中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2010年07月29日
さて、突然場面を変えてしまいますが、上海の書店に行ってみましょう。
何気におしゃれな感じです。店の中へ入って日本書籍を探してみます。
おお、ありました。「1Q84」で、新潮社をホックホクのザックザクにしている村上春樹です。いつか、ノーベル文学賞もとるであろうと言われる世界的な作家さんだけに、中国でも凄い人気。
東野圭吾も大々的に新刊の広告が飾られていました。日本人として嬉しい限り。しかし、外国文学棚に行ってみると、中国における日本人作家、いや外国作家NO1は誰かということが、ハッキリと分かります。
外国名家作品。
渡辺淳一!
どうです!下段にわずか~に村上春樹が混入してるだけで、ほぼ渡辺淳一です!外国名家作品ですよ(笑)。
とまあ、そのぐらい中国での渡辺淳一先生の人気が凄いということです。社会主義の中国だからこそ、奔放な性解釈などに魅了されるのでしょうか。そういえば村上春樹もそういう側面ありますね。しかしすさまじい人気っぷり。
当然ここまで売れに売れ、海賊版の市場流出数も拡大していくことになると、笑ってばかりもいられません。渡辺淳一先生も出版契約なしで出版した出版社などを相手取り、訴訟を起こし、見事に10万元を勝ち得ました!。(日本円で134万円…… 安すぎませんか?)
ここで紹介したのは氷山の一角、そのまた氷の一粒みたいなもの。海賊版を製造し続ける闇出版社は全土にいくらでも存在します。そして増殖し続けることでしょう。
海賊版書籍を満載したリアカーはちょっと面白いというか、笑ってしまうような光景。とはいえ、本当に笑ってばかりもいられません。今後、日本の書籍にとって中国が重要なマーケットになることは間違いないだけに、海賊版問題は解決すべき大きな障壁となっています。
日本書籍業界が「失落園」にならない為にも、犯罪者を「流刑地」へ!違うか(笑)。
(リアカーの横は偽クロックス屋)