先日、中国高官が「中国のGDPはすでに日本を抜き、世界第2位となった」と発言し、話題となった。もっとも二桁成長を連続する中国と相変わらず「失われた20年」が続く日本では、逆転は時間の問題でしかなく、驚くべきことではない。
※動画は当記事とはあまり関係ありません。
問題は、中国を目の前にして日本はいかに生きのびるべきかにある。教育に力を入れ「科学技術立国」になるべき、との主張をしばしば目にするが、現実はお粗末きわまりない。
文科省の統計ではGDPに占める政府の教育費支出はわずかに3.3%(2010年版、PDF)。経済協力開発機構(OECD)平均の4.9%から大きく遅れをとっている。
一方、中国では学費、住宅購入費、医療費が人生の三つの悩みと言われ、「財政の教育支出が足りない」ことが問題とされてきた。ところがGDPに占める政府の教育費支出は3.48%(2008年)と日本とほぼ同水準。先月29日に発表された
「国家中長期教育改革・発展計画綱要(2010~2020)」では4%という目標を掲げるなど、このままいけば日本を上回る計算となる。
「科学技術立国」を目指す日本の将来はどうか?民主党政権は高校授業料無償化に3900億円の予算を注ぎ込んだ一方で、財政再建という錦の御旗の下、国立大学運営費交付金を年8%の大幅削減に踏み切る可能性もあるという。削減できない固定費がある以上、研究機能が麻痺するレベルの大削減となる。
かつて小泉首相が口にした「米百俵の精神」は流行語となったが、もともとは今の生活を我慢してでも、将来のために学校を使ったというエピソードだったはず。残念ながら、小泉政権からこの方、めりはりを付けた予算編成で、将来のための教育投資を充実させるという話は聞いたことがないように思う。
教育費経費の充実を国策に掲げる中国と、大学研究費大幅減を敢行する日本。将来、「科学技術立国」になるのはどちらの国だろうか?
(Chinanews)
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