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北京五輪の「後遺症」=姚明と劉翔、怪我に苦しむ中国スポーツ界の二大スター

2009年06月27日

 中国国民の夢であった北京五輪。国・地域別金メダル獲得数で米国を抜くという快挙をなしとげ国中がお祭り騒ぎとなった一方で、大きな代価を支払うことになった選手も存在します。姚明と劉翔、中国スポーツ界が誇る二大スターが今、「五輪の後遺症」に苦しめられています。

 雑誌「フォーブス」中国版が発表する「中国セレブランキング」で、姚明は6年連続の首位。劉翔は今年こそ5位に転落しましたが、2007年・2008年は姚明に続く2位でした。まさにこの二人は誰も認める中国スポーツ界の二大スターです。

 ヒューストン・ロケッツで活躍する姚明はNBAでもトップクラスのセンター。しかし最近は怪我がちで思うように実力を発揮できていません。昨年は北京五輪を控えた時期に大怪我、どうにか五輪には間に合わせたものの、中国代表は8位という期待を裏切る結果に終わりました。その後迎えたNBAの2008-2009シーズンではプレーオフには出場したものの、優勝したロサンゼルス・レイカーズとの試合の最中に足首を亀裂骨折し、無念のシーズン終了となりました。6月24日、検査が実施されましたが回復は遅れているとのことで、新シーズンに間に合わない可能性も浮上しています。

 度重なる怪我の背景にはNBAと代表をかけもちした疲労があると言われており、姚明自身も「若手にチャンスを与えるべき」と代表引退を示唆しています。しかし若手中心の代表が日本に敗れるなど中国代表の姚明頼みは変わらない状態。引退が許されるとは考えがたい状況です。

 一方の劉翔。アテネ五輪110メートルハードルの金メダリストで、2006年には世界記録も樹立したスター選手です(記録は2008年、キューバのダイロン・ロブレスに破られました)。しかし北京五輪では一次予選のスタート前に棄権、中国国民の批判を浴びました。問題となったアキレス腱の怪我は古傷でとても試合に出場できる状態ではなかったとも言われていますが、自国開催の五輪という舞台を下りることを許されなかったと伝えられています。

 その劉翔は23日に回復状態の検査を受けました。しかし検査を担当した医師は「幹部の承認を得てからでなければ結果は公表できない」と堅く口を閉ざしました。結果は30日に公表されることになっていますが、世界を驚かせた「アジアの昇り龍」が再び復活できるのか、注目を集めています。


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