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<追記>検閲ソフト義務づけ、中国メディアの反応

2009年06月10日

 前回のエントリー「保護者は大喜び?!中国政府、PCに検閲ソフト搭載義務づけ」に「(中国メディアは)当然ながら検閲問題にはまったく触れていません」と書きました。

 その後、友人からレコードチャイナの続報

 新京報:「有害サイトへのアクセス制限は大切。しかし、強制的に国が行うというのはどうか」
 中国青年報:「どの法律がソフトの搭載を強制化する権利を与えたのか」

 とあるが、どうなんだ?との質問をいただきました。というわけで、追加記事として中国メディアの反応を書きます。

 新京報のタイトルは「安装“緑垻”,既言“探索”更須慎重」(緑垻のインストールは「試行」といっても慎重にするべき」。批判のポイントは3点。1、実質的な効果はあるのか? 2・フィルタリングの対象サイトを決定するデータベースは誰が構築するのか?政府、それとも企業?その場合、どうして対象とされたのかを知る透明性は担保されるのか? 3・同ソフトが市場の独占にあたるのではないか?

 中国青年報のタイトルは「預装過濾軟件的“家長制”善意」(フィルタリングソフトの慈善インストールは「家父長制的」善意だ」。批判のポイントは2つ。1・政府が大金を投じて同ソフトを導入する経緯は透明化されているのか? 2・所轄の工業情報化部にフィルタリングソフトインストールを義務化する法的根拠はあるのか。

 両紙は「政府によるアダルトサイト、暴力サイト取り締まりには反対しない」「フィルタリングソフトの導入に反対するものではない」と述べており、政府による検閲そのものに反対はしていません。もちろん諸手を挙げて賛成ではなく、側面から懸念を表明しているというところでしょうか。

 さて興味深いのは所轄の工業情報化部関係者が「国際的なルールに則ったもの」と発言していること。確かに日本でもフィルタリングソフトの導入や未成年携帯フィルタリングはかなり普及しています。中国青年報は「米国ではフィルタリングが普及していてもソフトのインストール義務化はない」と指摘していますが、日本の携帯フィルタリングはかなり強制に近いものかもしれません。

 こうやってニュースを追っていくと、中国政府当局の発表の稚拙さが余計な不安を巻き起こしているのを感じます。今春に話題となった「ソースコード強制開示問題」と同じで、お上が主張すればみなは唯々諾々と従うものという思い込みが問題を広げているのではないでしょうか。


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