中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2010年07月31日
近年、世界的に人身売買や誘拐が急増している。背景にあるのは、少子化による養子や花嫁の深刻な不足、貧困層の増大による子どもの売買、そしてスポーツの 大イベントに集まる男性観客目当てのセックスワーカー(売春婦)需要の増大などだ。とくに中国では数年来、女性や子どもを誘拐する事件が多発して、世界最大の誘拐国とまでいわれるようになった。
誘拐大国になった中国 一人っ子政策の悲惨な余波(ECO JAPAN)
・村を挙げて誘拐を生業とし、人口83人中45人が誘拐・人身売買で摘発されたという村もある。
・中国公安部は、女児や少女の誘拐は年間数千~数万人と推定しているが、この数字は氷山の一角という見方が強い。誘拐阻止のNGO(非政府組織)は、年間30万~50万人とみている。
・結婚難で結納金高騰。結婚詐欺も多発。
・脱北女性も売り飛ばされる
・ミャンマーの女性をかどわかす事例も
といった内容。極端な事例を並べているという感はぬぐえないが、それでも凄まじい事例には驚かざるを得ない。
誘拐といった極端な話までいかなくとも、男女のアンバランスな人口比がもたらした結婚難は、社会にひずみをもたらしている。娘よりも息子が欲しいという親は多いだろうが、しかし高い学費を払って育て上げるだけではなく、家と車を買いそろえて嫁探しにいそしまなければならないなど、苦労も相当なもの。
「こんなに大変ならもう子どもは要らない」という日本人の境地にいたるのも、そう遠くはなさそうに思う。