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中国の秘密メディア:中国人の囁き―英エコノミスト誌(JBpress)

2010年07月14日

中国共産党の内部機密資料「内部参考」に関する記事。
最近漏れてきた国営通信社、新華社の夏林副編集長の講演内容からは、近年、報道統制がいくらか緩くなったとはいえ、指導者たちがいまだに新華社の記者による秘密報告に大きく依存していることがうかがえる。

(…)

中国の指導部がようやく報道機関に対してSARSについて自由な報道を認めたのは、4月20日のことだった。しかし、一般向けの公開報道の数が飛躍的に増加する一方で、新華社の内参の報道も急増した。4月1日から7月10日にかけて、新華社は2700本以上のSARS関連の公開記事を中国語で配信する一方、機密記事を1000本以上配信し、6時間分を超える機密映像も流した。 (英エコノミスト誌 2010年6月19日号)(中国の秘密メディア:中国人の囁き  JBpress(日本ビジネスプレス))
厳しい検閲が行われている中国。政治的に「敏感」な話題については実情が隠されていることが多いが、では政治指導者らはどのようにして実情を把握しているのだろうか。そのルートの一つが政治指導者だけに読むことが許された、「内参」と呼ばれる情報誌。『内部参考』以外にも複数の種類が存在し、一般メディアには報道が禁じられているニュースが掲載される。

しかし機密情報とはいいつつも、すでに公開の動きも始まっているという(新華社系の内部情報「参考消息」、「公開」の歩み―中国:Recordchina)。中国の古本販売サイト・孔夫子で検索しても大量にヒットするので、簡単に購入することができてしまう。もちろん中央政府高官限定の「内参」を入手することは難しいだろうが。

考えて見れば、13億人の国では、政治指導者も膨大な数が存在する。地方官僚までも読むことができる「内参」は発行部数も膨大な数に上り、あちこちで流出しているのだろう。こうした機密情報の漏れ方からも、中国を統治する難しさがにじみでているようで興味深い。

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