産党宣伝部と、胡錦濤傘下の共産主義青年団(共青団)を中心に、国内外の世論工作を目的とした“中国を高く評価する”外国人の育成計画が成立しました。加藤氏はそのテストケースと言ってよい存在です」

驚くべき話ですが、内容以上に驚いたのが加藤さんがこの点について一切コメントしなかったこと。反論しないというのは認めたということなのかと一部で話題になりました。今回のインタビューでは、「誇張や歪曲です」というきわめて短い言葉とはいえ、この問題に言及しています。

野党党首を襲撃、票の書き換え……選挙圧勝後に独裁化した与党―バングラデシュ(田中)

2015年05月07日

バングラデシュでは政治的な混乱が続いている。最大の火種は2014年1月の総選挙だ。不公正な選挙だとしてBNP(バングラデシュ民族主義党)など野党がボイコットした結果、与党アワミリーグが議席を占有し独裁化してしまったのだ。その後2014年は大きな政治混乱がなかったものの、2015年になってからふたたび政治闘争が始まってしまった。

総選挙後、野党グループは、オボロット(道路封鎖)や、ホルタル(ゼネスト)と呼ばれるバングラデシュ特有の抗議活動が展開。終わりの見えない抗争が続いていた。オボロットやホルタルが宣言されると、一般市民の経済活動にも多大な迷惑を被る。なぜなら、街中で火炎瓶などが往来の車に投げられたりすることからである。安倍首相の訪問で注目度が上がり、投資先として有望視されて来たところなのに、自分自身で冷や水を浴びせてしまった。

禁酒・禁煙する奴はイスラム原理主義、中国政府が新疆で宣伝活動(高口)

2015年05月01日

「禁煙したやつはイスラム原理主義」 AFP通信が新疆ウイグル自治区カシュガル地区ヤルカンド県艾里西湖鎮での、中国政府による宣伝工作を伝えています(RFA中国語版)。

同地では2014年7月28日に大規模な殺傷事件が起きています。中国当局の発表によると、刃物を持った暴徒が派出所や政府庁舎を襲撃、市民37人が殺害された。警察の反撃により暴徒59人が死亡したとのこと。一方、世界ウイグル会議は、ウイグル人が女性のヒジャブ着用摘発に抗議したところ、当局が暴力的に鎮圧した、2000人超が殺害される虐殺だったと主張しています。

「スラムダンク」違法配信のサイトに罰金命令、日本アニメ海賊版裁判で初の勝訴―中国(高口)

2015年04月30日

■中国動画配信業界で初となる日本アニメ版権裁判で勝訴判決■

先日、星海社のジセダイ総研に記事「ネット配信で復活した日本アニメ@中国、突発的政策変更というチャイナリスクで壊滅の危機」を寄稿しました。中国市場における日本アニメの盛衰から近年の正規配信ブーム、そして政府規制まで論点盛りだくさんでお送りしています。

その中で中国企業に正規配信の権利を提供するメリットとしてお金をいただけるだけではなく、中国企業が海賊版を叩いてくれるというお話も書きました。その実例となる話ですので、4月27日付新浪網の報道をざっくりご紹介。

外国人差別でミシュラン寿司店が炎上?!日本には“建て前力”が不足している(高口)

2015年04月29日

ミシュラン2つ星の名店が外国人を差別したという話が話題となっている。


■騒ぎの概要:外国人差別化、それともやむをえない対応か

日刊ゲンダイ|差別? 予約拒否された外国人が憤るミシュラン寿司店の対応

 今月8日、莫氏の秘書(日本人女性)が「水谷」に電話をし、5月12日に4人で訪れたいと伝えたところ、「空いています」との返事だった。ところが、連絡先や氏名を伝えると、「えっ、海外の方ですか?」と聞かれ、日本在住であることを伝えても、「日本人は同行しますか」「調整が必要です」の一点張り。莫氏本人が電話を代わり、4人とも中国人で、しかし自分は来日30年でジャーナリストとして仕事をしていること、今回の食事が莫氏側の招待であること、招待客の1人は日本に留学経験があり、日本の政官界とも仕事をしている社長であることなど、本来なら伝える必要のない個人情報まで明らかにしても、「調整が必要です」とハッキリしない態度だったという。


中国で人気の日本アニメ正規配信、チャイナリスクで壊滅の危機(高口)

2015年04月17日

星海社ジセダイ総研に記事「ネット配信で復活した日本アニメ@中国、突発的政策変更というチャイナリスクで壊滅の危機」を寄稿しました。

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今年4月に進撃の巨人やデスノートなど日本アニメ数十作品がブラックリスト入りし公式配信ができなくなったこと。さらにそれ以上の危機であるネット配信ドラマの事前検閲導入問題を取り上げました。また背景として中国市場における日本アニメの歴史を簡単にまとめています。

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