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物価は上がるけどインフレじゃない?!おなじみの言い訳フレーズが帰ってきた!―中国

2010年06月10日

リーマンショックで一時期、忘れられていた(ことになっていた)物価上昇問題が中国に帰ってきた!

広汽ホンダのストライキにしても、その根本にあるのは物価上昇。「物価は上がるのに給料が上がらなかったら、実質貧しくなってしまう」という恐れは、中国のかなり多くの人々に共有されている感覚でしょう。しかし労働コストを上げればインフレはさらに本格化する可能性もあるし、人民元レートを切り上げれば輸出が鈍るし、産業構造転換をすれば倒産と失業が増えるしとかなり動きが取りづらい状態。

下で紹介する記事でも「2007年に似ている」とありますが、確かに「あの時の状況が戻ってきたなぁ」というイメージ。ただユーロ危機など世界経済に不安要因が残っている分、もっと厳しい状況になっているんじゃないのかなぁ。

中国社会科学院は今年の消費者物価指数(CPI)が3%を突破するとの見通しを示した。ただし決してインフレになったわけではなく、金融引き締めによる対策は不可能だとも分析した。情勢の変化を受け、マーケットは第2四半期以降、政策変化に敏感に反応する時期に突入すると予測した。

8日、2010年「金融青書」が発表された。長期にわたり価格低迷が続いていた資源製品の価格調整が年内は続くと分析、CPIを引き上げるという。また農作物価格も物価上昇の重要な要因になるという。4月のCPIは2.8%の上昇。農作物価格が主要要因となった。

一方で青書編纂者らは現在のCPI上昇は農作物、資源価格のみが影響したもので、インフレではないと強調。単純な金融引き締めではCPIの上昇は防げず、それどころかさまざまなマイナス効果が予想されると指摘した。

2004年以来の経験から見て、預金利率を引き上げても、物価上昇率を預金利率が下回るという状況は変えらない。それどころか企業及び農家の資金調達コストを引き上げ、資源価格と農作物価格をさらに引き上げる結果になると警告している。ゆえに当局は経済運営と金融活動に負の影響を与えないよう、金融政策の転換を慎むべきと提言している。

こうした条件から年内はマクロ経済政策の枠組に大きな変化はないと青書は予想。経済のハードランディングをさけるため、政治指導者は比較的ソフトな調整を行うと分析した。しかし(状況の変化を受け)第2四半期以降、マーケットは敏感に政策に反応する時期に突入すると予想し、「2007年下半期とよく似ている」と分析した。

なお当局が選択可能な政策は、中央銀行の発行する通貨の供給量、供給回数の増加。預金準備率及び預金基準利率の引き上げ。銀行融資の窓口指導強化。違法な貸出の取り締まり強化と地方政府の融資及び担保などの管理強化などがあるという。
社科院:中国今年CPI料筯3% 但并非通货膨胀



どうでもいいことかもしれませんが、「農業製品だけが…」「エネルギー価格が…」「資源価格が…」という言い訳は常套句。2008年は「南部の大雪で…」と言い訳を続けた後に、「やっぱインフレだった」と発言を転換した(はず)。今回も同じ道をたどるのでしょうか。でもまあ、経済の影響を考えたら「引き締めだぁ」とは言いづらいんでしょうね。どんな対策も一長一短ありますが、一番有力なのは人民元切り上げな気もするのですが。どうなんでしょう?



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