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2010年07月25日
最下層の司法官僚にとって公開裁判は犯罪予備軍を震え上がらせる切り札。しかし、国家の司法機関及び法曹界は こうした「恥辱刑」に対して否定的な態度を取っている。1988年、最高人民法院、最高人民検察院、公安部は共同で規定を発表、死刑囚を含むあらゆる犯罪 者を「市中引き回し」に処すことを禁じている。もう10年以上も前のことですが、私も「市中引き回し」を目撃したことがあります。湖南省西部の田舎町ででした。多分、性風俗の女性だったと思いますが、首から看板を下げて広場に立たされていました。
しかし実際には今なお下層の司法官僚は抑止効果を持つ切り札として、公開裁判、「市中引き回し」を行っている。2010年7月14日、湖南省婁底市のサッカースタジアムでは6000人近い観衆を集めた公開裁判が行われた。
「容疑者を舞台に」と司会者がマイクで宣言すると、窃盗の容疑者32人、有罪判決を受けた20人がスタンドに並べられた。髪の毛を剃られ黄色い服を着せられて いるほか、手錠と麻縄で拘束されている。首には大きな木の板がかけられ「犯罪容疑者・某」と書いてあった。このスタジアムで開催される公開裁判は2009 年4月以来3回目となる。テーマは「周辺環境の浄化」だという。
容疑者の妻である肖さんにとってはなんともつらい1日となった。一人っ子政策違反の罰金などで5~6万元(約65~78万円)の借金ができたため、夫は金になる事を探してくると街に出かけた。それから2日後、窃盗容疑で逮捕されたという。
公開裁判後、夫はトラックに乗せられて「市中引き回し」に処された。時速5キロでゆっくりと進むトラックは街をぐるりと回る。30分後、刑務所に戻ってきた車を肖さんと娘は出迎えた。肖さんは涙ながらに「縄がきつくしめられているのを見ました…」とその日を振り返った。*容疑者の家族ら。
婁底市総合管理弁公室の担当者は言う。「この地の状況はきわめて複雑です。こうしなければ抑止効果はないのです」、と。公開裁判はきわめて重要な啓蒙活動として位置づけられており、現地のテレビや新聞でも報道されている。
习惯性游街:司法高层反对 基层政府热衷--南方报业网 (習慣的な「市中引き回し」=司法高層部は反対、地方政府はご執心―南方報業網、Chinanewsが要約して翻訳)