中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2010年08月01日
新華社電によると、中国山西省臨汾市翼城県の炭鉱従業員宿舎で31日未明、爆発が起き、17人が死亡、7人が重傷を負った。警察は爆薬を違法に隠し持っていたとして容疑者を拘束した。
中国では違法採掘などの炭鉱で爆発事故が相次ぎ、政府は小規模炭鉱を整理して業界再編を進めているが、今回爆発が起きた炭鉱も整理の対象になっていた。
炭鉱宿舎で爆発、17人死亡=中国山西省
ドラゴンボールのようなクレーターになっています。建物がきれいさっぱりなくなり、爆発の威力をうかがわせます。
時事通信をはじめ、当初の報道では宿舎内に隠し持っていた爆薬が爆発したと報じられていましたが、1日午後2時49分の羊城晩報によると、
・宿舎から30~40メートル離れた爆薬庫が爆発
・直径20メートル、深さ5~6メートルの大穴が開いた
・数キロ以内の村では窓ガラスが割れたり、家にひびが入るほどの強い衝撃を受けた
とのこと。
また記事に載っている女性(出稼ぎの夫に会うために娘連れで炭鉱にやってきた)の話が生々しい。
王崇珍さんが泊まっていた場所は爆薬庫から最も近く、わずかに20メートルしか離れていなかった。夜2時過ぎのこと、娘が突然起きだしトイレに行きたいと騒ぎ出した。仕方なく娘を連れてベッドから抜け出すと、突然、外からはポンポンという音が聞こえてきた。「火事では」と思い外を見た王さんは、あっけにとられた。見えたのは爆薬庫前の光だった。慌てて夫を起こし、娘を抱きかかえて逃げ出した王さん。100メートルも走らぬうちに爆薬庫は爆発した。中国では、火薬など爆発物をぞんざいに扱う事故が後を絶ちません。灯油をバスに持ち込んでとか、花火工場でタバコ吸っててとか、工事現場の従業員宿舎にダイナマイトを置いていて、とか。そうして事故が起きるたびに人が死に、王さんのような悲しい思いをする人が生まれます。
「振り返ると、爆風はまるで台風のようにすべての建物を壊していました。そして夫と娘を飲み込んだのです。夫は32歳、娘は11歳でした。もう永遠に彼らと会うことはできません。永遠に。